昨年の今頃の朝ドラ
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1971年生まれの彼らが40歳になるまでを描いた物語だった。
つまり、2011年までの物語。東北大震災のあった年。
実はこんなシーンもあったって知ってました?
物語的にはキスシーンだけでそれ以上のものを想像させる内容ではなかったので、私的にはプラトニックなものを感じて見ていた。
しかしこの主人公2人の物語にはずいぶんと紆余曲折が。
幼なじみでお互いそれとなく好意を抱いていながらも、決して恋愛関係とか夫婦とかにはなりえなかった。
それでもお互いを思い、助け合うその関係は物語が終わるまで続くことに。
どちらかと言えば、ヒロインの永野芽郁が主力として描かれていたお話。
彼女の人生にフォーカスして、様々なシチュエーションでのストーリーが出来上がっていた。
見ていて、とにかく面白いと感じたのは様々な人間観でやりとりされる普通のセリフというか、会話というか。
脚本家の実力もさることながら、演じていた俳優たちが楽しんでやっていたことが第一の理由だろう。
思いつきとひらめきで突っ走ろうとする鈴愛。
それを違和感を感じながらも応援しようとする律。
この2人は絶妙のコンビでありながら、また絶妙にすれ違っているのである。
このやきもき感を何とも言えず楽しんで見ていた気がする。
またこのときの朝ドラは主題歌も星野源が担当していて、とても目新しく感じたもの。
物語のストーリーはかなりエキセントリックにどんどん進んでいく。
最終回で終わってはみたものの、続きを見たくなる人もたくさんいたのではないか。
終わった直後から、スピンオフのリクエストが多数寄せられたのもわかる気がする。
ユニークなストーリー設定と人物相関図
岐阜県出身の2人の同級生の物語である。
それぞれの家庭についても詳しく説明がなされていて、見る者をして感情移入しやすかった気がする。
今にしてみれば、設定はごく普通の家庭の出身の2人。
それぞれ、恵まれた家庭で、のびのびと自由な気質で愛情いっぱいに育った2人。
普通のドラマでは、少々面白みに欠けると思われるような平凡な出発だった気がするのだ。
しかしそうはいっても、 登場人物のユニークなキャラクターと面白おかしいセリフ回しは見るものを楽しませずにはいられなかったと思う。
時代はごく最近を描いていた
鈴愛の漫画家時代の親友裕子。実はこの2人が秋風羽織の漫画事務所で3人いた中で漫画家になれなかった2人である。
もう1人の 誠君のみ漫画家として成功する。
女子2人はそれぞれ違う道を見つけ、特に裕子は看護師となって東北に勤務していたようだ。
その時にあの大地震が襲うのである。地震の津波に飲み込まれて帰らぬ人となってしまった親友。
朝ドラには似つかわしくない筋立てだったかもしれないが、あの地震では20,000人を超える人たちがなくなっている。
身近な知り合いがなくなってしまうことを想定しても決して違和感は無いのだ。
この裕子の役をやった清野菜名。
まだ若い女優ながら、肝の座った役者。
映画“パーフェクトレボリューション”でリリー・フランキーと共演したちょっと飛んでる女の子の役がとても印象的だった。
将来、実力派の女優になること間違いなしと思った次第。
この朝ドラには他にも注目すべき子役とか、大御所と呼ばれる俳優たちがたくさん出ていたので、その点でも楽しめる内容になっていたと思う。
鈴愛の一人娘。この子がまたなんとも面白い味わいで。
鈴愛がかつてしたように律を呼子で呼ぼうとしていた。
律も鈴愛もお互い持っているそれぞれの家庭ではうまくいかず、どうしてもお互いのことを意識してしまわざるを得ない。
朝ドラでは子役の果たす役割はとても大きいのだ。
はっきりって子役なしでは成立しないドラマばっかりだろう。
脚本北川悦吏子
脚本家北川悦吏子氏は消化器系の難病を抱えていると聞いている。
彼女は病気と闘いながらの執筆活動だったわけだ。
このドラマの執筆中にも2度ほど緊急入院したと記述があった。
彼女はその時の保険のために代役の脚本家をお願いしてあったと聞いている。
“ひよっこ”で有名な岡田惠和。
物語をこしらえるクリエイターとしてはギリギリの体調の中で執筆していたことを知って、少なからず驚いたものである。
北川氏はロンバケを始め、日本の著名なドラマの脚本を相当数手がけている。
とは言うものの、このドラマにはストーリー仕立てがかなり盛りだくさんだったが故に賛否両論があったのも事実。
北川悦吏子氏の Twitterではそのことの弁明がいつもなされていたように思う。
もっとも、他人の意見にぐらぐらするような中途半端な脚本家ではないので、自分自身の思う通りに書き上げた物語だっただろう。
まとめ
著名な俳優たちとの絡みもずいぶん多かったと記憶する。
このような人たちともコラボをもう一回見たいと言ったらそれは無理難題になるだろうか?
ドラマが終わった時に、ストーリーの急激な展開とかがあったのでその続きを見たい意見はずいぶん多かったのだ。
できれば、もう一度、物語としてスピンオフでドラマを作ってもらえるとうれしい。
脚本家自身も書ききれなかった部分、はしょった部分があるに違いないと勝手に想像しているもので。
永野芽郁扮する鈴愛をもういちど見たい気持ちがありありなのだ。