さっきネットのニュースで確認。
女子フィギアスケートのNHK杯のフリー演技が終わったことで、どうやら結果が。
いつも思うのだが、最近のフィギアスケートは新しい時代に突入していて、とにかくジャンプが飛べなければ勝負にならない風潮。
そんな中で新旧の選手たちが様々な思いを込めて演技。
しっかり観させてもらったが、やはりその内容は驚くべきもの。
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優勝したのはアリョーナコストルヤナ
この子は前回のフランス大会から合わせて2連覇を果たす。
ロシアの新時代3人組の1人。
高い演技力と、トリプルアクセルを中心とした高難度の技を駆使することで 、16歳ながら大変な実力の持ち主。
今回の演技もショートプログラムフリーともどもしっかり観させてもらったのだが。
この人は他の2人と違って、4回転ジャンプは飛ばない。
ただし、トリプルアクセルの名手でフリーの演技では2回入れてくるようだ。
演技を見ていて感じたのはトリプルアクセルの凄さもさることながら、他のジャンプの完成度。
そしてスピンとかステップシークエンスなど、およそ16歳には似つかわしくないハイレベルな演技をしている。
驚くほどのスピード感の中に高度なテクニックがちりばめられていて、演技に危うさと言うものを感じないのだ。
そして私が注目したのは、彼女の背筋。
フィギアスケーターは体幹の筋肉が驚くほど鍛えられているが、それと同時に周りの筋肉、腹筋、背筋も同じように鍛えられているのだ。
映像で見ているとしっかり見ないとわからないが、彼女たちの背中の筋肉は背骨が微妙にへこんでいてその周りに盛り上がっているのが背筋。
ここの力強さが半端ではないと思うのだ。
彼女たちアスリートは体脂肪率がせいぜい5〜6%。
スレンダーな美しい姿かたちは伊達ではない。
見ていて感じたのはしなやかな演技力と、演技から伝わってくる驚くほどの安定感。
とても16歳を感じない。
普段のトレーニングでもスケートだけではなく、バレェレッスンも存分にこなしていると聞く。
今日日のフィギアスケーターは皆取り入れているトレーニングではあるが。
紀平梨花
今回の彼女はフリー演技の冒頭の予定したジャンプを4回転サルコーにしていたのだが、どうやらそれは回避していたようだ。(3回転サルコーに変更)
彼女はすでに練習では4回転サルコーを軽々成功させる。
後は実際の競技でどの程度の精度で取り入れるのか、そのための様々な実験をしなければならないようだ。
多くの選手やコーチが言っているように、フィギアスケートのジャンプは怪我がつきもの。
しくじれば必ずと言っていいほど大きなリスクを背負わされる。
主な選手は怪我をすることによって、選手生命に大ダメージを受けているのだ。
高難度のジャンプに挑むためには 、チャレンジ精神と同時に安全を守るための様々な心がけが必要な事は言うまでもない。
今回のNHK杯でもギリギリまでそういった考察を続けていたようだ。
今回、紀平が演じた演技は、今期最高得点。
素晴らしい出来だったと思う。
しかし、それでも優勝することは叶わない。
なぜなら、彼女を上回るだけの選手が外にいるから。
そして、新時代のフィギュアスケートの宿命として、4回転ジャンプを中心とした難しい技術が求められることに。
アリーナザギトワ
ザギトワの演技を見ていて感じた。
彼女は明らかに体が大きくなってきている。
オリンピックの時に身長157センチ程度だったと記憶しているが、今は160センチとのこと。
と同時に、1番気になるのは体重なんだが、おそらく5キロないし6キロ程度増量しているのではないか。
成長期の少女なので、体が大きくなるのはやむを得ないこと 。
しかしキロ単位で体重が増えれば、およそジャンプなど飛べるものではない。
オリンピック後の演技で急激な体の成長をうまくコントロールできず、競技大会で惨敗したことがあったと聞いている。
しかし、それからおよそ1年以上が経過して、今回の演技もネットでしっかりとチェックをさせていただいたが、彼女の豊かな表現力等はさらに磨きがかかって、優雅に艶やかに映った。
特に素晴らしいと思ったのはスピード感が失われていなかったこと。
フィギアスケートの選手は疲れてくるとスピードに乗ることができない。
彼女はその点に置いて、最初から最後までスピードに乗って滑ることを心がけていたようだ。
しかし、ある程度大きくなった体を抱えていると、ジャンプでのリスクはこれ以上は負えないものと思う。
彼女は4回転ジャンプもトリプルアクセルも持ち合わせていない。
あのエフゲニアメドベージェワ選手と同じで、ジャンプ以外のアイテムで演技をする選手。
今の若い世代のひとつ前の世代なのだ。
しかし、観客を魅了する点において、さすがに金メダリストの威厳を感じてしまう。
そして、おそらく想像を絶する厳しい訓練に耐えているはず。
美人の表情の裏側には激しい闘志と自分自身への闘争心が隠れているに違いない。
この1 〜2年を上手に過ごすことができたなら、彼女はまだまだフィギュアスケートの第一線で活躍するだろう。
新時代の女子達
次のオリンピックの金メダルに1番近い子たちがこの3人。
両脇の2人は4回転ジャンプを男子選手と変わらずに飛ぶことができる。
男子でもたじろぐジャンプを彼女たちは事もなげに飛んでしまう。
今回優勝した真ん中のコストルヤナだけがトリプルアクセル中心のジャンプを構成している。
しかしこれらの選手たちはロシアの例のトゥトベリーゼコーチのもとで 、日々厳しい訓練を積んでいる。
そして彼女たちの才能もベースにあって、今までとは全く新しい時代のフィギアスケートを開きつつあるようだ。
ただし、気になることが。
それは成長期にある彼女たちの体が今後どのように変化していくのか。
おそらくは厳格な体重管理のもとに日々トレーニングをしているだろうが、成長期のプログラムだけは簡単に変更するわけにはいかないし、コントロールも難しい。
体重が500g増えただけでジャンプは全く飛べなくなると言われる世界。
この2年3年でそういったことにも対応しなければならない。
ちょうど次のオリンピックの頃。
今は飛ぶ鳥を落とす勢いの彼女たちだが、これからやってくる2年3年の時間に一体どんな変化が待ち受けているのか。
素人同然の私だが、その辺もとても気になるところだ。