無類の映画好きである。映画館でよく見るのは、やっぱりスターウォーズシリーズとかアメコミ物の映画は好きでよく見る。
最近は4DX3Dにハマって料金はすこぶる高いんだけど、無理して見ちゃうことに。
でも、ここで少し、昔から様々見た映画の中で本当に心に残ったというか、人生観が変わったような映画って少ないながらもあったと思う。
死刑台のメロディー
この映画1971年度の作品で死刑台のメロディー
1900年代初頭アメリカの暗黒の歴史を描いたとされる。
無実の罪で死刑を宣告され執行された2人のイタリア系アメリカ人。
ニコラサッコとバートロメオバンゼッティの物語。
特に主題歌「勝利への賛歌」が当時フォークソングの第一人者とされたジョーンバエズが歌っていて特に有名だったと思う
死刑台のメロディー オリジナル・サウンド・トラック Sacco and Vanzetti original sound track
この主題歌はジョーンバエズのオリジナルではない。
こちらがオリジナルである。残念ながら音源を紹介できないのがたまにきず。
シャンソン歌手ジョルジュムスタキ
シャンソン歌手ジョルジュムスタキを知っている人が果たしてどのくらいいるだろうか。
私が知ったのは19歳の時、この時映画死刑台のメロディーを見てサウンドトラックの音源を聞いたのだが、後にこの主題歌のオリジナルを作ったのがフランス人と知って
少し驚いたのを覚えている。オリジナルは当然フランス語である。
この映画を取り上げたのは、少なくとも娯楽映画ではないのにもかかわらず、封切られたこの年の人気のある映画ベスト10に取り上げられたから
映画館で映画を観た後、最後のエンドロールのところで観客が拍手していたのを思い出す。
「勝利への賛歌」は最後のこの時にのみ流れるのである。
社会の不条理によって抹殺された人生に観客の多くが感情移入をし、感動したのだと改めて思い出す。
映画を見た人ならば知っているのだが、無実の汚名を着せられた 2人の死刑判決を阻止するべく様々な運動が展開されるのだが、証拠を提示できたにもかかわらず、陪審員たちは死刑執行を指示するのである。
映画はこの不条理への告発である。
とても感動はしたが、全く娯楽の要素はなく、ただただ自分の人生観の書き換えに寄与した映画となった。
欧米の方々は、映画で訴えるメッセージに特にストレートな反応を示す。
本来ならば決して面白くはない作品であっても、そのメッセージが支持できるとなれば無条件で賞賛するのである。
この映画に関して言えば、日本人でも同じだったと思う。
映画としてははっきり言ってつまらないのだが、じっくり見ればそこに描かれた人生模様は確かに感情移入に値した。
子供の頃からの映画ファンではあるのだが、いつの頃からか、娯楽映画ばかりをみてばかりでは本当の映画好きとは言えないんだろうと思うように。
芸術としての映画ソースは格段に優れてきている。
映画は楽しむだけでなく、様々なメッセージを添えて、例えば戦争を鼓舞するようなプロパガンダに使われることだってあるわけだ。
これはと思うものは、つとめて鑑賞するように心がけて、自分自身の感性も磨かなければといまだに思うのである。
長年見てきて感じるのは、欧米の人たちは戦争始めとする暴力の告発は、たいていは支持するようだ。
いずれ紹介することもあるだろうが、「戦場のピアニスト」のような映画でも日本ではほとんど無名だったにもかかわらず、アカデミー賞の主演男優賞に輝いている。
この映画(死刑台のメロディー)は、決して面白い映画ではない。しかし映画が好きでいろんな作品を見たいと思う方には、ぜひともオススメである。
小賢しい意見だが、アメリカの暗黒の歴史の一端がくまなく描かれている。