なかなか面白い展開になってきたらんまん。
どうやら、今週の物語のキーパーソンになるのは寿恵子。
彼女の存在感がストーリー全般を凌駕することになる。
寿恵子は昨日の爆弾発言通り、石版印刷機の購入を申し出た。
普通、個人レベルで所有できるようなシロモノではない。
そして、物語を見ていた誰もが思っただろうが、この品物はおそらく輸入品だろうと。
しかし、どうやらこの時代ぼちぼち国産の機械が生産されつつあると言うことで、それは大畑社長が説明した通り。
どうやら、ほぼなし崩し的に購入は決定する流れ。
もちろん、十徳長屋に持ち込むことになるので大家のりんにもお断りを入れる。
石版印刷機は畳1畳ほどの大きさだけど、他にもそれなりに作業スペースが必要とのことで、寿恵子は今までの家賃2部屋分のほかにもう1部屋足して3部屋分
つまり1円50銭支払うと語っていた。
現在の価値で言うと、3万円ほど。
さて、肝心の機械は石版を合わせると1000円ほど必要とのこと。
そこで、誰もが気がつくところだが峰屋から預かったお金が2000円ほどある。
そのうちの半分の出費と言うことに。
今日のストーリー展開はそれだけでは終わらなかった。
東大の植物学研究室から思いがけないお客さんが。
それは、同じ仲間の藤丸と羽多野、そしてなんと講師の大窪まで。
大窪は一大決心をして万太郎の元を訪ねてきた。
万太郎のこの物語の主人公としての本当の値打ちが語られ始める。
目次
決断 石版印刷機購入
印刷機を購入すると言うのはかなりな大事。
まだ明治の初め頃なので、大抵の工業製品は輸入するしかなかったはず。
しかし、日本の持つポテンシャルはすごいなと思ったことに石版印刷機もこの頃少しずつ国産化されつつあったようだ。
社長曰く、新しい機械は石版込みでおよそ1000円ほど必要とのこと。
つまり、現在の貨幣価値では2000万円ほどになる。
ここで寿恵子が話したのは峰屋から1000円預かったと語っていた。
余計な勘ぐりかもしれないが、2000円の預かり金は寿恵子しか知らなかったのかもしれない。
確かに、能天気な万太郎にお金の話をしても仕方がないと思うので。
万太郎が持っている顕微鏡は家1軒分の値段がすると語られていた。
おそらく1000円近いお金が必要だったんだろうと思う。
十徳長屋のリフォーム計画
十徳長屋に印刷機を持ち込むとなると、様々なリフォームが必要になる。
仕事の流れを考えると、印刷の業務のほかに石板を削ったり洗ったりするなど付録となる作業が山ほどある。
要するに、印刷所を新たに設けることになるわけで様々な準備が必要になるのは当然至極。
万太郎の説明になかなか首を縦に振らない差配人りん。
そこで、助け舟を出してくれたのが、倉木の兄貴。
以前この物語の中で彼は上野彰義隊の生き残りであることが語られていた。
そして、万太郎とはかなりの曰く付きの関係。
彼が味方になってくれることで、万太郎や寿恵子の計画は順調に進むことになる。
しかし、十徳長屋の家賃は通常の3倍支払うことになりそう。
どうやら明日以降は、長屋のリフォーム計画の様子が語られそうな気がする。
東大植物学教室 今現在
東大からやってきた3人の中で誰もが感じた違和感は講師の大窪。
彼が、わざわざ万太郎の住むところまでやってきた。
今日のエピソードの中で、ここから先は15分枠のおよそ半分を使って語られた。
その中で興味深いと思ったのは、東大の植物学教室の中で田邊教授が浮き始めていること。
もともと、ブラック田邊はかなり自分勝手でわがままが目立つ存在。
しかし、権力を持っているとのことで、みんながおどおどビクビクしながら付き合っていた。
その彼が、植物学の業績で万太郎に追い越されてしまったことで、どうやら焦っているらしいとのことも。
さらには、自分が不機嫌なことを周りに当たり散らしているような。
大窪講師の述懐
調べてみると大窪には実際にきちんとモデルが存在している。
それは、牧野博士と親交のあった植物学者大久保三郎氏。
物語で語られていた彼のお父さんも超有名人だった。
徳川幕府の役人でもあって、明治以降は東京府知事にも任命されている。
彼の息子と言うことになる
この方がすごいのは、「青天を衝けの時の徳川慶喜の家臣に相当していて、渋沢栄一を推挙したのも彼になる。
なるほど、調べてみると凄いことばかりで思わず絶句。
物語に戻ると大窪はどうやら本気で植物学を目指そうと思うようになったらしい。
詳しいいきさつは、明日のエピソードで語られると思うが、万太郎の大きな特徴として、周りにいるものを笑顔にしてさらに、本来の目的に頑張ろうとするように仕向ける。
万太郎の天真爛漫さがなし得る技だと言える。