温泉へ行って帰ってきたお父ちゃんとお母ちゃん。
これでリフレッシュしようって話だったけど、病状に変わりがあるはずもなく。
お父ちゃんはいよいよ体が辛いらしく、ほとんど寝たきりの状態になる。
そんな中で川原家の家族たちの思いは、皆それぞれが心に苦しみと悲しみを持ち続けるしかないのだ。
目次
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お父ちゃんとお母ちゃんと2人旅
夏の真っ盛りに温泉まで行きたいと夫婦で温泉に行ったお父ちゃんとお母ちゃん。
これは、お父ちゃんの思い出作りの旅。
若い頃、2人が一緒になり始めた頃、夫婦でこの温泉に泊まったことがあるのだ。
あの頃の夫婦の始まりの思い出を、もう一度確かめたかったのだ。
温泉ではガンが進行しているのにもかかわらず、上機嫌ではしゃぐお父ちゃん。
お母ちゃんのために思い出を1つ残しておいてあげたかったようだ。
温泉で養生すれば体力が回復するのではないかと家族は思っていたが、そんなことあるはずもなく。
スカーレットの物語の中では、お父ちゃんがなくなるほんの数ヶ月前のエピソード。
膵臓癌の亡くなる少し前の様子は、私にも手に取るようによくわかる。
お父ちゃんの様子を見ていると、痛み止めはモルヒネを使わなければ昼も夜も開けない状態だろう。
様々なガンの中で、最後に襲う痛みが想像を絶することで知られるのが膵臓癌。
この病気の場合、体の中心部に発生するガンなのだが、周りにどんどん転移して迅潤するのだが、ここは運の悪いことに神経の束が存在している。
“太陽神経叢”と呼ばれて、言って見れば大脳の出張所のようなもの。
ここで体のさまざまな情報を脳へ送っている。
脳の影響を最も受けやすいとも言われていて、気持ちにストレスがかかっただけで、この神経の束は反応して、下痢や胃痛など様々な症状をもたらす。
この神経の束に直接触れるようにして膵臓癌は大きく広がる。
この痛みを和らげるのは、モルヒネぐらいしかなく、そのモルヒネもやがては効かなくなる。
麻薬を体内に入れるので、その麻薬を体外に排出する必要があるのだが、肝臓その他の臓器が働きが悪くなると排出もままならなくなり、やがては“麻薬中毒の錯乱に似た状態”を起こすことも。
病院にかかっていると、この状態が起こり始めると、医者は普通“睡眠導入剤”を処方するようになる。
これは言葉は悪いが、“安楽死”をさせるようなもの。
この薬を処方すると長くても1週間程度で息絶えるようだ。
早ければ、せいぜい1日2日。
処方する前に、医者は家族を呼んで告知をする。
生々しいことだが、個人的に経験したことなので。
ささくれた心の喜美ちゃん 八郎君にも八つ当たりを
喜美ちゃんはまるで心に余裕がない。
お父ちゃんの病状がもう後戻りできないことを納得した家族たち。
彼女たちの下した決断は、お父ちゃんを最後まで家でお世話すること。
必要な医者の診察は往診を頼むことにして、薬やら注射やらで何とか痛みを抑えようとする。
この温泉旅行が、最後の活動できることだったような。
膵臓癌の末期だと、痛み止めなどの治療を施しても、最後の1ヵ月ぐらいは寝たきりになってしまうのが普通だ。
そして、医者の処方する薬にもよるが、この1ヵ月は病人はほとんど意識朦朧とした状態で過ごすことに。
この病気は、痛み止めだけで過ごそうとすると最後はこうなってしまうしかない。
病人は周りの状況をほとんど理解することができずに、やがては薬で強制的に眠らされるしかなくなる。
スカーレットの中ではさすがにそんなシリアスなことまでは描かれてはいなかった。
ネタバレで恐縮だが、お父ちゃんはあと1日2日ほどでなくなる設定のようだ。
お父ちゃんの病状は刻一刻進んでいく
温泉から戻ってきたお父ちゃん。
武志君にお土産を渡した後、疲れたからとそのまま布団の中に。
お母さんがかいがいしく世話をしていたね。
膵臓癌の特徴として、お腹が痛くなる印象を受けるが、実際は背中が痛くなる。
病人はそのように感じるようだ。
したがって、看病する人は時として背中をそっとさすってあげる。
私は、父親の時にさすってあげた記憶がある。
もう20年近く前のことになるが。
と同時に、病気がある程度進むと食欲は消え去る。
これは、食べようとすると吐き気が湧いてきてとても食べ物を口に入れることができない。
病院にいると、このような場合、吐き気止めの薬を点滴でお願いできる。
目の前に出された食事を、じっと見つめながら吐き気を堪える様子は周りで看病する人にとっても拷問。
がん患者をお世話するという事はそういうこと。
八郎君と喜美ちゃん夫婦に訪れるすき間風
心がすっかりささくれだった喜美ちゃん。
八郎君に対する言葉遣いもずいぶん刺々しいよね。
そのことに決して声を荒立てることなく優しく対応する八郎くん。
喜美ちゃんからの提案で家族でみんなで絵を描いて 大きなお皿を作ろうと言うことに。
家族全員が筆を入れるのだ。
最初は武士君。
その後お母さん、百合子ちゃんと続いて八郎君が描き、最後の仕上げを喜美ちゃんが。
スカーレットのこの辺の物語を見ていると、私自身の両親のことをどうしても思い出してしまうので、明るい気持ちでは見ることができない。
闘病に関係した事柄は朝ドラで描くにはあまりにも生々しい。
しかし、このエピソードから伝わってくるメッセージはとても尊いとも言える。
年末に向けて、見ている人みんなを元気づけるようなそういったものを感じたいね。