くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

鎌倉殿の13人 悲劇の結末

 

今日を含めて残り4回の物語となった「鎌倉殿の13人」

私たちが知るのは、歴史的な事実以外には何もない。

その中から物語を構成してきた脚本家三谷幸喜。

彼の描いたストーリーは、驚くべき展開と結末、さらには登場人物たちの恐るべき胸の内がくっきりと描かれた。

大きな流れの中でも史実とは微妙な差異を盛り込みつつ、しかし大きな流れの中では史実通りに描き切る。

そして、物語の中で、極めて重要なキーパーソンとされた三浦義村はその本性を表す形で描かれる。

物語が装ったのは偶然。

たまたま運悪く、そんな事態に陥ってしまったと。

しかし、一つ一つの行動にはしっかりとした裏付けがあり、裏付けは欺瞞と詭弁によって成立。

物語で極めて重大な事実として描かれるのは源実朝の暗殺

さらには、暗殺事件は周りに与える影響も甚大。

鎌倉幕府は、源氏直系の子孫は途絶える事になる。

そのために、朝廷と結託して次期将軍の招聘を計画していたが、どうやらそれも白紙に戻される。

鎌倉幕府は、ここへきて屋台骨が揺るがされる緊急事態。

今日のエピソードではまだ描かれなかったが、朝廷後鳥羽上皇は承久の乱を起こすことになる。

誰も信じられぬ 北条義時

目次

鶴岡八幡宮にて

行列に並んだのは源仲章

歴史的な事実では、源実朝が神宮にお参りに伺うときの中に北条義時が並ぶ手はず。

その時、急に体調が悪くなって源仲章に代わりを務めてもらったと吾妻鏡に残る。

描かれた物語では、そんなことではなかったよね。

すでに、源仲章の暗殺計画が実行にうつされていて刺客として放たれたトウが作戦に失敗

そのことをこれ見よがしに義時に吹聴していたのが仲章。

仲彰はこれで北条義時から実権を奪ったと有頂天になっていたはず。

しかし、それは思いがけない暗殺事件で致命的な悲劇となって跳ね返ってくる。

本来なら北条義時が死ぬ運命に😨

ストーリー展開は、思わずうなってしまうほどの巧みさ。

しかし、物語の中では、この場面に登場していた全員がハラハラドキドキしながら成り行きを見守っていた設定になっていたね。

暗殺事件の顛末

仲章殺害の後、無抵抗の実朝を暗殺

公曉は北条義時を暗殺するつもりで源仲章を殺害。

突然の絶命に絶叫していた仲章。

実は、周りで見ていたものは成り行きを見守るばかりで、決して止めようとはしていなかったんだよな。

驚くほど冷酷な人物設定。

さすがに、源氏滅亡にふさわしい描き方かなと。

三浦義村と北条義時

事件の黒幕として暗躍した三浦義村

三浦義村と北条義時のやりとりがそれぞれの胸の内を抱きつつ詳しく描かれていた。

義時は義村が本当は自分にも死んで欲しいと思っていたかと尋ねるシーンが。

その時、義村はもし公曉がそのつもりでいたなら、俺は公曉をその場で殺していたと述懐。

実は、この時の演出が背筋が震えるほど巧み。

義村は先週のエピソードで嘘をつくときには、自分の服装の襟元を触ると説明されていた。

今日のやり取りの中でも、北条義時との語らいの後、同じ仕草をしてみせる。

つまり、義村は良時がいなくなることをも望んでいた

そして、本当の恐ろしさはそのことを踏まえた上で義時が登場していること。

義時は周りが形だけの従順を示したとしても、そのことを巧みに利用するほどの老獪さを持ち合わせている。

北条義時こと小栗旬は悪人そのもののように映る

北条義時の持ち味は、主人源頼朝から学んだことが全てとされている。

源頼朝も猜疑心と詭弁で成立していた。

頼朝はよほどのことがあっても、自分の側近を信用してはいなかった。

これだけ猜疑心に溢れた君主は歴史上それほどいなかったのでは。

源氏の頭領としての頼朝は、徳川家康などにも絶賛されていた事実がある。

政治的な手腕は、さすがに凄いものがあるなと思うが、あまりにも人が死にすぎているだろう。

少なくとも、安心して暮らせるような世の中ではなかっただろう。

北条義時は源仲章暗殺のためにトウを送り込んでいたが、彼女はどうやら今日のエピソードで登場するのは終了したようにも思う。

捉えられているトウ 自分の関節を外して自ら逃亡劇。

義時と義村は全面的に信頼しているように見えて、実はそうではない。

何かのときには敵になる可能性だって。

義村は義時が亡くなった後も長生きする。

公曉の結末

父の仇実朝と北条義時を殺害する計画

公曉はひたすら、父の仇を打つこと、そして自分自身が鎌倉殿になることが目的。

その一念で行動を起こしていた。

偶然が重なることで、成功したのは実朝の暗殺だけ。

粛清するつもりだった北条義時は生存し、朝廷との連絡係だった仲章を殺害してしまう。

そして公曉は自分の作戦のすべてを三浦義村に打ち明けて協力を仰いでいた。

そのことに二つ返事で了承をする義村。

作戦が失敗したことを受けて義村は公曉を粛清する。

公曉は義村を唯一の味方だと思っていたに違いない。

物語の中では、それがあっさりと踏みにじられていた。

まさかと思う残忍さで義村は公曉を殺害してしまう。

まとめ

息子を鎌倉に派遣する事は白紙撤回

源実朝が暗殺されたことで、朝廷とは険悪な仲になってしまう鎌倉幕府。

事件を起こした張本人が北条義時と知って、後鳥羽上皇は、義時追悼の命令を出すことになるのだ。

これが我々が知る、承久の乱

さて、残り3回の物語で鎌倉殿の13人は完結する。