らんまんは今週の締めくくりとなるエピソードで、ついに万太郎が目指す植物雑誌刊行の様子が詳しく描かれた。
昨日までは気がつかなかったけれど、今回の発行は実は2冊。
1冊目は前回の植物学会誌の第2号。
そしてもう1冊が万太郎が目指す植物雑誌。
万太郎が思いをぶつけて作り上げた雑誌は通常のものよりも明らかに大きいサイズで完成。
表紙も中身も思い通りのものができたようだ。
さて、気になるのはこれら発行に関わる様々な経費がどうなっているんだろうかってこと。
内容から考えても自費出版になったのは間違いないと思うんだけど。
案の定、物語の中では版元に支払うお金100円の工面に苦労する寿恵子の様子も描かれていた。
十徳長屋に作られた新しい印刷所にかかった費用はおよそ1000円。
寿恵子が峰屋から預かったお金は2000円。
もちろん生活費も必要になるので台所事情はかなり厳しいはず。
寿恵子はお金を用立てるためにあの思い出の高藤家で披露していた真っ白いドレスを質入れしようとしていたね。
そしてそこには同じ長屋に住む倉木の奥さんが。
万太郎たちが資金繰りに四苦八苦していることがばれてしまう。
100円は今で言うところの200万円に相当する。
簡単に右から左へ動かせる額面ではない。
そんな中、雑誌は無事に完成お披露目も行われた。
そこでは、新たな事実が明らかになって
目次
槙野印刷所
みんなの協力を得て完成した印刷所。
しかし、これからが本番なわけで、やらなければならない事は山積み。
万太郎は雑誌を印刷するための作業はもちろんのこと、本業は研究なわけでそちらのほうも絶対に手抜きは許されない。
それにしても家賃1円50銭の長屋住まいのはずが、これでは完全に印刷所と化してしまった。
日本で はじめての仕事をするわけで、準備だけで莫大な労力が必要だったことが改めて思い知らされる。
研究は共同作業で
大窪は共同研究者として万太郎と同じような情熱を持ち合わせていた。
昨日の私のエピソードでもそれとなく紹介したけれど、彼のモデルとなった人も、大変な方で、物語の登場人物としては、申し分ない存在感を発揮していたと思う。
物語の流れも、こちらからある程度把握できるはず。
完成した2冊の雑誌
今回万太郎がこしらえた雑誌は2冊。
前回、植物学機関誌の初版発行に関わった。
その時に大畑印刷所にご縁ができて石版印刷のノウハウをこと細かく学んでいたのだ。
研究を続けるためには、自分の存在を認めてもらって、研究資金の足がかりとする必要が。
そのためには、どうしても世の中に認められる植物学者である必要が。
学会誌のほうは文章が多いから印刷も若干は楽かもしれない。
ただし、原稿集めはそれなりに労力を必要とするだろうが。
植物学教室では、誰もが万太郎の味方なので今回は前回ほどは苦労しなかっただろうと推察。
寿恵子のおめでた
寿恵子はこの頃、体調不良に悩んでいたような。
食欲がないのと悪心。
物語を見ている側からすれば、これはつわりだとすぐにわかるが。
意外と当事者は気がつかないのかもしれない。
今日のエピソードの中でさらに印象的なシーンが描かれていた。
それはほかならぬ倉木夫妻とのやりとり。
実は、日中質屋で寿恵子が質入れしていることを、黒木の奥さんにしっかり見られていて、寿恵子も詳しい事情を話していた。
版元に前払いする100円の用立てに苦しんでいると。
倉木が持ってきたのは100円の現金。
過去に土佐から持ってきた植物標本云々でこの2人には浅からぬ因縁が。
トランクを返す代わりに100円を要求した倉木。
万太郎は標本が無事なら200円払うと言って確かそのまま払ったと思ったな。
倉木はそのことをとても恩義に受け止めていたようだ。
これは施しじゃない
軍資金を用立てているだけ。
彼はやはり上野彰義隊の紛れもない生き残り。
植物学に賭ける万太郎に、同じ闘う者としての意気込みを感じ取ったのかもしれない。
ブラック田邊が受けた衝撃
ブラック田邊は自分の植物標本が不完全なことに手を打っていた。
それは戸隠草の花が咲いた標本を何とかして後から追加しようと言うもの。
それができれば、彼の名前を冠した学名が学会に残る。
ここで起こったのが重大事件。
ブラック田邊の先を越す形で以前登場した伊藤孝光がケンブリッジ大学で発表してしまっていた。
来週に繰り越すエピソードは寿恵子のおめでたとブラック田邊の思惑が大外れになる事実が描かれる雰囲気。
やはり、地位や名声目当ての研究など無意味だと言うことだろう。
ただし、万太郎はこれからが植物学者として本領発揮することになる。
寿恵子との暮らしもあるわけで、果たしてこちらの家庭がどんなふうに描かれるのか興味津々。