フィギアスケートのグランプリファイナルが行われていて、今シーズン特に活躍した6選手だけで行われる大会。
シビアな競技である事は以前からよく知られるところだが、何人も選手がいる中で出場枠がたった6名と言うのも実に厳しい世界。
その中でテレビで、今 確認した女子フィギアのショートプログラム。
15歳16歳のロシア勢が圧倒的な強さを発揮する中、トータルではどんな結果になったのだろうか?
目次
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圧倒的なロシア勢の強さ
このコストルナヤは実は4回転ジャンプは飛ばない選手。
彼女の武器はトリプルアクセル。
紀平と同じ武器で戦っているのだが、今回のショートプログラムで出した点数は彼女自身の自己記録を更新している。
彼女の演技を見ていると、表現力を始めあらゆる点において他の選手とは1線を画す素晴らしさがあると言える 。
本人はKiss & Cryでおどけて見せていたが、彼女は有名なロシアの“サンボ70”に所属するメンバー。
ここで受けた特訓の成果が遺憾なく発揮出ていると言えるだろう。
この競技のシビアさは、他の競技もそうだがとにかく群を抜いて厳しいのだ。
その中での今回の勝利は、大いに評価できると言えるだろう。
この大会を優勝できれば、3連続優勝となる。
私が今回のグランプリファイナルで1番評価しているのは、こちらのザギトワ。
彼女は前回のオリンピックからずいぶん年数が経って 、彼女自身の体格的な変化も著しく大きいものがあって、1時は成績不振にあえいでいたのだ。
調べてみてよくわかることだが、フィギアスケートの選手は体重が500グラム増えただけでもうジャンプを飛べないとされる。
ザギトワを見ているとオリンピックの時からは明らかに体は大きく成長していて、競技をする上でバランスが全く違ってきているのだ。
彼女はこの著しく変化した体型というリスクを、うまくコントロールして本来自分自身が持っている実力を損なうことなくここまでメンテナンスしてきている。
そのことが素晴らしいと言える。
同じロシアのメドベージェワも同じ。
かつて平昌オリンピックのロシアの2枚看板だったのだが、今回出場できたのはザギトワのみ。
この厳しい条件の中でショートプログラムを79点以上の点数を上げているので、努力の結果がしっかり実ったと言えるだろう。
この選手もロシアチームの1人。
彼女も武器は4回転。
数種類の4回転ジャンプを軽々とこなすのだが、ショートプログラムでは、女子の場合、4回転ジャンプが認められないので、アクセルジャンプで勝負しなければならない。
アクセルジャンプだけはトリプルアクセルが認められるのだ。
これは競技のルールなのでやむを得ないことだが、もともと女子が4回転飛ぶことを競技ルールの側で想定していなかったようだ。
そのせいでショートプログラムではトリプルアクセルまでが採点の対象となる。
つまり、4回転ジャンプを跳ぶ選手にはショートプログラムは明らかに不利だと言える。
そして長くフィギアスケートを見てきてわかるのだが、アクセルジャンプを軽々飛べる選手と、そうでない2種類の選手がいると思う。
トリプルアクセルがその代名詞になるが、アクセルジャンプだけは前を向いて踏み切らなければならない。
そして後ろ向きに着地。
そのことを違和感なくこなせる選手だけがトリプルアクセルを飛べる。
今回、シェルバコワ選手はトリプルアクセルを封印してダブルアクセルで勝負してきた。
実はこれは賢明な判断で、彼女の得点は決して悪い点数ではないだろう。
失敗のリスクを避けたのだ。
私は個人的にトルソワ選手が ロシア人のチームの中で1番攻撃的な選手だと思っている。
技術的にも4回転ジャンプの飛び方を含めて男子選手に全く遜色ない。
その彼女がトリプルアクセルに挑戦してきたのだ。
4回転を飛んではいけないルールがある以上、トリプルアクセルで点数を稼ぐしかないと思ったようだ。
彼女のインタビューがテレビで放送されていた。
彼女たちが所属している“サンボ70”
このチームでは4回転ジャンプを跳ぶ選手が5人ほどいるとの事。
シニアデビューしている選手では有名な3人組がいるが、その他にもまだ2人いるとの事。
そして、インタビューではトリプルアクセルならもっと多くの人が飛べるよと。
技術的な点で言えば彼女たちに敵はいないような気がする。
彼女たちは年齢的にも若く、体型もまだ大人になりきっていないスリムな状態を維持しているので、回転系の技には特に有利になっている。
その有利さを十分に発揮するだけの実力が備わっているところがすごい。
彼女は今回トリプルアクセルを失敗したので点数こそ低いが、フリーの演技で挽回する余地は彼女が1番大きいのだ。
トップと10点くらいの差なので、彼女の実力ならば十分に挽回可能。
今回のグランプリファイナルの女子選手の中では唯一21歳で、1番年上である。
彼女は他の選手たちと違って身長も168センチほどで、1番大きい選手と言える。
最近すっかり見なくなったがイタリアのカトリーナコストナー選手に雰囲気がよく似ている。
彼女の武器は思い切りの良いジャンプやステップ。
アメリカ大会を制してきているので 、間違いなく実力者なのだが、今回グランプリファイナルに残った事は彼女にとっても大きな自信になったはず。
注目の紀平は?
紀平のインタビューにあった。
“実は体が重かったので、どれだけのことができるのか若干の不安があった”と。
これだけの厳しい中でも、トリプルアクセルをきちんと回りきったあたりはさすがだと言える。
ただし着地の後の流れがいまひとつだったので、出来栄え点の加点はなかったが。
トリプルアクセルのその次のコンビネーションジャンプで転倒があったので減点されてしまっている。
やはり彼女のベストの状態にまでは持っていけなかったので、ショートプログラムの70点は決して悪い点数ではないが、今回の6人の中では残念ながら最下位となったのだ。
しかし、彼女の持ち味はフリーの演技で発揮されるだろう。
今日の状態を受けて明日のフリーの演技になるまでに修正してくるに違いない。
どの程度の挽回ができるだろうか。
私の個人的な意見ではメダルを取れたなら上出来だと言える。
つまり3位以内。
結論から言えば相当厳しい。
今回の大会のトップ3、ないしはトップ4 はこれはロシア勢なので、別次元の強さを発揮してくるのだ。
まとめ
今回の女子フィギアの大会ではロシアの“サンボ70”がその存在を大きく誇示したと言える。
このチームの中心的な役割を果たしているのが“エテリトゥトペリーゼコーチ”。
ロシアのみならず、世界の女子のフィギアスケートの指導者としては間違いなくナンバーワン。
もうずいぶん前から活躍しているので、今指導している選手たちで一体何世代目になるだろうか。
彼女の指導を受けた選手たちは女子でありながら男子と変わらないだけの実力を発揮する。
女子フィギアスケートのショートとフリーの両方の演技を合わせた点数は金メダルレベルで230点以上となるが、今回を始めとする最近の大会では、240点くらいとっていないと優勝は難しい。
実は、今回の選手の中には、260点を超えてくる選手もいるのではないかと噂される。
このような選手たちを発掘し、指導しているのが“トゥトペリーゼコーチ ”
ある意味、フィギアスケート界に革命を起こしたと言えるだろう。
さて、明日のフリーの演技でこの順位にどれだけの差ができてくるのだろうか。