植物学者としての万太郎と田邊教授。
それぞれの研究の様子が詳しく語られていた。
最後にわかることになる設定だが、2人とも同じ植物について研究を進めていた。
発表は田邊教授が先になるが、
キレンゲショウマ
今週のメインのタイトルにも採用されていた日本固有の植物を日本人が世界中に宣言する形で新種であることを発表。
2人の研究がどんなふうに進んでいたかが、丁寧な描かれ方でよくわかる。
一言で説明するなら、個人対チーム
もちろん、結果は教授のほうに軍配が。
描かれたストーリーの中では、所々象徴となるエピソードが紹介されていた。
特に、教授が植物学雑誌に世界に向かって宣言した内容は、日本人の植物学者としての矜持が遺憾なく表現されていたと思う。
今までは、標本も書籍もなく外国の植物学者に自分の国の植物の検定作業を依頼していたが、これからは自ら行って、自ら名づけ親になると。
確かに、この宣言は、万太郎自身も心躍るものだったに違いない。
興味深かったのは、検定作業の詳しい様子が万太郎と教授のそれぞれを描くことで、専門用語が並ぶストーリー展開をわかりやすく見ている人に印象づける。
結果に至るまでの1連の流れ。
さて、今週の締めくくりのストーリーは田邊教授がついに大学を追放されるまでが描かれた。
さらには、万太郎の家族と教授の家族の様子も、比較対象で描かれた。
このまま物語は来週へ。
目次
田邊教授の本気
妻聡子に植物学者として後押しされた田邊教授。
彼は昨日描かれたエピソードでもそうだったが本気で草花に向き合うと決めたようだ。
四国の石鎚山からの帰り。
どうやら新種の植物を発見したような。
教授の最大の武器はチームだろう。
彼の手足となって動く兵隊たちが多数存在する。
そして、その兵隊たちは誰もが皆優秀。
物語をずっと見ていても、教授の識見も凄まじいものながら、てきぱきと指示をして作業を進めるやり方は、ある意味戦場に出かける武将のようにも見えた。
万太郎と教授の研究の様子
2人とも標本をじっくり観察していた。
そして植物の特徴を細部に至るまでこと細かくつまびらかにしていく。
1連の作業は、まず文章で標本の個別の説明をしていくこと。
そのやりとりはドラマを見ていても専門用語に圧倒されるような内容。
それでも物語を見ている人たちがなんとなくわかった気にさせてくれるのは、万太郎と教授が実は同じ部分に着目して同じように書籍を広げ、植物の何たるかを確定していく作業を比較対象して描いていたこと。
こうするとなんとなくわかった気になっちゃうから。
キレンゲショウマと大学追放
田邊教授は文部大臣、森有礼の後ろ盾があって、活躍の場を与えられていた。なくなってしまった。今かなり不安定な身分である事は否めない。
特に田邊教授のライバルとされた美作教授。
彼は、田邊教授を追い落とすことを画策。
そしてそれは一方的なやり方で公表される。
本人に直接口頭で伝えるべきものを、わずか1〜2行の手紙で済ませてしまう。
今ならありえないような乱暴なやり方だが、これは田邊教授の今までの付け届けが回ったと考えられないこともない。
田邊は自分が贔屓にされていることをいいことに傍若無人に振る舞っていた。
当然のことだが、彼のやり方に反発し敵に回る人も多かったのだと思う。
自業自得の部分もあったのではないかと推察。
田邊の後任に選ばれたのは、徳永。
彼はドイツに留学していたよね。
そこで世界を学んできたと語っていた。
今更ながらに、明治初期の日本が欧米諸国に対して、どれだけ学んで追いつこうとしていたかがよくわかる出来事。
それぞれの家族
それぞれの家族のやりとりが描かれていた。
万太郎は子育てに忙しい寿恵子を手伝う形で、子供たちと触れ合っていたようだ。
特に、研究で根を詰める作業が続くと手伝いが気分転換にもなったかもしれない。
そして、田邊教授の妻聡子は誕生日のお祝いに夫に願いを1つ叶えてほしいと頼み込む。
それは、1日を私にください
ユニークなものの言い方だけど忙しい夫の身の上を案じてどこかに家族で出かけましょうということ。
聡子が提案したのは、家族を連れて海に行こうと。
田邊もしばらく行っていなかったので、ぜひにということで海へ行くことが決定した。
実は、これはこの物語の重大な布石になる。
モデルとなった谷田部教授は海で遊泳中に溺れ死にするのだ。
どうやら田邊も同じ道をたどるような気がする。
本当はもう少し生きていられるはずだけど、実際は谷田部は47歳で亡くなった。
来週の概略のストーリーは把握しているが、万太郎の研究生活がどのように進められるのか、興味は尽きないところ。