毎日の放送を見るたびに後何回とカウントするようになっている。
エールのエピソードも残りいくつもあるわけではなさそう。
そんな中、今週描かれたのは音ちゃんの新しい音楽活動への道筋。
戦後世の中も1段落したことを受けて歌手活動を再開させていたが、歌劇のオーディションに応募することに。
それがなんと合格してしまうことから物語が始まった。
登場する人たちの様々な思惑を描きながら最後に感動的なオチが。
目次
オーディションの最終審査に合格!しかし訳あり
いざ主役に抜擢されて稽古に参加してみたところ、見せつけられたのは圧倒的な実力の差。
最終試験の時に、周りの残った受験者たちの実力を見れば、自分はおそらく選ばれないだろうなと思っていた音ちゃんへの合格通知。
驚きを隠せないのと、果たして自分に務まるのだろうかと一抹の不安を感じつつ、日々過ぎていくのだが。
必死で練習を重ねようにも、どうしても周りの期待に応えることができそうもない。
そんな中、かつての音楽学校時代の仲間夏目千鶴子さんに意見を聞くことに。
そこで明かされた真実は驚くほど残酷で悲しいものだったのだ。
苦しむ音ちゃん反発する華ちゃん
華ちゃんには自分の好きなことを一生懸命やりなさいと言いながら手本を見せることができずに苦しむ姿ばかりをさらしてしまう音ちゃん。
そんな姿を見るにつけ、どうしても納得できない華ちゃんはついに感情を爆発させてしまう。
お母さんのやりたいことってそんな苦しいことなの?
私には特にやりたいことなんてない
それっていけないことなのかなぁ?
年頃の華ちゃんには切実な問題だったのだが、古山家の人たちには不思議と応援してくれる人たちが周りにいる。
華ちゃんには吟おばさんがしっかりと聞き役に回ってくれていた。
音ちゃんは家族のことも心配しつつ、自分自身重大な決断を下さなければならなかった。
芸術家が抱き続ける避けようのないジレンマと、残酷さが15分のドラマの中に凝縮されていたような作り。
このドラマの完成度の高さを感じさせるドラマチックな作りだったと思うけれど。
降板そして別な道筋が


千鶴子さんから最終選考の裏の話をつぶさに聞くことに。
公演の担当者が古山祐一の知名度にあやかって、選考試験を無視して音ちゃんを推薦したらしい。
つまり、本来実力的にふさわしい人が他にしっかりと存在している。
その厳しい現実を知らされたときに、悩んだ音ちゃんが下した決断。
潔く身を引いて本来選ばれるべき人に主役の座を演じてもらうこと。
しかし、それは自分自身の音楽活動の未来を否定する行為にもなっていた。
歌手として大きな舞台に立って夫が作曲した曲を歌いあげる。
その夢はここについえたかのように見えた。
しかし、物語はここから一歩先があったのだ。
それは祐一君がお願いして企画した教会での慈善音楽会。
そこで新曲を作るのでぜひとも音ちゃんに歌ってほしいと。
蒼き空へ
わざわざこの催し物のために鉄男君にお願いして作詞してもらった。
それは祐一君にとってかけがえのない大恩人の音ちゃんへの感謝の気持ちを込めた歌。
音楽って不思議なものなんだけれど、技術的な能力の差はもちろん厳しく存在している。
しかし、技術的に優れているからといって必ずしも感動が伝わるわけじゃないんだよね。
特に歌を歌う場合は歌心と言って技術を超越した要素がとても大きくものを言う。
優れた歌手のテクニックをどのように真似してコンピューターが歌ってもそれは響かないだろうってこと。
心に届くには歌う人の心の中の真心の部分が通じていく。
真心を伝えるのにはテクニックは様々な条件の1つに過ぎないってことになる。
言葉で伝えようとするとどうしても無理してわかりにくくなってしまうけれど、世の中にある様々な音楽を考えたときに、特に誰かが歌ったときにその歌が心に響くかどうかを考えてみるとよくわかる。
私が経験の中から感動して聞いたのは、
黒澤明の“生きる”と言う映画の中で志村喬が歌ったゴンドラの唄。
劇中で歌われるこの歌を聞いたときに驚くほど心に響いたのを今でも思い出す。
ほぼ半世紀以上も前の記憶だけれど、歌は上手い下手じゃないと悟ったエピソード。


感動の音楽会が終わって古山家はいよいよ次の時代に向かっていくことに。
来週は華ちゃんの新しい道とかが描かれるに違いない。
彼女は子供とか、自分よりも弱い人たちへのいたわりの気持ちがとても強いように描かれていたので。
きっとそういったことへのなにがしかの未来が描かれるのでは?
また、地元福島の話もなんとなく興味が湧くね。
弟の浩二君やお母さんのマサさんとかどうなっているのだろう?
残りは15話分。
描かれる余白はもうわずかだね。