さて、今週のエールは今日が最後のストーリーになる。
立ち直れずに苦しんでいる久志君。
果たして復活できるかどうかの瀬戸際に立たされていた。
本人は、どこまでも音楽から遠ざかろうとしていたが、祐一君のこだわりは歌手としての佐藤久志をどうしても世の中に出したかった。
栄冠は君に輝くの歌手を誰にしようかとまだ決定前にもかかわらず、祐一君は久志君の歌でいくことを決意。
今日の放送でとてもユニークだったのは、
栄冠は君に輝くの作詞家加賀大輔がモデルとされる多田良介が松葉杖をついて登場していたこと。
この辺も、史実をそのまま踏襲している。
彼は、事故で右膝から下を失ってしまった設定。
久志の苦悩
久志君は戦時歌謡の歌い手として有名になったが故に、戦後はバッシングでとても苦しんでいた。
周りから後ろ指をさされ、さらには自分の父親を始め家族をみんな苦しめたと。
そのことを考えるととても前向きに生きていこう的にはならなかった。
そんな中、祐一君から送られた曲夜更けの街は、彼らしい叙情的な歌い方で周りの人たちみんなを感動させた。
歌を聞かされた祐一君は久志君が軍歌以外でも様々な楽曲を歌うことができると確信するに至った。
彼の特徴である叙情的な歌い方は、多くの人をこれからも感動させるに違いないと。
何よりも祐一君本人が久志君を心から信じていたこと、そして彼の歌を誰よりも愛して評価していたこと。
打ちひしがれた久志君の心を溶かせるかどうかの瀬戸際だったかも。
いざ 甲子園
祐一君の自宅にやってきて渡された楽譜栄冠は君に輝くを返そうと思っていた久志君。
夜更けの街は自分の境遇と重なる部分があったので、なんとか歌いきることができたが、栄冠は君に輝くの場合、明るく元気よく歌わなければならない。
今の自分では無理だと判断する。
そんな気持ちにはなれないとかたくなに心を閉ざしていた。
久志君に音ちゃんが語って聞かせる。
祐一さんはあなたのことを心から信頼している。
あなたを歌手として採用するように担当者に全力でお願いしていた。
私はあなたがうらやましい。
聞いていた久志君。
そこまで自分を信頼し、応援してくれることに心が揺れ動く。
そんな中、帰ってきた祐一君と連れ立って甲子園まで行くことに。
この時代の事なので、東海道線に乗って夜行で出かけたのだ。
甲子園まで行って改めて久志君が歌うことを懇願する祐一君。
君が苦しんでいる原因は多分僕だ。
軍歌を歌うように勧めたのは僕だから。
僕も君と同じでどん底を味わった。
この歌は、どん底を経験した君だからこそ歌えるのではないか。
驚くほどシビアなやりとりがあって、久志君の心も激しく揺れ動く。
親友と親友
この2人の友情は子供の頃からの歴史が。
祐一君がいじめられていた時に、唯一理解をしてくれて仲間になってくれたのは久志君だった。
それ以来、この2人は何かにつけて気があった。
久志君は子供の頃から逃げ足の速さで特徴的だったが、しかしコロンブスレコードに在籍し始めた頃から、そのようなこともなく潜めていたようだ。
祐一君も久志君も鉄男君を含めて、福島出身者として地元を愛する気持ちでずっとつながっていた。
そして誰よりも音楽を愛していたと言えるだろう。
どちらか一方が挫折したときには必ず相手が助けてくれた歴史がある。
今回は、図らずも祐一君が久志君を助ける側に回っただけ。
完成 栄冠は君に輝く
1週間を締めくくりにふさわしい最期だったと言える。
アカペラで栄冠は君に輝くを歌い始めた久志君。
演じている山崎育三郎の実力の一端が見えた瞬間。
歌手として凄腕だと言える。
一番の歌手はアカペラで歌っていたがそれ以降は徐々にオーケストラの伴奏もつき始めて、最後は大合唱で終わる設定。
実はこの後、朝ドラの後の番組朝イチでゲストとして山崎育三郎が登場していた。
このことを語っちゃうと、とても長くなりすぎるので、それは明日のまとめでしっかりとアップしていこうと。
今日は、栄冠は君に輝くをひっさげて佐藤久志が復活を遂げる物語で1週間を締めくくった。