さて、いよいよこの時代の核心となる部分が描かれ始めるね。
この物語はとても面白いんだけれど、かなりマニアックな描かれ方をしているので、多少なりとも予備知識がないとなかなか理解しにくい。
登場人物がどんなふうに関わっているのかを歴史的なことも踏まえて知っておいた方がより面白みを感じることができる。
時代は、織田信長の父信秀と斎藤道三が現役で活躍していた時代。
これらの武将と、その後 我々がよく知る歴史との橋渡しの知識を知ってみると、なるほどと思うことしきり。
目次
織田信秀の抱える厳しい状況
織田信秀は 尾張の国の中でも全てを掌握しきれていたわけではなかった。
自分自身の親戚筋からも戦いを挑まれていた。
しかも隣国今川義元は虎視眈々と侵略を狙っており、また斎藤道三は昔からの敵同士。
三方を敵に囲まれて切り抜けるなど簡単にできることでは無い。
また自分自身の健康不安もあるかのように描かれていた。
それは以前の物語で描かれた古傷のせいと思われる。
しかしながら、尾張の国は熱田湊を控えて、この界隈でもかつてないくらい栄えている。
やはり海に面した地域を掌握していることの経済的な発展は、目覚ましいものがあるようだ。
尾張の国の熱田神宮は昔から様々な武将や貴族たちからの信奉を集め、今でも日本中にその流し入れる。
ちなみにここに収められている天皇家の3種の神器の1つ
草薙の剣
これは神話に出てくる有名な剣だが、この熱田神宮に収められた宝物。
ここは歴史的に見ても重要な地点と言えるのだ
織田方と斉藤方の和議


信秀は現状を打破するために斎藤道三との和議を画策。
物語ではその和議を道三が 承諾する内容。
織田家と斉藤家が手を結ぶことで、お互いに利するところがあるとそれぞれが納得。
しかしこの時代の思惑として、口約束だけで簡単に手を結べることにはならない。
要するに、担保とか人質とかそういったものが必要との発想。
そこで出てきた案が
帰蝶と信長の結婚。
ちなみにこの時、帰蝶はかつての夫土岐頼純を父によって殺されていた。
そして稲葉山城に戻っていたのだが、さしたる時間もたたないうちに次の縁談になる。
それぞれ様々な思惑があるが、斎藤道三が織田信秀の提案を受け入れるに至った詳しい説明が語られていた。
何よりも尾張の国には海があった。美濃は海を持たないがために農業で 国を豊かにするしかない。
道三の考えでは、国を豊かにするためにはぜひとも海が必要で港も持たなければならないと。
そして何よりも国が豊かになれば、無益な争いをせずに済む。
自分自身の希望とする理想的な姿により近づくことができると判断。
そのためにはこの和議を受け入れて、人質として帰蝶を差し出すと。
帰蝶の置かれた立場


帰蝶は父道三から言われた 信長との婚姻をかたくなに拒否。
自分自身の置かれた立場を理解すると同時に、自分が人質として差し出される危うさを本能的に感じ取っていたのだ。
実はこのときの実際の帰蝶の年齢は14歳程度。
現在の中学2年生位。
そのような年端もいかぬ少女を政治の道具として利用しなければならない現実はちょっと考えにくいことだが、この時代はそれが普通だったようだ。
この時代から後の徳川家康などは、露骨にこういった婚姻関係で自分の味方を増やしていった。
また織田信長自身も同じことを行っている。
つまり自分の子供をたくさん設けて、敵対する勢力に婚姻関係を迫って懐柔するやり方。
しかしその時に、人質として差し出される帰蝶は大変な覚悟がいったただろう。
帰蝶を演じている川口春奈の女優としての値打ちが今日あたりから本格的に発揮されていると言える。
様々なTwitterを見ても、彼女の演技をほめたたえる投稿はとても多い。
今更ですが、帰蝶役が川口春奈さんでよかった。駒ちゃんと帰蝶様、身分は違えど気の置けない友という空気が自然に出ている #麒麟がくる
— ぬえ (@yosinotennin) 2020年3月1日
今週の帰蝶を見てハッキリ言える事は「川口春奈ちゃんが帰蝶で良かった」。本当に、とても良い帰蝶……。
— しめじ (@shimeji_b) 2020年3月1日
#麒麟がくる pic.twitter.com/nCSjsTJSuM
なるほどと納得してしまう。
私的には不謹慎だが沢尻エリカの同じ演技を見てみたかった。
理由があって、この時期の帰蝶はわずか14 5歳程度の少女なのだ。
30を過ぎた沢尻エリカがどのようにいたいけな乙女心を演じるのかとても興味がわいたから。
しかし父親に無理矢理勧められたところで、はいわかりましたと答えないところがこの物語の設定となっている帰蝶の性格。
しかし光秀から説得されるとどうしても自分自身の果たすべき役割を意識してしまうようだ。
光秀の果たすべき役割
この物語では光秀と帰蝶を幼なじみで気心が知れている、また ウマが合うとの設定。
そのことを踏まえて斎藤道三は光秀に帰蝶の説得を命じるのだ。
気乗りのしない光秀だが、斎藤道三の本心を聞いてみることで、その申し出を受け入れなければと確信する。
帰蝶は織田信長がどんな男なのかをしっかりと見てきてほしいと。
光秀は得意の変装で尾張の国に潜入することになる。
この物語の中でもう一つのポイントとなるのは帰蝶とお駒の間にある不思議な友情。
この後の物語の中で2人の関係がどのように描かれていくのか大いに興味が持てる。
歴史的実在の人物と、物語の中で作られたお駒のキャラクターがどう関わるのか。
ここは脚本家の腕の見せ所だろう。
信長登場
確かに織田信長のこの格好は
初めて見たときに、 浦島太郎か?
そういった不思議なインパクト。
今日の物語の中では一言もセリフを発していないので、まだその性格の描かれ方も全く不明。
しかし彼を中心にこの後歴史が動くことを考えれば、明確な方向を持って描かれるはず。
私は彼をサイコパスだと思っているが、そのような描かれ方をするものと思う。
光秀はその点で考えると、典型的な愛妻家であり、情に厚い常識人だった。
この相反する主従関係がこの後どんなふうに物語を作り上げていくのか。
今日見た限りではまだわからないが、歴史的な事実も加わってくるので物語はだんだんその方向性が定まるものと。