物語はここへきて大いに盛り上がりを見せる。
万太郎が池の中で見つけたムジナモ。
これは不思議なご縁で見つけられたと言っていい。
新種だろうとは思ってみても、詳しい検定作業はやはり東大に赴かなければわからないと悟った万太郎。
東大へはブラック田邊との一件があってから、足が遠のいていた。
意を決して訪れてみると、かつての仲間たちが大歓迎してくれる。
持ち込んだ、ムジナモをみると、いよいよ謎は深まるばかり。
徳永や大窪も巻き込んで議論をしていたところにブラック田邊がやってくる。
今日の物語の真骨頂はここから。
田邊は以前コーネル大学でダーウィンの書籍を読んだ記憶を頼りに、ムジナモの正体を目星をつけて解説。
これは、ダーウィンが魅了された水棲の食虫植物。
見かけからは根がないので、どのように養分を得ているかがよくわからない。
今は研究が進んでいるので、事情は詳しく解明されているが、この頃はまだ発見段階で全てはこれから明らかになるの待つばかり。
ブラック田邊は思いがけない、寛大な発表をする。
なんと、万太郎に精緻な植物画をつけて論文として発表してみろと。
研究が始まってからさらに気がついたことが1つ。
今まで誰も知り得なかったムジナモが開花。
おそらく、世界で初めて植物学者の目に触れるものだと誰もが驚きを隠せない。
目次
メンツと真心
物語の最初の方で描かれた野宮と田邊教授とのやりとり。
ブラック田邊は万太郎を教室に出入りさせるつもりはなかったようだ。
しかし、野宮の渾身の訴えに思わず思いを巡らせてしまう。
万太郎の植物に関わる様々なポテンシャルは、世界的なレベルに達していると思われる。
それを自分の都合だけで遠ざけてしまうのは、かえって自分に不利益なのではと考えたとしても不思議は無い。
物語では、そこまで深読みしているようには見えないが、野宮の訴えを以前のように頭ごなしに否定する対象ではなかった。
ブラック田邊のメンツと後に植物学者として名前の知れる野宮の真心が一緒になった瞬間。
ムジナモの研究
万太郎はムジナモを勇気を出して植物学教室に申し込んでみたところ、思いがけなくあのブラック田邊が手を差し伸べてくれた。
やはり、植物学に関しては大学の教授を名乗っているだけの事はあるのかも。
どうやら、ブラック田邊の了解を得られたことで万太郎は晴れて研究を続けられることに。
植物学教室
久しぶりに訪れた植物学教室だが、すでに周りの者たちは皆、万太郎の仲間。
大窪は既に助教授になっている。
みんな出世してるよね。
彼らがムジナモを初めて見たときにその正体がわからず興味津々だった。
水草だが、根がないのでぷかぷか浮いている。
どのようにして養分を得ているのか?
光合成だけでは、無理があるような雰囲気。
物語の最後の方で明らかになるが、花も咲く。
ちなみに、和名はムジナモだが、本当は牧野博士はタヌキモにしたかったと聞いた。
ところがたぬきのほうは、他にもいっぱい名前があったので、たぬきの別名、ムジナにしたようだ。
花が咲くことを確認できたのは、日本が最初らしい。
とても珍しい植物で、現在は絶滅危惧種との事。
さらには、栄養補給は食虫植物なので水中のプランクトン、例えばミジンコなどを捕食しているようだ。
調べてみると、いろいろ詳しく研究されているが、必ず出てくるのが牧野富太郎博士。
やはり彼の功績がとても大きいんだろうなと改めて実感する。
田邊教授
今日描かれたエピソードの中では、あのブラック田邊の印象ががらりと変わっていたような気がする。
万太郎にムジナモの研究を進めて、論文を書くように指示してみたり。
そして、発表は見つけたものがするのが当然と語った。
この人、こんなに物分かりの良い人だったかなぁ?
それぐらい今日のエピソードではイメージを一新していたと思う。
ただし、相変わらずの上から目線で周りのものを威圧する態度はそのままだったが。
物語の最後の方で、徳永助教授とのやりとりが描かれていた。
徳永はこれからの植物学を考えたときに、このままでは自分は取り残されるのかもと一大決心をした様子。
それは、ドイツに留学すること。
田邊教授は1も2もなく賛成する。
遅いぐらいだ!
しかし、やり取りの後、徳永ににっこりと微笑みながら、
君も帰ってきたら教授だな😊
努力しますと返す徳永。
東大の植物学教室はここへきて大きく結束し始めている印象を受けた。
ドラマ放送後の朝イチでのやりとり。
田邊教授には何かあるかもしれないと話題になっていたね。
それは、窓から万太郎たちを見る目つきがいまひとつ邪悪なものがあるんじゃなかろうかと。
疑い出せばキリがないが、史実通りならブラック田邊はこの後万太郎を植物学教室から追放する。
モデルとなった世界では、そういった事実が伝わるが、この物語ではどんな展開になるのやら。