この時代は新しい日本が出発するための準備期間だったと言える。
何よりもGHQの指令が最優先されなければいけない。
花岡が餓死してから1年が経過した設定。
昭和23年10月、寅子は桂場から人事異動の通達を受ける。
新たに設置される家庭裁判所設立の部門で仕事をするようにと。
さらには今日から登場する新メンバーも。
「虎に翼」は主人公寅子の魅力もそうだが、周辺で活躍する様々な人たちも活き活きと描かれる。
家庭裁判所設立準備室
新しい職場ではかつての仲間もいっしょに仕事。
彼らとは亡くなった花岡とのことが被る。
戦後すぐのこの時代、世の中は色んな意味で変化の波にどう乗っていくか大きなエネルギーが必要だった。
相続や離婚などを扱う家事審判所と少年審判所をひとつにして家庭裁判所として発足。
残された時間はわずか2か月。
無謀な試みともとれる。
寅子は桂場から異動の命を受けたとき、念を押していた。
この仕事が終わったら裁判官にしてほしい。
交換条件としては悪くないが、やり方はエゲツないかも。
さて物語はここからさらに奥深い領域に。
裁判所の専門用語もだんだん親しみが持てるように😅
目次
人事異動の裏側
このときの寅子は弁護士資格は持っていたが、嘱託職員の事務官。
身分としてはかなり低かった。
家計を安定させるためには、正職員として働けた方が良いに決まっている。
当時GHQはアメリカと同じような社会システムを日本にも適応しようとしていた。
特に裁判所関連は最高裁判所のようなトップの部署ではなく、地方裁判所だったり、家庭裁判所だったりのような直接国民と関わりを持つような部署こそが大切だと。
事務官としての寅子は仕事ぶりが評価されての抜擢だったようだ。
学生時代から様々なことを手がけながら常に複数同時進行で仕事をしていた。
今回の部署では今まで別々に仕事をしていた部署を取りまとめようと。
それぞれの意見を聞きながら、さらには仕事のやり方を提案しなければならない場合だって想定。
寅子の持ち味が必要不可欠だったかも。
家庭裁判所設立準備室
物語の中に出てきた準備室はバラック小屋。
なんとなくその辺の路地にありそうな雰囲気だったが、実際は法曹会館の屋上に建てられている設定。
建物内にはスペースがなかったのかもしれない。
急遽間に合わせでられたと語られていた。
これから家庭裁判所を設立するにあたり、様々な意見を聞きつつどんな方向が望ましいのか、ここを中心に話し合いがなされる。
特にユニークなのは全体をまとめる準備室の室長の存在。
するめを焼きながら日本酒でいっぱい。
およそどこかのトップに立つには不向きと思われるような振る舞いだが、日本の家庭裁判所設立の父とされる。
歴史的にもかなりの有名人らしい。
明律大学からの長い付き合いの彼は現在裁判官として仕事を。
寅子には親切。
物語の設定ではいまいちの関係だが、実際はかなりの仲良しだと伺っている。
これらのメンバーが多岐川の部下。
寅子がこれから仕事をしていく上での仲間になる。
室長多岐川の人となり
多岐川はなくなった花岡をいとも簡単に非難していた。
闇市の食料に手をつけずに餓死したことを馬鹿者と一蹴。
眼を剥いて怒る寅子。
かつては恋人同士だった花岡。
彼を馬鹿にされることだけはどうしても許せない。
花岡は、闇市の食料を取り締まる担当が自ら闇市のものを食べていたのでは、法の万人足り得ないと自分を律した。
その結果の餓死。
寅子を始めとするかつての仲間は、花岡をおもんぱかって胸に迫る思いがある。
しかし、多岐川の考えは全く違っていた。
闇市の米を食わないものはいない。
そう言って全く悪びれる様子がない。
挙句の果てに花岡を馬鹿者呼ばわり。
合理的に考えて命を失えば元も子もないと全く取り合わない。
予告編の中で滝に打たれる多岐川の様子が描かれていた。
今日描かれた内容では、彼は超現実主義者。
すべては合理的な仕組みで成り立っている。
様々な意見はあって当然。
わかりあえないものは無視。
喧嘩をしたり、結論の出ない議論をすることこそが無駄の局地。
無駄なことを極端に嫌がる多岐川。
何が1番合理的なのかをこれからも物語の中で見せていくはず。
噛み合わない議論
家庭裁判所設立準備室は
今までの家事審判所と少年審判所を1つにまとめる試み。
それぞれ活躍してきた場所が違うので、簡単にわかり合えるようなことにはならない。
物語の中でも激しく口論し合う様子が描かれていた。
家事審判所はそれほど長い歴史があるわけではないが、離婚や財産分与など家のデリケートな問題を扱う。
対する少年審判所の歴史は古いらしい。
結論から言えば、両方とも自分の仕事にプライドがあるから簡単にわかりましたとは言えないんだろうね。
今週の物語は始まったばかりなので、明日から明後日にかけてさらに物語は広がる傾向が。
寅子がどんな活躍をするのか今から楽しみではある。