何気なく注目していたグランプリファイナル。
どうやら昨日全ての競技が終わって結果も出たようだ。
日本ーの羽生結弦君は挑戦者としてギリギリの演技を披露。
優勝こそできなかったけれど、本領を遺憾なく発揮したと言える。
注目すべきは女子達。
前評判の高かったロシアの3人娘達。
ついに新しい時代が始まったと言える。
彼女たちは昨年まではまだジュニアの選手だったんだけれどね。
目次
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新時代の女子3人
この3人の子たちの底知れぬ実力を見せつけられると競技を見ていても鳥肌が立つようなそんな印象を。
こちらの女子 『コストルナヤ』
彼女はロシアの3人の中でも唯一“4回転ジャンプを飛ばない選手”。
しかし16歳とは思えない、情感たっぷりの表現力と、破壊力抜群のトリプルアクセル。
その武器を駆使して、しかも演技を構成する力が、多分、今現存する女子選手の中でもナンバーワンと言えるのではないだろうか。
ロシアの“サンボ70”に所属していて、ここ最近の大会では3連勝中。
他の2人、トルソワやシェルバコワと違って、やや体が大きいのも特徴。
全盛期の“ザギトワ”や“メドベージェワ”を彷仏とさせる。
今回の強さは群を抜いていた。
特に総合得点では“歴代女子の最高得点”を記録。
4回転時代に突入したと言いながら 、考えてみれば“彼女は4回転を飛んでいない”にもかかわらず今までのやり方で記録を更新しているのだ。
尊敬する選手は浅田真央と言っているのも、日本人にしてみると好感度が上がるかも。


今でも充分センセーショナルな印象だが、この2人が表舞台に出てきて女子フィギアスケートの歴史は変わったと言える。
とにかく今回3位にこそなったが、“トルソワ”は男子とほぼ変わらないプログラムで演技していた。
4回転ジャンプを随所にちりばめていて、極めて攻撃的な演技。
しかしこの2人の演技を見ていて感じたのは、転倒を含む失敗を結構している。
しかしそれでも技術や演技構成に関わる点数は、他の選手とは全く比較にならない。
彼女たちの特徴として失敗をまるで恐れる気配がない。
ボクシングで言えば典型的なファイタータイプ。
たとえ打たれ続けてボロボロになったとしても、ひるむことなく戦いに向かっていく。
そんな印象を強く受ける。
フィギアスケートのようなデリケートな競技の場合、会場の雰囲気とか滑走の順番なども選手の演技にかなりの影響を与えると聞く。
例えば自分の滑走前の選手が素晴らしい演技をした場合など、観客の歓声が耳に入ってそのせいで自分自身の演技を見失うこともあると聞いている。
メンタルな要素が驚くほど大きい。
その中で、彼女たちの強さは間違いなく群を抜いている。
羽生結弦が彼女たちを評して発言していた。
『体型とか才能とかも恵まれているのはわかるが、何よりも日々のルーティーンで決して手を抜くことなく積み上げてきた訓練の賜物ではないだろうか。』
確かにこの言葉がロシア3人組を表すのに最もふさわしいかも。
とにかく今のレベルだとほぼ男子レベルと言って良いのだから。
明暗を分けたザギトワと紀平
フリーの滑走順位で最終滑走となったザギトワ。
彼女の前には仲間であるロシアの3人娘が滑走している。
その驚くべき結果を見せつけられた後の彼女の演技。
拝見してみて決して悪い出来ではなかったと思うが、演技のバランスを取る上で少しぎこちない部分を感じた。
彼女の演技には滑らかななめらかなものをあまり感じなかったのだ。
演目のクレオパトラの特殊な振り付けもあったが、彼女自身も演技することに多少なりとも違和感を感じていたのではないか。
それでも演技を必死でまとめようと努力していたフシがある 。
この何年間か、絶望的なスランプの中で懸命な努力を重ねてきた彼女。
それは、このスランプの期間の間、劇的に変化してしまった体型が挙げられる。
とにかく大きくなった。
平昌オリンピックで金メダルを取った時とは全く違う体つきで勝負しなければいけないのだ。
彼女が踏襲できるのは演技力のみで、他の個別のパーツに関してはすべて1からやり直す位の覚悟が必要だったに違いない。
今回のフリーの演技でも審判の判定は実に厳しいものが。
ジャンプを始め演技の中で加点をもらえるようなものがほとんどなく、すべて減点されていた気がする。
彼女にしてみれば惨敗とも言える結果。
ショートプログラムでは2位だったのだが、フリーでの失敗が響いて最下位に甘んじることに。
しかし、彼女の魅力はむしろこれから発揮されると思いたい。
日本でもとにかくお馴染みの選手。
このまま終わることにはならないはず。
挽回した紀平梨花
フリーの演技では、果敢に“4回転サルコー”に挑戦。
その前の練習ではなかなかジャンプを確認するチャンスがなかったにもかかわらず、最終判断として今後のことを考えれば今やるしかないなと思ったに違いない。
彼女はザギトワと同い年。
いってみれば戦友みたいなもの。
演技の中で彼女の特徴はなんといっても“トリプルアクセル”。
このジャンプの完成度は“コストルナヤ”に匹敵するだろう。
そして、それ以外のスピンやステップシークエンスなど、コストルナヤとほぼ同じ評価を受ける。
彼女も武器はこのような総合力に負うところが大きい。
先のことを見据えているので、4回転ジャンプは外せないアイテムのようだ。
さらに練習を積んで、いつでも飛べるように準備をするとの事。
頼もしい限りだが、とにかく、私たちファンが心配するのは怪我。
転倒すると怪我に直結してしまうので。
ロシアの“トゥトべリーゼコーチ”が選手たちが新しい技に挑戦するためには常に怪我のリスクと戦わなければならないと。
彼女も競技の結果は、日々の驚くほどストイックな自己管理から生まれている。
さて、新しい時代を迎えたと言いつつも、彼女たちはまだ10代。
年頃の娘さんらしく、食べたり遊んだりなどと言うことを本気で楽しめる日はいつやってくるのだろう。