くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

光る君へ 令和が描く平安絵巻。

新しく始まった大河ドラマ「光る君へ」

このドラマが描く時代設定は10世紀前後。

つまり西暦980年頃から1030年頃までの数十年間だと思われる。

主人公は言わずと知れた「紫式部」

実は調べてみてわかったが、彼女は本名すらいまだに不明とのこと。

作品は源氏物語が、世界初の小説でしかも紫式部自身世界初の小説家。

何もかもが初めてづくしで、今や世界中に知れ渡った有名人であるにもかかわらず、不明な点があまりに多いとされる。

今回の物語の脚本は、大石静

彼女の脚本は他にもいくつか拝見したことがあるが、恋愛系のドラマが得意な人だと記憶に残る。

また登場人物はNHK御用達の俳優があちこちに。

記憶をたどれば、前回の大河ドラマ「どうする家康」の前作「鎌倉殿の13人」が比較的年代的には近いのかなと思った。

物語は平城京から平安京に移った京都が発展する頃の設定で様々な人間関係をもとに熾烈な権力争い、そして当時の時代背景や習慣など今ではありえないような事柄もたくさん紹介される。

脚本家のインタビュー記事を最近拝見したが、物語のテーマは暴力と男女のドロドロした恋愛関係とのこと。

始まった物語の登場人物はほぼ全て歴史的実在。

描かれた物語の内容は、ある程度は史実を踏襲しながらも脚本家独自の創作も盛り込まれるものと推察する。

主人公の子供時代を演じる 落井実結子

目次

時代は10世紀の日本

天皇を頂点とした社会体系

ちなみに平城京から平安京に遷都したのは

西暦792年、桓武天皇の命令によるものと歴史には伝わる。

物語の時代背景は980年頃が始まりなので、およそ200年経過した後の設定になるはず。

この後、京都は長く日本の中心としてその役割を果たしてきた。

終わったのは明治2年1869年とされる。

徳川慶喜が大政奉還した年の翌年の事。

京都にはこれだけの歴史がある。

欧米諸国と違って、日本の場合 天皇を排除する動きは一貫してなかった。

天皇にとり入って、自分の権力を増大させようと言う勢力は山ほどあったが、天皇そのものになり変わろうとする勢力はいなかったのだ。

外国では権力を持ったものを排除する動きが当たり前にもかかわらず、日本が諸外国と一線を画すのはその点によく現れていると言える。

脚本 大石静

1951年生まれ とても72歳には見えない

NHK御用達の脚本家。

朝ドラでは「2人っ子」で脚本を務め、大河ドラマでは「功名が辻」でも脚本を担当。

他にも単発ドラマの作品を手がけていると思った。

今回のドラマ制作にあたっての彼女の特集記事がネットでいくつか確認できた。

このドラマは男女の関係、とりわけ女性の側からの視点を重視して描きたいとの事。

夜8時台のドラマなので、さすがに濡れ場のシーンは無いけれど、それらしいことを匂わせるようなシーンまでは描きたかったようだ。

男女のドロドロした肉体関係などどうしても避けられないテーマだと語っていた。

つまり、歴史で学んだ穏やかな貴族文化を描くようなドラマではないと言うこと。

脚本家本人の口からはっきり宣言しているので、これからの展開に興味が持てると言うもの。

平安京の内側

歴然とした身分社会

平安京は言わずと知れた貴族社会。

歴然とした身分の格差があった。

上級中級下級と別れていて、これは一言で表現するなら、相撲の番付表のようなもの。

意味はまるで違うが番付上のものの方が絶対に権力が強い。

そして相撲のように取っ組み合いで身分を決めるわけではない。

そこで行われたのは駆け引き。

足の引っ張り合い ごますり合い ありとあらゆる策を弄して自らの勢力拡大に励んでいたようだ。

物語の中でもその様子が詳しく描かれていた。

ユニークだと思うのは、どの家系も自分の家柄から女性を天皇の妃にしようと画策すること。

先にも述べたように天皇を排除して、自分がとって変わろうとすることではない。

天皇に妃を進呈して、もし子供が生まれれば、自分は天皇の子供の祖父になるわけで。

かなり入り組んだ関係だが、子供が生まれて子供がもし天皇に即位するなら、自分が天皇の縁戚に当たることになる。

回りくどい勢力拡大の方法だが、いかにも日本らしいとも言える。

このやり方は徳川幕府を始めとする戦国時代まで広く用いられた。

練り上げられた物語 歴史との絡み

目の前で母親を殺される主人公 まひろ

最初の放送で描かれたのは「主人公まひろ」の「母親ちやは」が目の前で殺害されるシーン。

そして、複雑な設定になっているが、この物語で主人公のまひろは後の朝廷の最高権力者藤原道長の子供時代と知り合いになるのだ。

後の藤原道長と紫式部のはじめての出会い

この辺の描き方は脚本家オリジナルだろう。

母親を殺害した犯人はこの道長のすぐ上の兄に相当する。

この後藤原道長は家系の中でも兄弟と対立することになるが、今回描かれたエピソードがどのような布石として貼られているのか。

これだけ強烈な設定に描かれると物語の条件が驚くほどわかりやすいのも事実。

来週からはいよいよ本来の配役たちが演じることになる。

本格的な物語はここから始まる

物語で用いられているセリフ回しは、現代語の話し言葉がそのまま踏襲される。

確かに当時の日本語など今では知る由もないので、この状態で把握するしかないだろう。

これからの展開に大いに期待が持てる。