高校生のころから日本ではフォークソングブームが起こっていた。
ご多分にもれず私もギターを抱えて歌ったり、また伴奏をしたり。
高校を卒業したあたりからだろうか。本格的なフォークソングって一体どんなものだろうと考えるように。
そこで知ったのがカントリー&ウェスタン。
なるほどこれが本場なのだと思ってはみたが、音楽的にどうこう言うものではなかった。
私にはクラシックに親しんだ耳で感じると、かなり稚拙なメロディーラインに思えたもので。
目次
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ウッディーガスリーとピートシーガー
フォークソングもそうだがカントリー&ウェスタンはメロディーよりは歌詞が最も大切。
どんなメッセージで、どんな心境を表現しているか。
そこに尽きるのだ。
高度な音楽テクニックを駆使するわけではない。
むしろ稚拙な素朴な味わいで語るように演奏される。
代表的なものをいくつか。
Woody Guthrie -- This Land is Your Land
いろんな人が歌っているので別な歌手のものを聞いた人も多いのでは。
こちらがオリジナル
私の記憶では日本語の題名はわが祖国だったと思った。
この曲をみんなで歌いながら様々な学生運動等の集会でも使われたと記憶。
ほぼ伝説となった曲だと言える。
Pete Seeger, We Shall Overcome (Version #02), Berlin, DDR (GDR), 1967
こちらも非常に珍しいと思う。
本人自身の歌声。
私が調べた中ではこの2人がカントリー&ウェスタンの大御所に間違いないだろう。
ウッディーガスリーはわずか55歳でなくなったが、ピートシーガーは94歳まで存命でとても長生きだったと思う。
彼らはアメリカンフォーク、カントリー&ウェスタンに計り知れない影響を与えたと言える 。
今はこういったタイプの歌手はほぼ見かけなくなったので、思い出の中でたどるしかないのだ。
ボブディラン
ボブディランの涼しげなビジュアルは 野暮ったいシンガーとはまるで1線を画していたのだが。
しかし歌い手としての彼のメッセージは大変なものがあると言える。
彼の代表作は風に吹かれてになるが、おそらく知らない人はいまい。
Blowing In The Wind (Live On TV, March 1963)
こちらも本人の歌声。
彼の歌を初めて聞いたときにもっと英語をしっかり勉強してすらすらと理解できるようになっていたらなぁと盛んに思った。
彼を知ったのが20歳過ぎの時だったので。
あの時、10年近く英語を勉強してもまるで会話もできない不甲斐なさは、その腹立たしさを誰にぶつければいいのだろうかと。
そしてこの頃から、映画館で映画を見ることも趣味にしていたので、字幕をせっせと負わなければいけないもどかしさも自分のふがいなさを思い知ることに拍車をかけた。
今でもその時の語学力はまるで変わっていない。
あれだけ勉強したのにまるで話せないお粗末さ。
カントリーの曲を理解したければ英語を知らなきゃだめだよなぁ。
メロディーを聞いてみたところでそれほど目新しいものがあるわけではないので、特にボブディランの曲は歌詞の中で巧みに韻を踏んでいるので、それは語学力がなければ味わいを感じられないので。
ジョーン・バエズ
ベトナム戦争に反対し続けていた彼女は、1時国外追放にもなった。
歌手と言うよりはほとんど思想家に近かったのかも 。
彼女が訴えていたのは戦争の悲惨さと、戦争をやめさせようとする働きかけ。
Where Have All The Flowers Gone (Pete Seeger Tribute) - Joan Baez - 1994 Kennedy Center Honors
彼女は基本的に歌の上手い人なので、またルックスも申し分なくアピールしていたので大人気歌手と言っていいのだ。
この辺が代表曲であるのは間違いない。
しかしこちらはどうだろうか?
ジョーン・バエズJoan Baez/勝利への讃歌Here's To You (1970年)
私の大好きな曲の1つ。
映画死刑台のメロディーの一番最後に流れる主題歌。
アメリカのいくつかある黒歴史の中の1つサッコとバンゼッティ事件をタイトルに描かれた映画。
この曲のオリジナルはシャンソン歌手のジョルジュ・ムスタキだったと思う。
彼のレコードを所有しているので。
実はこの映画を見たときに、20歳そこそこの私は衝撃を受けた。
世の中にこんな不条理があるものかと未熟な若者のマインドで痛烈に感じたもの。
それから私の映画行脚が本格的に始まったと言える。
その時の最も印象に残った曲なので、カントリーの曲なのか?そう思わないでもないが、ジョーンバエズに免じて紹介したい。
みんなで歌うことの楽しさを教えてくれたのはこれ
カントリー&ウェスタンはなんといってもみんなで合唱する楽しさがあるだろう。
とりあえずギター1本あれば知っている曲ならば大体コード進行なんかも頭の中に浮かぶと言うもの。
そうすれば楽譜なんかなくたって充分楽しくやれた時代。
今は音楽もずいぶんとネットの発展でマニアックな世界になったかも。
アナログで育った私にしてみると、今のネットの様々なアイテムにはまるでついていけてない。
自分でひたすら自信があるなと思うのは感じる心。
いいものやお気に入りを簡単に選び出すことができるその感性だけがこの年になっても自分の自慢と言える。
ちなみにカントリーの様々な曲の中で最後に私がお勧めするのは、テネシーワルツ。
The Tennessee Waltz :Emmylou Harris / テネシー・ワルツ :エミルー・ハリス
テレビのコマーシャルでも流れたので知っている人はいるかも。
カントリー&ウェスタンの様々な歌手の中で私が筆頭で好きなのが彼女。
彼女の歌うこのテネシーワルツが私の中で大好きな曲5選の中に入るだろう。
カントリーとはこういうことなのだと教えてくれたのがこの曲。
初めて聞いたのは多分30歳ぐらいだったと記憶。
それからもう40年近く経つのだ。
ちなみに彼女のレコードも所有している。
残念ながら今はレコードなんてデバイスはあまり流行らないんだよね。
もっぱら私が利用しているのはYouTube。
感覚は昔のままなのに、使っているアイテムだけが最新鋭に進化しているのがなんとも皮肉。