さて、なつぞらは予定通り北海道にマコプロダクションのメンバーが揃ってロケハンに。
一久さん以外は、皆 北海道が初めての様子。
十勝の雄大な景色はメンバーの目にどう映ったのだろうか。
なつぞらでのここからの物語は全くの創作と思われる。
見ている人も期待を抱かずにはいられない。
目次
泰樹さんのたどってきた道
富山県出身 両親はいない
家族もあまり聞いたことがなかったと言う泰樹さんの生い立ち。
小さい頃に両親をなくしたために、親戚の家に養子としてもらわれていったとのこと。
働かなければ厄介者扱いで迷惑をかけると、幼い頃から逆境の中で育つ。
18歳の時に決心をして単身北海道に開拓者として移り住むのだ。
なんといっても、自分自身の居場所を確立するためには新天地で頑張るしかないとの思いだったのだろうか。
他所へ もらわれていってそこで自分の居場所を作る。
この生き様は、まさになつと全く同じと言える。
他人の集まりの中に1人飛び込んでいって自分自身の居場所をこしらえる。
泰樹さんもなつもこの点で全く同じ歩みをしてきた。
十勝川流域へ入植
十勝川の流域は十勝平野と言うくらい、広い土地は間違いなくあるのだが、ここは北海道人でもよく知っているが、ほとんどが泥炭地で、耕作には適さない。
ここを畑なり田んぼに変えるためには、まず土作りをしなければならない。
一般的によく行われるのは客土。
他所から良い土を持ってきて開拓したい土地に投入。
その上で年月をかけて耕していけば、やがては耕作可能な土地に変化していくのだ。
目安としては、5年ないし10年単位で考えなければならない。
普通の家庭菜園でも、土作りのために肥料や石灰を撒くが、撒いた年に効果が現れる事は無い。
普通は、2年後ないしは3年後以降を想定する。
その間、雑草などが生えないようにきちんとメンテナンスをしなければ、土作りの作業もほとんど効果は出ない。
これを広大な土地全体で行うとなると、トラクターも何もない時代だったので馬の力は必ず必要だったろう。
農耕馬の存在は開拓には必要不可欠だったはず。
大正11年十勝川大洪水そして妻の死
原因は伊豆半島から北北東進し根室付近を通過した台風による豪雨。
降雨量は帯広213.7ミリメートル(24日午前10時2時間で68.8ミリメートル)。
被害は千代田下流~大津まで一面冠水、十勝支庁管内死者9名、家屋流出破損240戸、同浸水4,238戸、田畑流出冠水5.243ヘクタール、家畜溺死129頭、橋梁の流出損壊323個所、河岸侵食等36キロメートルにおよんだ。
調べてみると十勝川は、記録に残っているだけでもおよそ30回の洪水が起こっている。
何度も何度も氾濫を繰り返してきたいわく付きの河川。
ここで 命辛々 家族と馬だけが助かったとのこと。
そして現在の音威別に入植したとの事。
さらに入植した後 奥様が亡くなったようだ。
娘の富士子さんが 8歳の時。
それを聞いただけでも半端でない苦労をされたに違いないのだが。
しかし、柴田牧場は、十勝の入植者の中ではまさに成功組。
開拓者は誰もが成功できるほど甘くはなかったのだ。
いったいどのくらいの農家が離農せざるを得なかっただっただろうか。
農業は、見かけほどは甘くは無い。
泰樹さんの言葉を借りれば、
「仲間がみんなで助け合って、そして強くなっていったのだ」と。
今のようにトラクターも何もないので、ひたすら人力と、農耕馬。
“根気よく”とよく言われるが、今から考えればほとんど歯を食いしばって頑張ってきたに違いない。
アニメーションの参考エピソードとして、果たしてどの程度生かされるのか。
物語はおよそ1年間のテレビ番組。
なつぞらのメインのエピソードになると思われるので、それなりのものを準備しているはず。
どのようなアニメーションになるのか、今から大いに楽しみ。
物語のエピソードを蓄積
広大な牧場に出て放牧中の牛のそばで取材活動。
かたやスケッチをするもの、写真を撮るもの。
様々な方法で取材をするのだが、ここで出身者のなつの牛の扱いは慣れたもの。
牛や馬は基本的には臆病な草食動物なので体が大きい割にはおどおどびくびくするのだ。
そうして 興奮し始める牛を独特の方法で なだめる。
また搾乳体験とかもあって、皆 取材なのか観光なのか区別がつかない。
物語の中で語られていたが、この頃からディスカバージャパンの様々なイベントが全国で行われることとなって、牧場で搾りたての牛乳を飲んだり、出来立てのアイスクリームを食べたりなどのサービスが提供されるように。
柴田牧場もどうやらそういった計画を富士子さん 沙良さん 2人が実行中。
時代は、だんだん現代に近づいてきているので、そのようなエピソードも増えてくる傾向にある。
まとめ
開拓者一世の泰樹さん。
北海道に移り住んだ時は単身のはず。
しかし長い年月を経て娘を始め、孫や大勢の仕事仲間に囲まれて 今ではこれだけの大所帯。
この人脈は泰樹さんの宝物と言っていいだろう。
長く人生を生きていれば様々な出会いと別れを繰り返すものだが、結果としてメンバーが増えていく人は有徳な人と言える。
この逆の人だっているではないか。
最初はそれなりの大勢の仲間たちの中ににいる人でも、歳をとるに従ってだんだん仲間が少なくなり、最後は単身になる人だって多いのだ。
苦労して人生を歩んできても、これだけのたくさんの自分自身の仲間と呼べる人たちに囲まれるのはとても素敵なこと。
なつぞらは北海道人から見たときには、泰樹さんの人生の物語と言って良いのかも。
全然 例えにならないかもしれないが、あの映画スター・ウォーズも、物語は自分自身の愛情を貫こうとしたために魔界に落ちてしまったダースベーダーの物語。
物語のストーリーは全く別なところにあるが、根底にあるのはその物語の中で、始まりとなった人。
なつぞらはなつのアニメーターとしての人生を描く話には違いないが、設定された場所が北海道であることを考えれば、私的にはサブストーリーとして泰樹さんを主役に押したい。
さて、明日はどうやら雪月でのエピソードになりそう。