思いがけない状況で再会した高城百合子さんと小暮さん。
夜中になってのことなので、事情をちょっと考えてしまう。
今日詳しく語られることになるが、どうやら2人は何かから逃げている模様。
時代は昭和12年13年頃で、もうじき太平洋戦争が始まるって頃。
世の中の文民統制はかつてないほど厳しくなって、様々な規制が強化されつつあった。
突然の訪問者2人の意図するところとは?
目次
圧倒的な存在感高城百合子
劇中では新劇のナンバーワン女優との触れ込みだが、調べてみた限りでは彼女はやはりあの岡田嘉子がモデルで間違いなさそう。
とにかく今見ても絶世の美女だったことには違いない。


彼女は母方の祖父がオランダ人男性と日本人女性のハーフだったとのこと。
やはり西洋の血がいくらか入っていることで、東洋的だがかなりエキゾチックで 誰もがその美しさに魅了されたに違いない。
彼女はその姿形とは裏腹に恋多き女でも有名だった。
おちょやんで描かれる高城百合子はその岡田のエピソードをそのまま踏襲しているらしい。
つまり新人俳優と駆け落ちしてみたり、知り合ったばかりの演出家と逃避行を演じたりもしたのだ。
考えようによっては自分の人生に正直だったとも言える。
ドラマの中で描かれるように、自分が納得できる舞台こそが彼女の全てだったに違いない。
おちょやんの中でいつまで登場するかはわからないが、かなり衝撃的な事実が描かれることになりそう。
小暮さんの子供の頃の記憶


小暮さんの少年の頃の体験が一平君に語られていた。
裕福な家の出だった彼は 、幼い頃から不自由なく暮らすことができていて人生もほぼ約束されていたらしい。
ところがある時、入院していた父親の患者が病院から追い出されるところを目撃してしまったのだ。
父1人子1人で必死に頑張っている貧しい町民。
体を壊して入院していたが、やがて治療費も払えなくなったのだろう。
父はその時にこの貧しい町民を見捨てるように病院から追い出した。
うちも慈善事業をやっているわけではない
他をあたってくれたまえ
必死に頼み込む親子を無慈悲に追い出すような仕打ちをしていた。
少年の頃そんな様子を目撃して人生がわからなくなった小暮さん。
自暴自棄になった時に出会ったのが映画だったようだ。
それから映画の世界にのめり込んで、自分がこれはと思う作品を作ろうと心に決めたらしい。
高城百合子さんともその頃出会って、ここ最近になって意気投合した経緯がある。
ドラマの中で直接的な表現はされていないが、2人ともプロレタリア活動をしていたようだ。
つまり共産主義によって世の中を変えていく。
この頃、共産主義は帝国覇権主義を主張する資本主義国家にとっては明らかに目障りな存在。
文民統制の筆頭に挙げられるような存在だった。
共産主義の考え方は納得できる部分も多いが、考え方のレベルから実践するレベルになると腐敗や欺瞞の温床となってまともに機能しなくなった歴史がある。
このときの共産主義の要になる存在がソ連のスターリンだろう。
裏歴史では有名なことだが、アメリカのルーズベルトやチャーチルなど共産主義に加担していた。
また、中国の毛沢東もスターリンの子分のような存在。
共産主義によって短期間で国家をまとめ上げたことがその実績として評価されたのだが、実際は傲慢な強権政治と様々な弾圧によってスターリン本人は20世紀の3大悪人の1人として計上される。
そういったことも裏歴史で語られることなので、面の歴史ではほとんど日の目を見る事は無い。
せいぜい鉄のカーテンで秘密にされていたくらいの伝わり方しかしていないはず。
夢と希望を抱いていた小暮さんは高城百合子とともにソ連亡命を企てていた。
千代ちゃんと百合子さん
この2人のやりとりも見もの。
もともと高城百合子に憧れて女優の道に飛び込んだ千代ちゃん。
彼女のように光り輝く事はないが、女優として俳優仲間や制作スタッフからも信頼の厚い存在となっている。
千代ちゃんは百合子さんに家庭劇で一緒に芝居をしないかと持ちかけるのだが。
自分が納得しない芝居は絶対にしないポリシーの百合子のさん。
軍国ものの出し物を頭から軽蔑する発言。
やはり2人の話が噛み合うようなことではなかった。
千代ちゃんはお客さんに喜んで楽しんでもらうことこそ自分の全て。
そこでお客さんに元気を分けてあげられれば、私には他に何もいらないと。
2人の立ち位置は決定的に違っていることがここで改めて示された形に。
百合子さんは
女優なんだから、誰かと分かり合えるような事は願わなくてもいいと。
別々の道を孤独に歩んでこそ、女優として真骨頂なのではと発言。
どこまでも自分の道を進もうと、その決意は揺らぐことがない。
特高警察からの逃亡劇
さて、本社から呼び出された一平君は小暮さんと百合子さんが特攻警察に追われていることを初めて知るのだ。
2人はそーっと逃げようとするが、残念ながら追求の手は家の中まで捜査員が踏み込んでくる始末。
2階の押し入れの奥に2人を閉じ込めて何とか守ろうとするが、今日の物語はそこで警察を前にして絶体絶命の状態が描かれる。
千代ちゃんが何とか警察を前にして理由を述べて押し止めようとするが、流れからして押し入れは開けられるに違いない。
明日はその襖が開けられたところから物語は出発するに違いない。
もし2人が警察に捕まるようなことがあれば、千代ちゃんも一平君もただでは済まないだろう。
2人をかくまった罪を問われて必ず厳しく追及されるに違いないのだ。
一体どうなることか?