再放送ながら今日のエールも格調高いドラマ仕立てになっていた。
梅ちゃんの副音声の下、椿姫の最終選考の歌唱の途中に鉄男君と希穂子さんの別れのシーンを織り混ぜるところ。
恋愛映画などでよく使われる手法だけれど、わずか15分の何気なく見る朝ドラの中で、こんなにも高等なテクニックが使われているところに改めてびっくり。
様々なキャラクターが登場する中、今回新たに希穂子を演じた入山法子は驚くほどの完成度の高い演技を披露していたよね。
別れるためにわざわざ一世一代の嘘をついてみせる。
様々な種明かしがある中で、さすがに今日のドラマはエールの中でも1 2を争う良い出来だったのでは。
目次
福島行進曲に至るいきさつ
喫茶バンブーで鉄男君と祐一君の初レコーディングを記念してお祝いをすることに。
実はそこにぜひとも希穂子を呼びたい音ちゃん。
鉄男君と希穂子さんがかつて恋仲だった事はすでに皆が知るところ。
しかし複雑な事情があって2人の恋は実ることがない。
この福島行進曲は行進曲の形はとってはいるものの、実際は切ない恋心を歌った恋の歌。
この詩を愛でる人も多いのだ。
曲は行進曲らしく明るくリズミカルなものだが、詩に込められた切ない思いを反映している。
音ちゃんと希穂子さん
ついこの間まで働いていたカフェに希穂子さんをたずねる音ちゃん。
そこで鉄男君との恋物語の詳しいいきさつを教えてもらう。
パーティーにぜひとも来て欲しい音ちゃんに語った希穂子さんのいきさつとは。
福島の新聞社の社長は自分の娘と鉄男君を結婚させたがっていた。
そのためには婿養子として受け入れるのだが、女性関係をきちんと生産して欲しかった。
そのために直接行動として希穂子さんに申し入れをする。
ある程度まとまったお金を渡して、このお金でお父さんの病気を治療してあげて。
そのかわり鉄男君とはきちんと別れて今後一切合わないこと。
もし、約束を守らないならば鉄男君を解雇するしかないと。
その時、希穂子さんはきちんと踏ん切りをつけるためにそのお金を受け取ったのだ。
そうすることで鉄男君から身を引くことの証しとしたかった。
お金を受け取った以上、もう会うことはできないと心に固く決心していた。
その話を聞いて音ちゃん。
それでもどうしてもバンブーに来てレコーディングを祝ってほしいと涙ながらに訴える。
音ちゃん最終選考
かつてない集中力で最終選考に臨む音ちゃん。
鉄男君と希穂子さんの切ない恋の行方に胸の中は掻き乱されていた。
そのどうしようもない切ない気持ちを歌に込めたのだ。
ナレーションの梅ちゃんがこんなお姉ちゃん見たことない。
そしてこの歌のシーンにかぶせるように鉄男君と希穂子さんの別れのシーンが描かれる。
女優入山法子が演技力の全てを駆使して臨んだシーン。
自分には結婚が決まったと、最後の嘘をついて鉄男君の下を去っていく。
このやりとりは、正直びっくりするほどの見ごたえが。
涙ながらに自分の結婚を語るシーンなど、驚くほどの説得力。
さて、こうして希穂子さんはまた東京を去ることになる。
見事最終選考に勝ち残った音ちゃん。
新たな道が始まろうとしているのだ。