物語の設定は昭和20年11月。
終戦から3ヶ月経ったとのこと。
終戦後はどこで調べても国内は大混乱で、日本が国家として全く機能していなかったことがよくわかる。
流通を始めとする経済活動も全て闇市。
配給などもほとんどあてにはならず、誰もがその日生きるための食料を求めて右往左往していた。
スズ子たちも他の人たちと同じ。
3人暮らしの食料調達はそれなりに大変だった。
昨日は野草を摘んで料理して食べる様子が描かれていた。
想像すると都会の方が暮らしにくかっただろうと推察する。
なぜなら人口が多い割には周りには自然と呼べるものは少なかったように思うから。
田舎なら植物だけでなく、動物性のものもそれなりに調達できたような気がする。
獣類は無理にしても魚介類なら海でも川でも何とかなったのでは。
私のような年代だと子供の頃のおやつと言えば、甘いお菓子はなかった。
山や川で口に入るものを見つけては食べていたように思う。
秋は山に行けば、山ぶどうなど果物がそれなりに手に入ったと思う。
春から夏にかけては川や海で魚はもちろんカニなどが取れた🦀。
夏の海水浴シーズンだけは素潜りで高級品の蝦夷バフンウニなど食べ放題だった。
さて、戦後の数ヶ月は食料調達のための過酷な時間が過ぎていったが、やがて劇場関係の開催も計画されるように。
スズ子たちには日帝劇場からオファーが。
茨田りつ子なども出演して復興のための音楽会を開催することに。
何もない時代とは言え、未来には夢や希望がたくさん。
さらに健康を回復できた愛助が学校に復学することも伝えられた。
順風満帆に感じられる未来。
目次
戦後の食糧難
闇市での買い物の様子が描かれていた。
戦後は特に都会で食料不足が深刻だった話はよく聞く。
現代のようなスーパーも小売店も何もない。
売る方も素人なら買う方も素人。
基本、何のルールもない中でのやりとりになるので、口先のうまいものが商売上手と言うことになったんだろう。
ドラマの中で描かれていた、米を売っていたおっさんのセリフはなかなか臨場感溢れるもの。
俺のところがこの辺の底値。
他を探して戻ってきても同じ値段では売らない。
悪い事は言わない、今買って行け!
そう言われるとどうしても欲しい人なら買っちゃうよな。
健康を取り戻した愛助
愛助は食欲旺盛で元気はつらつな様子。
いつまでも結核の療養生活を続けることにもならないと考え始めていた。
本来なら学校でエンターテイメントやマネージメントを勉強するはず。
再び村山興業の後取りになるための勉強を復活させたい。
宣言に1も2もなく賛成するスズ子。
お祝いのためのご馳走を作るために闇市まで出かけてはみたものの、残念ながらお目当ての食料調達とはならなかったスズ子たち。
それは、ご時世を考えればやむを得ないことだったように思う。
たまたま店の出ていた宝くじを1枚購入することに。
1頭が当たれば10万円とのことで、なるほど、これは夢が広がると言うもの。
闇市でのスズ子と小夜
闇市でのスズ子と小夜の買い物の様子が詳しく描かれていた。
その中で米兵からチョコレートなどをもらう子供の様子が。
子供に混ざって、簡単な英会話の手引き書を持って見よう見まねでアピールすると、見事にチョコレートを手に入れることができた。
小夜の隠れた才能かもしれない。
小夜は何とかして宝くじを当てたかったので、再び購入することに。
その時チョコレートを持ったくだんの米兵が。
わざわざ1枚購入して宝くじをプレゼントしてくれた。
今日描かれたエピソードの中で1番心に残ったのはこの部分かもしれない。
この時代、米兵の不埒な行為はいくつか歴史に伝わっているが、必ずしも全部の兵隊たちがそうだったわけではない。
彼らは日本を牛耳るためにやってきたのではなく、日本の平和的な復興を手助けするためにやってきたのだと改めて納得させられるような書き方。
特に、東京などの大都会ではこういったことがあちこちで行われていたのかもしれない。
思い出されるのはカムカムエブリバディーでのロバート
朝ドラの中でも時々こういったシーンが登場してくる。
ある程度きちんとした取材をしなければ、このような発想には至らないんだろうなと。
戦後の日本を描くときに汲み入れた方がより親近感が増す場面になったと思う。
希望に満ちた未来
物語の中では、終戦の年の12月に日帝劇場再開のコンサートが行われるとのこと。
当然スズ子にも声がかかった。
この知らせは何にも増して嬉しかったに違いない。
いよいよスズ子が本格的に活躍できる場が準備されつつある。
先後の笠置シズ子の大活躍もこのようにして行われた。
スズ子の人生が最も輝いていた時代ではあるが、この後の不幸は容赦なく襲ってくるはず。
そのことを思うと、諸手を挙げて喜びはしゃぐ気にはなれない。