今日から始まるエールの時代設定は、冒頭にテレビが出てきたことを考えると、多分昭和28年以降。
ロカビリーの全盛期を考えると昭和30年前後かなと想像する。
いよいよ看護婦となった華ちゃんとロカビリー歌手の出会いが描かれることに。
さらに作曲家として多忙を極めていた祐一君。
あの大ヒット曲イヨマンテの夜の制作秘話も語られる。
時代はちょうど私が生まれた頃。
今からおよそ65年ほど前の物語。
目次
華ちゃん 仕事が忙しい24歳
華ちゃんは人の世話をするのが根っから大好きな人柄。
看護婦の仕事はまさに彼女にうってつけ。
そんな中彼女が勤務する病院にとある風変わりな若者が入院することに。
聞けばその若い男性はロカビリー歌手で、まだデビューはしていないが人気抜群とのこと。
コンサートの最中に熱狂したお客さんにステージから引きずり下ろされその時に足を骨折したらしい。


この彼がこの後のストーリーの重要なパーソナリティーになってくる。
誰もが想像する通り華ちゃんの結婚相手になるのだ。
しかしロカビリー歌手とはなんとも!
華ちゃんにとっても、まるで自分の理想型からは程遠い男性だが、実は普段の彼女の仕事ぶりから彼の担当を任されたいきさつが。
誰にも分け隔てなく接することができて、しかもロカビリー歌手としての彼にいささかの興味も示さない。
そういったことが担当にされる理由になったようだ。
この後、何話分かでこの2人のエピソードが語られるはず。
残りの放送回数はいくらもないので、話はどんどん進んでいく。
作曲家古山祐一 絶賛活躍中
この当時の古山祐一はフルパワーの活躍が求められていた。
歌謡曲やラジオドラマといった通常の仕事のほかに、映画の主題歌や、劇中の音楽。
さらに飛び込みでやってくる校歌とか 社歌の作曲依頼。
1つずつ終わらせていって次の仕事に取り掛かっている事ではもう全く間に合わない。
したがって同時進行で4つぐらいの仕事をこなしたようだ。
彼の作曲方法は楽器を用いないので、要するに頭の中だけでイメージを切り替えながら仕事をする。
口では簡単に言ってしまうが、この作業を普通にこなすあたり、天才以外の何者でもないだろう。
こうした言語を絶する忙しさの中から数多の名曲は生まれた。
名曲にして大ヒット曲誕生秘話


この曲は私が知っている歌謡曲の中でもイチオシ。
歌手伊藤久男が持ち味を遺憾なく発揮した冒頭のカデンツァの部分。
この曲が最も難しく、大変であると同時に1番の魅力的な部分でもある。
もともとは歌詞のない曲だったものを気に入っていた古関さんが、もう一度詩をつけて曲として発表したもの。
作詞は菊田一郎氏にお願いをした。
その時にアイヌの話がたまたま出てきて、アイヌを題材にした内容ならば今まで誰も手がけたことがなく面白いのではとの発想。
そしてイヨマンテの夜は完成した。
イヨマンテはアイヌの人たちにとって最も神聖で大切な儀式。
詳しく説明はしないが、アイヌの最も位の高い神様は熊に宿るとされる。
そして一旦熊に宿った神様は神々の世界に帰るときに人間の力で命を止めなければならない。
つまり
人間に殺してもらわねば神の世界に帰ることができないので、そのための儀式がイヨマンテ。
日本ではいっときこの儀式が動物虐待に当たるとして禁止されたこともあった。
しかし、そこに住む人々の死生観や倫理道徳に照らし合わせてみたときに、単純に動物虐待で済まされるような浅薄なことでは無い。
宗教観も考えなければならない独特の文化だと言える。
最初コロンビアレコードでは、この歌は難しすぎるとして会社の方針としてあまり強くは売り出されなかったが、いざ発売されると人気は少しずつ出てきて、世の中のおじさんたちは皆こぞってこの歌を歌うように。
いってみれば歌のうまさを評価するための課題曲のようなもの。
私もへたくそなイヨマンテを子供の頃には何度も聞かされた記憶が。
そのぐらい大人気な歌で、耳にこびりついているといっても過言では無い。
華ちゃん 恋物語


はなちゃんのお相手となる霧島アキラにはどうやらモデルがいるようだ。
ロカビリー歌手と言えばそう何人も登場してくるわけではない。
時代背景を考えてみるとおそらく彼でなかろうか。
こうして見てみても息を飲むような美青年ではないか。
当時の女性が熱狂したのもうなずけると言うもの。
エールの中ではこのロカビリー歌手生霧島アキラとして登場させるようだ。
この若い2人のエピソードがどんな形で描かれていくのだろうか。
ちなみに華ちゃんは初恋って話じゃないはず。
その辺のことも明日あたり語られるような気がするね。