2話目にして描かれるストーリーは、危機に直面した会社のリノベーションにかける意気込み。
今まで通りの仕事で立ち行かなくなったら、自ら新しい需要を掘り起こして存続の可能性を探る。
今週描かれる物語は、私自身の過去と大いに被る。
会社勤めをしている者にとって、業績不振っていうのは驚くほどコタえるんだよね。
だって、出勤して仕事をしようにも、仕事そのものがなかったり、上司の人たちはみんな暗い顔をしている。
そんな中で、モチベーションを保とうとするのはほとんど拷問に近い。
疑心暗鬼になるので、様々な噂話も飛び交う。
昨日の最後の方で、自分の会社をたたむことを決めたと語っていた小堺さん。
舞に説得されて、新しい商品開発にチャレンジする。
さらりと描かれていたけど、3週間後新商品ができてその売り込みに至るまでが描かれていた。
生き残りをかけると、言葉ではよく聞くけど実際に遭遇してみるとかなり難しいことが思い知らされたりする。
舞は自分の会社でない小堺さんをどうして支援しようとしたか?
それは、彼の抱えている問題は他人事では無いから。
この言葉には実感がこもっていたね。
痛みを自分のこととして捉える。
喜びも自分のこととして。
確か、仏教の中に教えがあった。
様々な提案がなされる中で、舞たちのポリシーは、決して逃げないこと。
物語はいよいよ佳境に。
目次
舞の心意気
精一杯頑張ってきたものが、努力虚しく中止せざるをえないと思い知らされたとき、人はどんな行動を取れるんだろう。
小堺さんは父親の代から続いてきた金網の会社をたたまざるをえなくなった。
子供の頃から、父親のもとで金網が織り込まれていく様子を開きもせずに眺めていたらしい。
機械のやる仕事だから、人間の力の及ぶことではないと思いきや、実際は細かい設定など職人の技術がものを言う世界。
大阪を始めとする関西のものづくりの技術力は関東をしのぐと聞いたことがある。
私は20歳の初めの頃、東京で道路関係の仕事を。
その時には1台数千万円もするような大型の車両機会を何台か使っていたが、そのメンテナンスの微妙な部分は、全て大阪方面の会社のお世話になっていたと思う。
また、あの当時、東京タワーは知名度もあったが、あのペンキ塗りのメンテナンスは関東の業者では請け負えなくて、大阪から職人を呼ぶと聞いた。
日本のものづくりは全国津々浦々だと思うが、デリケートな部分での関西方面の底力は昔から定評があったと思う。
それは、一人ひとりのポテンシャルもさることながら、この物語で描かれたような人と人のコミュニケーションによってもたらされたものも大きいのでは?
御園さんの人事異動
新聞記者に限らず、大きい組織では、人事異動が当たり前のように行われる。
私がいた会社でも、人事異動とまでは言わないが、ポジションの移動は年に1回以上必ず行われたと思う。
それは、専門的に業務を追求するのはもちろんだが、オールマイティーに何でもできる人を養成するのが会社としては至上命令だったから。
御園さんは舞に報告しながらも、自分自身を見直すちょうどいい機会だと屈託がない。
異動になったり、また業務内容が変化することについていけなくて、ストレスとして受け止める人たちがいっぱいいるのはよく知られる。
考え方1つと思いつつも、適度なストレスが常にかかっている状態は、あらかじめ想定しておいた方が何かと便利。
そして、新しいことを見聞きできるのは、何にも変えがたい喜びだと言う認識もさらに大事かも。
物語の中の御園さんがまさにそれ。
彼女は自分自身を見直すちょうどいいチャンスだと語っていた。
そして、自分の父親が工場を閉鎖しなければならなかったことに思いを馳せていた。
さらにはものづくりにも大いに興味が湧いてきたと。
それというのも忙しく飛びまわっている舞、彼女がとても楽しそうなことがなんとなく興味津々に思えたから。
小堺さんと舞
覚悟を決めた小堺さん。
会社をたたむまでのわずかな時間、残された可能性を必死で探ってみる。
物語で描かれた小堺さんは実直を絵に描いたような人。
彼のような人が作った製品なら、絶対に信頼がおけると周りの人は思うに違いない。
今回作った製品の売先は舞が何をおいても探してくると語っていたね。
どこで誰がどんなものを欲しがっているかは情報の伝達によってもたらされる。
何もかも全て自分でやるのはほぼ不可能なので、いろんな人の口コミがものを言う世界なのは、今も昔も変わらないってことだよな。
人生の値打ちは楽しいかどうか
物語の中でデラシネでの様子も描かれていた。
大樹君も陽菜ちゃんもどうやらかなり成長している様子。
もう中学生だから、考え方も大人びてくるだろう。
貴司の問いかけはシンプルなもの。
楽しいかそうでないか。
何をやるにしても、その中に喜びがなければとても長続きするものではない。
値打ちの本体は楽しいか楽しくないか。
その1点に尽きると思う。
今週のエピソードはまだ始まったばかり。
この先、注意深く見守る必要が。