くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

麒麟がくる 将軍義昭 皆が期待する神輿武将たちの思惑

 

麒麟がくるは先週13代足利将軍義輝が亡くなって、次期将軍をめぐる争いが。

畿内を2分する勢力は一方は四国の足利義栄を擁立し、光秀を始めとする義輝に近い勢力は義昭をわざわざ還俗させて将軍にしようと画策

そんな中物語は、明智光秀の意見を求めて様々な武将たちの思惑が交錯する。

特に一乗谷の朝倉義景と美濃を平定した織田信長は、どちらも将軍義昭を担ぎたがっていた。

麒麟がくるでは美濃が故郷の光秀親子が一旦里帰りするところから物語は始まる。

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母 牧と連れ立って里帰り

目次

懐かしい美濃国 明智の荘

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はは 牧にとっては何もかもが懐かしかった

まるでこれが最後の故郷への旅かのように無邪気にはしゃぐ母親。

既に斎藤義龍の後を継いだ龍興は信長に追放されて美濃国は織田信長のものになった。

信長と好を通じている光秀にとっては故郷への里帰りも容易だったようだ。

何よりも楽しみにしていて喜んだのは母親の牧。

ふるさと明智の荘にはかつて明智家の家臣だった古くからの家来衆もいる。

一旦戻ってみたなら皆懐かしい面々。

複雑な気持ちの光秀とは裏腹に、母親にとっては何もかもが懐かしかったようで、また残っていた家来たちも再会を喜びあったのだ。

風格を増した信長と謁見

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織田信長は美濃を平定 光秀の意見にも耳を貸す

織田信長と謁見をする明智光秀。

何気なく信長から言葉をかけられる

光秀 ワシに使えてみる気はないか?

単刀直入な質問に思わず面食らってしまう光秀。

はい分りましたと即答するわけにはいかない。

今は朝倉の世話になっていて、しかも亡くなった将軍義輝への思いが強い。

自分でもどうしていいのかわからなかったのだ。

物語を見ていて感じたのは、これほどのレベルの武将たち2人が腹を割って話をしているとお互いに相手のことが納得できる部分が発見できるのだろう。

信長自身も自分が何をしたいのか、何をすべきなのかいまひとつわからないと言う。

と同時に、信長自身はどうやら戦が嫌いではない

今川義元を討ち果たしたときにみんなが褒めてくれたことが、自分の中でもとても嬉しい記憶として残っている。

戦って勝てば皆が喜ぶ。

どうやら信長にとってのやりがいはこの辺にありそうだと。

戦が好きだなんて、いかにも信長らしい意見だが、今まで私たちが考えてきた信長像とは違うのかも。

今までは殺戮を好むサイコパスな信長が一般的に知られるところだが、このドラマでは誰かを喜ばせることに無常の喜びを感じる少年のような一面を描いている。

不思議な魅力の信長像がこの物語で描かれているが、麒麟がくるでは明智光秀とこの先重大な事件の当事者とならなければならない。

将軍義昭の器

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自分が将軍となることで弱い人々の救いになるかも知れぬ

もともと武士ではない足利義昭。

その発想は明らかに武家のものとは違っていて、宗教家とか政治家などの発想に近いのかも。

権力を手にしたときに目標とすべき事柄が弱い立場の人々の救いになること。

そのための将軍職ならばなってみて力を発揮するのもありかと考え始めているのだ。

実はこのような義昭自身の言葉を直接聞いた光秀は激しく反応する。

光秀自身は義昭は将軍の器ではないと結論づけていたが、じっくり話をしてみると決してそんなこともない。

今までとは全くタイプの違う優れた将軍になるのではと思い始めるのだ。

武家の頭領としての将軍のイメージはあくまでも足利義輝だが、世の中を平かにして、弱い人々を救う。

義昭はこの任に最もふさわしいかと考え始めている。

武将たちの思惑

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14代将軍に即位したのは義栄

足利14代将軍として即位したのは三好3人衆などが担ぎ上げる義栄。

義昭は一歩先をこされたように見えるが、実はこの14代は早々と亡くなってしまう。

皆から担ぎ上げられる形で15代将軍に即位するのだ。

実はこの時将軍とともに上洛を噂されたのは朝倉義景と織田信長。

最終的に共に上洛できたのは信長。

ドラマの中で語られていた朝倉義景のセリフがとても意味深だっただろう。

わしも神輿を担いでみようかの。

神輿は軽い方がいいでの。

ここにそれぞれの武将たちの思惑が見え隠れしているではないか。

簡単にあちこちに担ぎ出せる位の腰の軽い神輿が好まれる。

重たければ運ぶのに苦労する。

分かり切った理屈。

足利義昭はもともと武将ではない。

真言宗のお坊さんなのだ。

武将としてはにわか仕込みで、周りからの手ほどきが絶対に必要となる。

言葉を変えれば周りからいかようにも指図が可能と言うこと。

確かにそうなれば担ぎやすいだろう。

麒麟がくるは丁寧な人物描写で定評があるが、今日もそれぞれの登場人物たちの思惑が絶妙に表現されていた。

とても見ごたえがあったと感心する。