いよいよ甲子園野球の栄冠は君に輝くのエピソードが始まるが。
昨日の最後でわずかに登場した久志君。
山崎育三郎の落ちぶれた姿は今までのイケメンぶりからはおよそ想像できない。
戦争中は故郷福島で慰問活動を行っていたとのこと。
しかし戦後になると同時に地主だった彼の家の財産はほぼ没収された挙句、無一文になってしまった。
どうやら音楽に対しての情熱も失われたように見える。
かつての福島三羽ガラスのよしみで力になろうとする周りの人々。
目次
久しぶり藤丸ちゃん
コロンブスレコードのレコーディングルームから始まった物語。
あの美人秘書の杉山さんはディレクターに昇格していた。
さて、祐一君と鉄男君の所へ訪ねてきたのは藤丸ちゃん。
初登場の時から歌もうまいし上手な役者さんだなと思っていたけれど、途中何度かこの物語に登場してきていたので、今ではすっかり主要なメンバーのように感じてしまう。
思い出話に花が咲くと言いたいところだが、彼女曰く祐一君と鉄男君に、
ちょっとお時間いただけますか?
彼女は自分の力では太刀打ちできない深刻な悩みを抱えていた。
それはほかならぬかつての恋人久志君のこと。
たまたま通り掛かった闇市で見かけた彼は見る影もないほど落ちぶれていて、全く別人のように見えた。
いったい彼に何があったのか。
事情は少しずつ聞きとれたようだが、落ちぶれた姿を見るにつけ何かと世話を焼いてしまう藤丸ちゃん。
女性からいいよられることに慣れていた久志君は、せっかくの支援をありがたがるわけでもなく、 ひたすら自分勝手に自堕落な生活を繰り返すばかり。
右手の包帯はせっかく準備した食事のうどんをひっくり返されて火傷してしまったもの。
ついにたまりかねてかつての福島三羽ガラスの伝を頼ってきた。
落ちぶれた久志君


藤丸ちゃんに連れられて闇市の片隅でみすぼらしく酒を飲んでいる久志君。
その姿に驚きを隠せない祐一君と鉄男君。
思わず絶句する2人に久志君は昔とは違うんだよと言い放つ。
ほとんど取り付く島もなし。
現場をしっかりと見てもらったところで祐一君の自宅で久志君の様子を語ってもらうことに。
確か彼は戦争の徴兵検査に不合格だった。
しかし軍歌の有名歌手として戦時中は地元で慰問活動などを熱心に行っていたようだ。
戦争が終わった後農地改革が断行された。
その時に地主だった人々は全国至る所で自分の所有している土地などを二束三文で買い叩かれてしまった。
久志君の実家も同じ。
彼の家も残念ながらほぼ全てを失ってしまうことに。
また様子から見て彼の家族も皆さんお亡くなりになったようだ。
実はこの辺のいきさつを見ていてあまり詳しくは語られてはいないが、彼のモデルになった伊藤久男は、戦時中軍歌で売れっ子歌手として名声を得ていたが、
戦後は自分の戦争中の活躍を激しく後悔してスランプに陥ったと聞いている。
つまり自分の歌で鼓舞された若者たちが戦場に赴いて命を落とした。
彼はその罪悪感で全く歌えない時期が長く続いたと。
エールで描かれた祐一君と同じ。
実は祐一君のモデル古関裕而さんはこの物語で描かれるような大きなスランプには陥ってはいない。
すぐにスイッチを切り替えてラジオドラマなど活躍の場を広げていった。
しかし、久志君のエピソードはそうはいかない。
この物語でどのように描かれるかはわからないが、彼は音楽を捨てたような設定で描かれている。
そのいきさつはおそらく今週の物語で描かれる。
栄冠は君に輝く制作開始
大阪まで赴いて高校野球応援歌の歌詞選定に出席する祐一君。
彼の意見が尊重されて栄冠は君に輝くに決定する。
勝ち負け関係なく全力で頑張る人たちに惜しみなくエールを送る意味で、詩の世界観が評価されたようだ。
さて、インスピレーションをさらに深めるために甲子園球場に赴く祐一君。
無人の球場のマウンドに立った時に周りをぐるりと見回して、音楽のイメージが湧いてくる。
そのままマウントプレートに歌詞を押し当ててそのまま楽譜を書き記していく。
いつも感心するが、作曲の時に楽譜を必要としない作曲センスは素晴らしいと感じる。
たいていの作曲家は、ピアノであったりギターであったり楽器を用いて奏でられる音を参考に曲のイメージを膨らませていく。
そういった外部の音源に頼ることなく、自分の心の中に音楽を奏でることができる。
この作曲方法をとる人はおそらくごく1部の作曲家ではなかろうか。
そのことにいたく感心する。
久志をもう一度歌手に
曲がひらめいて一気に書き上げる祐一君。
出来上がった曲は見れば見るほど久志君の歌いっぷりにふさわしいのではと感じてしまう。
今週のエールでは出来上がった栄冠は君に輝くをなんとか久志君に歌わせようとする祐一君の努力が描かれることに。
もう残り少ない物語なので、今週中に結果が出ることに。
歌手伊藤久男は戦後もヒット曲を歌い続けた。
その音源はYouTubeにしっかり残っているので、いつでも簡単に聞くことができる。
栄冠は君に輝く(伊藤 久男) (Russia and Ukraine athletes)
この歌声はおそらくある程度晩年に近くなってからのものと思われる。
伊藤久雄らしい朗々ととした歌いっぷり。
この歌声を聞きたくて周りの人たちは久志君を励まし続けたのだ。
さて、どのようなエピソードで久志君の月が描かれるのだろうか。