物語の頂点に位置すると思われるエピソード。
今まで苦難の連続だった2人にはそれぞれの思いがついに報われる時が。
なんといっても、周りの応援が全てだろうと改めて感じいる。
今週後半のエピソードで、橘家も雉真家も、戦争がもとでそれぞれ抱いている苦しみや葛藤は同じだったことが判明。
父親同士の話で、お互いが同じ苦しみを抱きつつ、子供たちの世代を応援しようと思う気持ちも一緒。
1番の英断は雉真家の千吉さんの判断。
未熟な息子には安子ちゃんのような気立ての優しい穏やかな娘が一番ふさわしいのだと思うに至ったから。
そう思ってからの行動は驚くほど早かったようだ。
大東亜銀行の頭取の娘との結婚は事情を話して納得していただいてお断りを。
ちょうど安子ちゃんのおじいちゃんの喪中なこともあって、簡素な形で祝言が。
2人は稔君の出征前にのわずか1ヵ月間、幸せな時間を過ごすことができた。
目次
父の選択
雉真千吉さんに息子の結婚相手の変更を決意させたのは勇君の進言があったから。
彼は、自分が身代わりになるから兄と安子ちゃんの結婚を許してほしいと必死に訴えた。
さらには一度会ってみてくれとも言っていた。
その結果が昨日のエピソード。
父親同士の話の中で、親ならではの共通の苦しみがあることも確認できた。
せめて息子や娘には悔いのないように生きて欲しい。


このやりとりで千吉さんは自分の考えを変えるに至った。
この時代は戦争一色で、何もかもが我慢を強いられていた。
仕事が順調にいっていてもまたいかなくなっても、誰もが感じていたのは、時代へのやるせない憤り。
戦争さえなければの思いは強かったのだ。
自分の気持ちに正直になることも全て押し殺してきた親世代。
追い詰められた結果は、正直な判断をすること。
それは自分らしさを身をもって証明することでもあった。
結果は見事なハッピーエンド。
ご挨拶
雉真家で許しを得ることができたその足で、すぐに橘家に挨拶。
橘菓子司は材料が手に入らなくて商売もままならない。
さらには跡継ぎ問題もあったりするんだよね。
本当は婿養子の話もあったけれど、今は素直に娘の幸せを願う親たちがそこに。
結婚の申し入れをされたときに、1も2もなく了解する。
反対の気持ちがあろうはずもなく、
おばあちゃんの言っていた“おじいちゃんもきっと喜んでいるよ”との言葉は実感こもってたね。
こうして安子ちゃんは雉真家のお嫁さんに。
周りに誰も味方のいない状況でも安子ちゃんは持ち前の気配りやいたわりの気持ちが表に出てくる。
彼女をにくいと思う人はおそらくいないのではと思われるほど穏やかでほんわか。
そんな安子ちゃんは家事をさせてもよく気がついて、よく働く。
まさに理想的なお嫁さんだと。
お嫁さん❣️
雉真家のお嫁さんとしては申し分ない。
安子ちゃんはいわゆるお嬢さんではないのだ。
家事手伝いとは言え、家の仕事や台所仕事、さらには掃除洗濯に至るまで全てこなせるオールマイティー。
結婚して家庭を持ってみるとよくわかるが、家政婦さんが仮ににいても、そこの家の人がどれだけきちんと家事労働をこなせるかでその家の格式は違ってくるのかもしれないね。
気の早いことだけど、若い2人の間では赤ちゃん誕生の話も話題に。
出兵するまでわずか1ヵ月間しか暮らせない。
神社での会話で稔君は子供の名前をもう決めていると言っていた。
そしてそれは「今はまだ内緒」とのこと。
カムカムエヴリバディの制作発表の時に3人のヒロインの名前とざっくりとした物語設定の説明があったので、ここで秘密にしなくてもすでに我々はよく知っている。
生まれてくる子供の名前は男子女子どちらでもオーケーで、しかも外国でも通用する名前。
るい
これは、おそらくルイ・アームストロングからとっていると思う。
るいちゃんが登場するのはもう少し先だが、来週には生まれると思う。
この物語は展開が通常の朝ドラよりも圧倒的に早いのが特徴。
てきぱき進まないと終われない。
忍び寄る戦争の影
こちらの喫茶店にはマスターがいるのだが、彼がジャズが好きでしかもコーヒーが大好きとくれば、戦時中は苦労のしっぱなしだったろう。
彼がわずかに残しておいた貴重なコーヒー豆を稔君と安子ちゃんに振る舞っていたね。
この時代、もうコーヒーは輸入できなくて手に入らない。
豆は古いと言っていたがわずかに残った貴重なものを提供してくれたのだ。
ここでの会話の中で、子供を残す話が出ていた。
マスターの息子は結婚することなく出兵したので、自分には孫も何もいないことを嘆いていた。
2人の未来の為にも子供を作っていきなさいと。
それはある意味正論だが、新婚の2人には刺激が強すぎないか?
1ヵ月間子作りに励めばできるかもしれないが、それだと、表現がかなり生々しくて引いちゃうんではないか?
今週は様々なエピソードで埋め尽くされたけど、厳しいご時世の中ほんのひととき幸せな瞬間があったことで見事なハッピーエンドに落ち着いたと言える。