今日描かれたらんまんの主人公は万太郎ではなかった。
私がブラック田邊と名付けてしまった田邊教授。
彼が物語の中心に描かれていた。
ストーリー内では重要な役どころを演じる田邊教授は万太郎と同じ植物学者。
彼が植物学者としての本領を発揮する時が今日詳しく語られた。
既に文部大臣森有礼が刺殺されたことによって田邊教授は後ろ盾を失ってしまった。
少しずつ外堀が埋められつつ、教授は大学内での地位が危うくなっていく。
寝耳に水の話にうろたえる教授を励まし、支えたのは妻聡子。
うら若い後妻は、子供たちとともに自分を見失いつつあった夫を再び学問の道に連れ戻すことに成功。
もともと日本の植物学を国内で初めて定着させたのは田邊教授に他ならない。
日本で初めてコーネル大学に留学し、そこで植物学を学んで学問に誠心誠意取り組んでいた姿勢には裏表などあるはずもない。
物語の主人公である関係上、万太郎がクローズアップされるが、田邊教授も植物学者として同じように情熱を持ち、同じように活動できるポテンシャルを持ち合わせていた。
田邊教授は教室のメンバーを連れて植物採集の旅に出る。
それが四国の石鎚山付近。
そして、どうやらそこで新種の植物に出会ったような。
四国の植物採集は万太郎の場合、虎鉄君が実質的に活動してくれている。
どうやら、万太郎に送られた植物標本と田邊教授が注目した植物は、同じような雰囲気。
目次
田邊教授夫妻
大学の人事から自分が干されていることで自暴自棄になりかけた田邊。
やけ酒を煽っておかわりする始末。
しかし、夫が酒に逃げる姿を決してそのままやりすごさなかった妻聡子。
学問的なことなど何もわからないはずだが、夫を全力で励ました。
日本で植物学を始めたのはあなた。
あなたの後に大勢の学者たちが続いていくのだと。
聡子の必死の訴えに田邊も心を開いていく。
今日のエピソードの中で、一番の見所がこの辺だっただろうと思う。
実際の田邊教授のモデルになった谷田部平吉も「らんまん」同様歳の離れた奥様がいたようだ。
調べたところ、18歳年下とあった。
谷田部教授も47歳で水泳中に事故死しているので、奥様は29歳と言うことになる。
らんまんの田邊教授もおそらくは聡子さんとそのぐらいの年齢差を想定しているものだと思う。
聡子が子供たちとともに、夫を支える決心をしなければ、田邊はこのまま腐って脱落した可能性も。
内助の功とはよく言ったもので、聡子はこれ以上ないぐらいの良い仕事をしたと言える。
東大植物学教室
大学内の権力闘争は、学問そっちのけで地位争いのようなもの。
田邊は美作との争いに敗れたので、大学での地位もかなり危ういものになる。
しかし、妻の聡子に励まされた田邊は決してうろたえるような事は無い。
もともと植物学には、造詣が深かったのだ。
さらに、コーネル大学直伝の研究方法も持ち合わせている。
本来の力を発揮すれば、彼が日本の植物学の確立に大きく貢献する事は明らかだった。
かつては足げくあちこち野山を駆け回ったことだろう。
万太郎と同じように胴乱を肩から掛けて、夏休みの植物採集旅行は石鎚山に向かうと言う。
それは、万太郎とかち合うような状況でもある。
万太郎はなかなか地元に帰ることはできないが虎鉄君から採集した植物標本が毎日届けられるのだ。
今回田邊教授が見つけた植物は、なんとなく万太郎と被っている💦
教室を上げての植物採集旅行
見つけてきた植物は、かなりの量に。
その中で1つ目をつけたのは今まで見たこともない品種のもの。
植物学者としての本能が田邊にも再び湧き上がってくる。
そして、それは教室全体が田邊のスタッフとして動くことも意味した。
参考文献その他はしっかり所有している。
そして大窪助教授はてきぱきと指示をして研究作業を牽引する。
なるほど、分業して研究するなら作業は明らかに早い。
比較しても仕方のないことだが、万太郎とこちらの植物学教室では、どうしてもポテンシャルに差が出てしまうのはやむを得ないこと。
万太郎と田邊教授
同じ道を歩むことになった万太郎と田邊教授。
本来田邊は森有礼の大抜擢で、東大の教授の地位に就任していた。
その森有礼は明治22年に暗殺されてしまうのだ。
実は、田邊は森有礼の後ろ盾があってこそ、様々な仕事をこなせていた。
後ろ盾がなくなった途端に失脚する可能性があると言うのも情けない話ではある。
明治の初めの頃は、とにかく大勢の人が亡くなっている。
幕末もそうだったが、それ以降も主な著名人たちは高い確率で、黄変死しているものと思う。
何を隠そう伊藤博文だって同じ。
彼は韓国にわたって暗殺されたと思う。
森有礼が暗殺されたことも、ご時世を考えればありがちな話。
田邊と万太郎は、どうやら同じ植物についての研究を始めていたようだ。
要するに、どちらの発表が早いのかってことになる。
普通に考えれば、組織的に分校で仕事をしている方が絶対に早いので。
明日の物語を見れば、全てが明らかになるはず。