今日から始まるスカーレットは、十和田君との親密なエピソードを描くことと、なんといっても丸熊陶業の社長の突然死。
ここから、物語はどんどん進んで、あれだけ賑わいのあった絵付け火鉢の仕事もどうなることやら。
そして、新しく社長に就任する照ちゃんの婿さん。
みんなそれぞれに新たなエピソードが書き加えられて行くようだ。
目次
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十和田君と深先生
最近いろいろなネットの評判の様子を見ても、深先生の評判がすこぶるよろしいようで。
なんといっても“年の功”で人間ができている。
決して腹を立てることなく、人に嫌みを言うこともなく、いつもニコニコと微笑んでいて周りの人を和ませる。
それでいて日本画家の大家。
自分自身の実績などをひけらかすことなく、人に喜んでもらえればそれでよしとするスタンス。
今回、十和田君が涙ながらに語った、昔、自分の家に飾ってあった深野画伯の絵を貧しさゆえに手放してしまったエピソード。
そのことに別の意味で感動してねぎらいの言葉をかけていた深先生。
思いはそれだけでは済むことなく、深先生、なんと自ら記憶を頼りにかつて描いた自分自身の絵を再現してみせたのだ。
数多く描いてきた実績があって、おそらく記憶の中では曖昧な部分もあったのだろうが、十和田君の話した内容から自分の記憶を手繰って再び再現してみせた。
感激した十和田君。
『もう二度と手放したりしません。』
『肌身離さずそばに置いておきます』
思わず苦笑する深先生。
イッセー尾形扮する“深野心仙”の人となりがよく表現されていた。
十和田君と喜美ちゃん
絵を描くことが大好きな喜美ちゃん。
十和田君のエピソードをそばで聞いていた時に、その話の内容からどうしてもかつて飾ってあった絵を再現してみたくなったのだ。
これはある意味、絵描きとしてのDNAのようなもの。
これを描きたいと思うと、いてもたってもいられなくなってしまう。
想像力をフルパワーで発揮して、描かれた世界をなんとしても紙の上に表さなければ気がすまない。
今回のエピソードはそれだけでは済まなかった。
実はここに、喜美ちゃんと十和田君のお互いがそれぞれに抱きつつある好意のようなものが表されていたのだ。
お互いはそれぞれの感性を大いに認め合いつつ、やがては同じ目標に向かって意気投合していくのだ。
そのきっかけとなるエピソード。
深先生の描いた絵と喜美ちゃんの描いた絵。
2つの絵がドラマの中であたかも対比するように放送されていた。
日本画のセンスを遺憾なく発揮した深先生の洗練された画風。
それに対して奥行きのある深い色彩感覚で情感たっぷりに描かれた喜美ちゃんの絵。
それぞれどちらも味わい深い仕上がりで。
でもこうしてドラマを見ていると、喜美ちゃんは色彩に対する感覚がとてもナイーブでそれでいて鋭い気がする。
特に絵の中でよく表現されていたのは、光の差している方向と光が当たった反射の描き方。
何色もの絵の具を重ねながら、その奥行きと広がりを表現するやり方は絵の描き手としての並々ならぬ才能を感じさせる。
実はこの色彩感覚が後々陶芸家として出発するときの彼女の持ち味となっていくはず。
今日の物語はその点でとても意味深で興味深い描かれ方を。
丸熊陶業に突然の不幸が
放送の最後の方で、丸熊陶業に一大事が起こる内容。
それはなんと照ちゃんのお父さん、つまり社長が突然倒れてなくなってしまうというもの。
会社にとっても、熊谷家にとっても一大事件。
この事件をもとに丸熊陶業は、新社長の下、会社の経営路線を大きく方向転換することに。
それは時代の流れもあって、絵付け火鉢の需要が縮小していくことが挙げられる。
そのことを先読みしての商品開発部門の創設。
十和田君はそこのメンバー3人のうちの1人。
せっかく絵付け師として 独り立ちできた喜美ちゃんも未来は不透明に。
そしてほかならぬ新社長夫人となった照ちゃん。
これは明日の放送で明らかになるのだが、どうやらおめでたなようだ。
よりによってこんな時期にと思わないでもないが、やはり嬉しいことは嬉しい。
照ちゃんの出産には喜美ちゃんも大いにお手伝いをすると聞いている。
照ちゃんと喜美ちゃんは幼なじみで気心の知れた間柄。
まずはお父さんが亡くなったことにお悔やみを述べる。
そしてそのやり取りの後、照ちゃんのおめでたの報告が。
物語は新しいエピソードが次々と書き足されていて、ここへきてスカーレットは物語にスピード感を感じるように。
私の個人的な好みでは、これくらいのてきぱきした感じがあった方が、ドラマを見ていても楽しい。
それに、この物語は基本的には関西の作りなので、すぐにお笑いのノリで様々なギャグがちりばめられてくる。
しかし、明日以降は新しい展開が始まるので、そんなにニヤニヤしていることにもならないと思う。
特になくなった社長と深先生は特別な絆で結ばれていたと聞いている。
ネタバレで確認済みではあるが、深先生の去就にも関わってくるのだ。