くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

ブラームスとチャイコフスキーの話

ロマン派と古典派

 

目次

 

ブラームスとチャイコフスキーはベートーベン亡き後の人気の作曲家

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この肖像画は広く知られているので説明は不要でしょう。

写真からはなかなか想像できないですが、二人とも、とてもシャイで気むずかしかったんだそうですね。

若いころは二人ともイケメン

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この二人はお互い親交がありました。

決して仲良くはなかったのですがお互いの音楽を認めるところがあったようですね。


交響曲第1番(ブラームス)

ブラームスの特徴がよく表れた重厚な作品

ブラームスは当時、ベートーヴェンの後継者としての称号を得ておりました。

1800年代の半ばは、まだベートーベンの人気は冷めやらず、さまざまな作曲家に注目が集っていたのです。

ブラームスはロマン派の作曲家ではあるのですが、その重厚な作品の作りから新古典派とよばれましたね。

 

 

チャイコフスキーとブラームスの立場

 

ヨーロッパではブラームスの天下だった。しかし、チャイコフスキーはロシアの中にとどまっていたのですね。


交響曲第6番《悲愴》(チャイコフスキー)

この交響曲第6番は「悲愴」と呼ばれチャイコフスキーの遺作となってますね。

曲を聞く限りにおいて、チャイコフスキーの胸の内が余すところなく吐露されてる気がします。

チャイコフスキーは生涯にわたって何度もうつ病併発するなど、心を病んでいたのですね。

 

その彼の死に際の心情がこの曲だといって良いでしょう。

 

チャイコフスキーが抱き続けた憂鬱

 

ロシアでは知名度も高く、それなりの人気があったにもかかわらず、チャイコフスキー自身は報われない気持ちを強く抱いておりました。

 

不思議な事ですが、チャイコフスキーの作った曲たちは初演はチャイコフスキー自らが行っているのですが、ことごとく不評だったんですよね。

 

あの有名な「ピアノ協奏曲第一番」とか、「白鳥の湖」とか全て残念な結果だったんですよ、最初はね。

 

後年さまざまな人たちが取り上げることによって、チャイコフスキーの知名度は確立されていったのです。

後年様々な人たちが取り上げることによって、チャイコフスキーの知名度は確立されていったのです。

 

チャイコフスキーの曲作りは、どちらかと言えばロシア的ではないでしょう。むしろヨーロピアンな感じがします。

 

オーケストラを巧みに操って音を組み合わせるやり方は、素朴なロシアの音楽にはなかったことです。

 

とてもきらびやかで華やいだものでありました。

白鳥の湖 全幕


バレエ《白鳥の湖》(チャイコフスキー)

 

初演で失敗した白鳥の湖

 

実はこのバレエ組曲は、チャイコフスキーも肝いりの野心作だったのです。

 

この曲で大成功を収めようと、自らが指揮をして初演を迎えました。

 

この曲にかける意気込みは並々ならぬものがあり、初演にあたってわざわざヨーロッパからブラームスを招待していたのですね。

 

しかしながら、ブラームスという人はチャイコフスキーが目指した、このように女性がひらひら舞い踊るような曲やバレエのようなものは好みではなかったんです。

 

ブラームスは新古典派と呼ばれる位、ベートーベンに傾注しており、作曲は厳格な古典的な手法を務めて守るきらいがありました。

 

この白鳥の湖初演が終わった後、チャイコフスキーは勇んででブラームスの下に駆け寄るんです。

 

そして尋ねますね。

(ブラームスさん 私のこの曲はどうでしたでしょうか?)

 

(チャイコフスキー君、君には失望したよ!)

 

このようなやり取りがあったと聞きます。

 

失意のチャイコフスキーはこの後、またうつ病を悪化させることに。

 

当時、ブラームスがどちらかと言えば成功者の道を歩いていたのに比べると、チャイコフスキーは病気がちなこともあり、決して恵まれたようには映りません。

 

また、チャイコフスキーにはちょっとした浪費癖があって、いつも金欠病だったと聞きます。

 

いつもお金の心配をして心労を抱え、欲求不満の気持ちを抱えていた。チャイコフスキーとはそういった人だったようです。

 

しかし創作意欲は並々ならぬものがあり、作品はどれもが珠玉の輝きを放ちます。

 

メロディーやハーモニーのどれをとってみてもチャイコフスキーらしい輝きがあるとは思いませんか。


Tchaikovsky: Serenade for Strings / Ozawa Saito Kinen Orchestra (1991 Movie Live)

この曲の冒頭を聞けば、誰しもがチャイコフスキーのファンになるでしょうね。

 

そのぐらい輝きに満ちています。

 

こちらもブラームスの小品です。

フランス映画の主題歌にもなった曲ですね。


ブラームス 弦楽六重奏曲 第1番 第2楽章

 

 

まとめ

 

チャイコフスキーの弦楽セレナーデと聞き比べてみると、お互いの作曲家の持ち味がわかると言うもの。

 

やはりブラームスは重厚感漂う曲作りが似合います。

 

鑑賞する側にしてみれば、どちらもステキで済んじゃうのですが、当時この2人の作曲家はお互いの存在を認めあいながらも、方向性の違いから仲良くなる事はありませんでした。

 

作曲家の名前はとてもメジャーなのですが、それぞれの個々の曲については意外と知らないことが多いんですよね。

 

音楽鑑賞するときには、様々な事柄に思いを馳せてじっくりと楽しみたいものです。