大混戦だった九月場所。
最後まで誰が優勝するか全く予想できなかったのだが、最後の三日間ぐらいで予想可能になったと言える。
大関2人がいまひとつはっきりしない中混戦を抜け出したのは関脇の正代。
日を追うごとに、相撲は力強さと安定感を増してきた。
インタビューを受けても本人は全く気にしていない素振りを演じていたが実のところは違っていたようだ。
解説の舞の海が語っていたが、彼には人知れず重圧がかかっていたに違いない。
かつて、苦杯をなめたこともあって悔しい経験も何度か。
そういったマイナスな気持ちを押し殺して自分を奮い立たせてきたようだ。
目次
正代対翔猿
簡単にケリがつく1番とは思わなかった。
しかし実力的には明らかに正代が上。
翔猿がどこまで善戦できるのか、興味はその1点に。
受けてたたなければならない正代の方が明らかに分が悪かったに違いない。
予想通り絶好調の翔猿は一気に土俵際まで攻め寄せていく。
何とか残った正代が反撃して前へ出るが翔猿はもろ差しになって逆に体制を良くしてしまう。
そのまま土俵際まで正代を追い詰めたが、捨て身で打った危機一髪の突き落としが正代を勝利に導く。
相撲そのものは8割以上翔猿が勝っていただろう。
最後の詰めでどうしても決めることができなかったのだ。
そして耐え難い重圧の中、最後に勝負をものにした正代。
大変なやりとりだったと何度もビデオで見直した好勝負だった。
朝乃山対貴景勝
朝乃山は昨日正代に負けたときの相撲振りがトラウマになっていた可能性がある。
今日の相撲はあまりにも正攻法で貴景勝に向かっていたように見えた。
まともに押し相撲だけでやり合うなら貴景勝は角界随一。
最後は力負けしたように土俵の外に押し倒されてしまった。
本来の朝乃山なら、左の回しをとって左右に投げるなど、いくらでも相撲の取り方を選べたはず。
しかしそういった細工を一切せずに、相手の土俵で戦ってしまうなど朝乃山らしさがいまひとつ感じられなかったのかもしれない。
今場所は10勝5敗となった朝乃山。
新大関の場所としては何とか合格、といったところになるか。
新大関誕生と九州場所まとめ
どうやら正代には番付編成会議が招集されたと聞いた。
これは大関昇進を諮問するもの。
この召集で今まで大関昇進が見送られた事は無いとの事。
大関昇進は確実とみられる。
初優勝と大関昇進。
まさに両手に花。
今まで努力した甲斐があったと言うもの。
人知れず苦労もしてきたようだ。
特に彼の地元は九州熊本。
今から半世紀以上も前に北葉山が優勝して以来だと言う。
北葉山は私が小学生の頃活躍していた力士。
いぶし銀北葉山で有名だったと思う。
それ以来と言うことになればそれは地元は盛り上がるわ。
横綱2人が欠場する今場所ではどうあっても盛り上がりに欠けると考えたが、フタを開けてみればいくつか嬉しいこともあったりして、それなりに盛り上がったようだ。
ただし、いつも私がこのブログで語るのはとにかくけが人が多いこと。
先場所快進撃を続けた照の富士。
彼は一体どうなっちゃうのか。
喜びやら心配やら様々のことが交錯して今場所は終わった。