くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

おちょやん 撮影所では前途多難

 

鶴亀撮影所で面接を受けて大部屋女優として身分が決まった千代ちゃん。

千鳥の最後の言葉、

自分の未熟さを思い知りなさい!

しかしながら、いざ撮影所の中に入ってみると女優の竹井千代と呼ばれることにすっかり舞い上がってしまう千代ちゃん。

やっぱり胸のウチはまだまだミーハー。

そして撮影所に入るといくつもの洗礼を受けることに。

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アポさえあればきちんと入れてもらえる

目次

■□━━ 急げ、ドメインは早い者勝ち! ━━□■
     ■お名前.com

女優志望

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案内役は助監督小暮さん

 撮影所に来てまた門前払いを食うのかと心配になっていたが、今回はきちんとアポが取れていたので問題なく入所することができた。

中を見回してキョロキョロしつつ、これからどうなるのかと期待に胸を膨らませる千代ちゃん。

この時案内をしてくれたのが助監督小暮さん

はっきり言ってかなりのイケメン。

彼はこの後もおちょやんに登場してきて、千代ちゃんと様々なやりとりをすることに。

何よりも最初に声をかけられたとき、女優の竹井千代の呼びかけにすっかり舞い上がってしまう千代ちゃん。

本当はここで千鳥さんの言葉を思い出さなければいけないんだけどね。

自分の未熟さを思い知りなさい

そんな言葉はどこへやら。

最初に面接があるとのことで、所長室に向かうことに。

面接

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会話はなし 立ってぐるっと回って はい合格㊗️

所長室では、これはまたクセの塊みたいな

片金を名乗る所長とジョージ本田を名乗る映画監督

この2人もキャラクターはかなり強烈。

この先なんやかんやと物語に登場してきそう

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下着から自分のイチモツが見えることを無常の喜びとする所長と、ハリウッド帰りを名乗る言葉遣いの怪しい監督

 この2人は明らかに変な2人。

しかし当時の映画は無声映画で、セリフなどはあまり関係なかったようだ。

問題は映像に映ったときにどんな雰囲気が醸し出されるか。

面接試験で言葉を一切話す必要がなかったこともうなずける。

ただし、無声映画の時代はすぐに終わって次はきちんとセリフ回しがついてくるように。

大部屋女優

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大部屋はいじめの温床

さて大部屋女優とのことで、いざ大部屋に行ってみると大勢の女優たちがたむろしていた。

挨拶をさせてもらおうと意気込んだ千代ちゃんだが、まるで相手にされない。

大体、居場所がないのだ。

大勢人が集まるところは大抵そうだが、序列に応じて居場所が決まっている場合がほとんど。

本来新人女優は入り口すぐの所が居場所と決まっているが、早々に嫌がらせを受ける。

居場所とおぼしき場所には荷物が積み上げられていて、それをどかしてくれる事は無い。 

さらには、場所がないんなら私が終わったらこの場所を使わせてあげると言ってくれる人が、なんと1分10円を請求してくる。

さらに、1分8円で場所を貸すとの申し入れも。

これが最初の嫌がらせの洗礼のようなもの。

こういった大部屋の女優たちは新しい女優が入ってくるとみんなでよってたかっていじくり回すのだ。

彼女たちは所詮売れない女優たちで、周りみんなは仲良く話して見せるけど、すべてライバルたち。

長く付き合って知り合いになればそれなりの配慮はするだろうが新人はとにかく必ずと言っていいほどいじめられるようだ。

要するに誰1人として心に余裕のある者がいない。

そんな中、千代ちゃんにピンチヒッターとして出番が回ってきた。

セリフも何もない女中の役柄で、荷物を抱えて通りを歩くだけ。

まるで張り合いのない仕事だが、映画に出演することを考えると大変な出世なはずなんだけど。

ただ通過するだけではあまりにつまらないと考えた千代ちゃん。

通りがてら、横にあったお団子屋さんに声をかけて

わずかばかりのセリフをアドリブで話してみる

実は、これが最初の大失敗。

映画では指示がなければ常に監督の要求通りに演じなければならない。

舞台とは勝手が違う。

アドリブが通用する要素などほとんどないと言っていい。

監督の目の前でアドリブで演技をして見せて、ダメ出しをされたのだが。

さらに悪いことには、ダメ出しに対して口答えをしてしまう

通行人の女中の役柄そのものがストーリーから外されてしまうことに。

映画と舞台では全然違うんだよね。

もっとも映画やドラマなど最近のものでは台本通りでない場合もそれなりにあるようだ。

しかし、役者は与えられた役柄をしっかり演じきること以外には、出番は無い。

アドリブが通用するのは技術が格段に向上している場合のみ。

さてこういった失敗の後、千代ちゃんの先が思いやられる。