物語はいよいよ追い詰められた万太郎について詳しく語られることになる。
ブラック田邊は完全にへそを曲げてしまったと言える。
万太郎は、他の植物学教室の仲間たちの応援を得て何とか教授との関係を修復したいと考えた。
しかし、全く通じる雰囲気ではない。
万太郎は、ムジナモ発見の論文をきちんと書き直し、作画もやり直し。
それでも、どうしても受け入れてはもらえなかった。
実はこの辺の事情もモデルとなった牧野博士の史実とともに伝わる。
モデルの矢田部は、自らも植物志の図鑑を刊行するために仕事の被ってしまう牧野博士を出入り禁止にした。
ほとんどこじつけのような理由だが牧野博士の研究に嫉妬したからだと伝わっている。
このブログで何度も紹介した通り、モデルの矢田部教授は東大を追放されて、47歳で水泳中に溺れ死んだらしい。
壮絶な物語ではある。
らんまんはそういったことも全て反映させるような作りになっていそう。
先週の終わりから声を荒らげていた大窪助教授も万太郎の作業をかいがいしくサポートしていた。
論文の一言一句に気配りして、作り直した植物学雑誌も厳しくチェック。
田邊教授のメンツがきちんと生かされる状態になっていることを確認。
おそらくこれ以上の手立てはなかっただろうと思う。
それでも許してもらえなかった万太郎は、直接ブラック田邊と対峙することになった。
目次
作り直し
物語を見ていてわかるが、万太郎は単純素朴で天然キャラ。
ブラック田邊の名前のないことにいち早く気がついた大窪は、すぐにそのことを直すべく、大声で万太郎を罵倒していた。
万太郎をやり込めることで、少しでもブラック田邊の気持ちが収まるならとの配慮だろう。
そしてさらに作られた機関誌をやり直しすることもその場で進言。
ブラック田邊への配慮を万太郎に代わってやってくれたと言える。
それが証拠に論文の書き直しの時は、彼が一字一句丁寧にチェックしていた。
それにしても、これは大変な作業になる。
図柄はそのまま生かせるのではと思ったが、それすらもやり直したような。
下世話なことだが、これらの費用は全て万太郎が持ったはず。
これだけでも大変な出費だろうにね。
教室の仲間たち
万太郎の植物学教室への出入り禁止に対して、必死に食い下がって撤回してもらえるように頼み込んでいた仲間たち。
作り直しまでしてきちんとメンツが立つようにしてあげたけど、ブラック田邊は頑として受け付けなかったようだ。
藤丸も羽多野も申し訳ない気持ちで万太郎に謝罪するが、万太郎は自分自身が研究を続けるためには、東大の標本や書籍がなんとしても必要。
検定作業とは、あらかじめどういったものなのかをつぶさに調べあげなければならないのだ。
その元になる百科事典のようなものが絶対に必要。
それがなければ、研究は全く立ち行かない。
へそを曲げたブラック田邊が首を縦に振る事はなかった。
ブラック田邊
仲間たちが必死に口添えしてくれたが、ブラック田邊の気が変わる事はなかった。
彼の口利きでブラック田邊は政治的な仕事もするようになっていた。
もっとも、それは田邊の社会的地位を上げることにはなったが、逆に大きな足かせにもなったはず。
田邊は東大の教頭に就任しているが、どうやらすべて政治的な背景が絡んでいるようだ。
今も昔も政治は駆け引きで成立する世界。
学問をする人たちにとっては便利な部分もあるが、危うさもあって簡単に手を出していい代物ではない。
田邊は万太郎とも話をしたが、訴えに全く耳を貸そうとしていない。
そればかりか自分も植物図鑑を発行するので、万太郎に東大の標本や書籍を見せるわけにはいかないと何ともミエミエの嫌がらせ。
ここまでこじれると、正直どうしようもないと思う。
八方塞がり
八方塞がりの万太郎にとって、唯一の慰めは家族。
すくすくと育つ園子はかわいいことこの上もない。
そして、ふたりめの子供がお腹にいる寿恵子は万太郎をかいがいしくお世話。
しかし、このままで終わるわけにはいかない万太郎。
何とかして研究を続けて、植物志の発行を継続したい。
今週の物語は始まったばかりで、まだ先の展開が全くわからない。
モデルとなった。牧野博士のことを思ってみると、やはり波瀾万丈なことには違いなさそう。
大体は検討のつくストーリー展開なので、この先何が起こるのかも想像はできる。
それにしても、波瀾万丈とはこのことだとつくづく納得する。
そして、彼ら明治の偉人の働きがあって今の日本が築き上げられたと思うと、感慨もひとしお。