くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

虎に翼 本音と建前

とても面白みを感じる物語の展開。

わずか15分の放送枠ながら、内容もびっくりするほど盛りだくさん。

寅子たちの教室に現れた臨時の民事訴訟の先生は、なんと梅子のご主人

現役の弁護士 大庭徹男

ここでの描き方が実に秀逸。

この夫婦の関係が違和感を感じる内容に設定。

これがいわゆる亭主関白と言うべきものなのか。

寅子の1人称の感想や思い描いた妄想の中での再現ドラマも展開。

「虎に翼」は今までの朝ドラにはない切り口で濃厚な作りになっていると思う。

今日は授業で使われた具体的な判例をもとに物語が語られる。

再現ドラマの中で演じる役者たちはすべて本来の登場人物たちの仮装の姿。

本来のドラマは中で取り上げられた裁判事例を利用しつつ、登場人物たちのそれぞれの人間関係を巧みに描き出す。

さらに、梅子と夫の関係をもとに先々で描かれるエピソードではさらに新しい事実も加えられる。

明律大学で学ぶ学生たちには、どうやらちょっとした劣等感があるような。

法学部の最高峰帝国大学には自分たちは及ばないという。

なるほど、競争意識はいつの時代も変わらない。

何よりも梅子の長男が帝大生の設定になっていた。

それぞれの気持ちは複雑に入り組んでいて一言では説明しにくい。

甘味処でオフショット 仲良くあんみつを😋

目次

大庭夫婦と授業

有意義で興味深い内容の授業

このシーンで描かれたのは梅子の夫大庭徹男の民事訴訟の1例。

どんなものでもそうだけど、具体例を上げると理解力は格段に上がる。

その事例は、“その街1番の美人との噂の高い女性が大型犬に襲われて顔にひどい傷を負ってしまった”と言うもの。

その時の損害賠償がいくらになるのかという授業。

様々な金額が生徒たちから予想として発表されたが、実際獲得した賠償金は当時の通常の訴訟の3倍にも上る金額だった。

講義はそのことについて詳しく解説。

昭和の初め頃でも、このような法律の勉強は熱心にされていたのかなと感慨深い。

裁判事例

母はると優三 再現ドラマの常連🤣

裁判事例を説明するのに、今回の朝ドラはよく再現ドラマが用いられる。

演じているのは、実際の登場人物たちが別な劇に登場する形で演出。

今回、顔に傷を折った女性を父親の直言、犬を母はる 犬の飼い主を弟の直明。

わざと支離滅裂な配役で再現ドラマであることを強調。

なるほどと思うような。

この時代だと一般的な死亡補償は500円が妥当なところと語られていた。

大庭講師は生徒たち一人ひとりに聞いて回っていた。

君ならいくらだと思う?

女性たちは比較的高額予想が多かったが、男性はおしなべて少なめだったように思う。

そして正解がなんと相場の3倍1500円。

大庭は裁判官の画期的な判断を評価しつつも、所々に女性蔑視の気持ちが見え隠れ。

女性にとっては容姿が何よりも大切。

この事は女子生徒たちから即座にダメ出しされる。

それに対して大庭の答えは君たちだから容姿以外の要素を考慮することができる。

一般的には顔を傷つけられるのは女性にとって耐えがたいことだと説明。

ここで注目すべき大庭の発言は、自分の妻を卑下する文言が添えられていた。

そのことに激しく反応する。寅子たち。

大庭はこともあろうに、私の家内なら賠償金は300円がいいとこだと。

聞く人が聞けばとんでもない侮辱。

大庭夫婦にはまだまだ謎の部分が多そう。

寅子たちと梅子の家族

妻をディスる夫 耐える妻

この夫婦の関係はひょっとしたら意外にありがちなものかも。

自分の妻をけなす夫は日本人の場合結構多いかもしれない。

私の周りでも意外と見かけたような気がする。

大庭の前では、梅子もなぜかちょっとうつむき加減で無表情のままたたずんでいる場合がほとんど。

夫に侮辱されてもそこで歯向かうことをしようとしない。

物語では淡々と描かれる内容だが、日本人の大きな特徴と言われれば納得できるかも。

日本人は自慢話をしたがるくせに、他人の自慢話を聞くことが好きではない。

さらには自分の持ち物を卑下することで相手の賛同を得ようとする。

おそらく欧米人には見られない特徴だろうか。

例えば自分の身内について語るときに

愚妻  自分の妻が愚かで価値がない。

愚弟  自分の弟が愚かで価値がない。

考えてみたら、日本語の単語の中にこんな言葉がたくさん存在する。

良い悪いは別として聞かされた方は決して愉快な気持ちにはならないとだけは言える。

大庭夫婦の家庭の事情がチラリと見えたような気がする。

そしてこの夫婦の子供たちも語られていた。

長男は21歳、次男は13歳、三男が8歳と紹介されていたね。

さらには長男は帝大生とのこと。

これは優秀なこと、さらには優越感を味わえることの象徴として描かれる。

もちろんこの辺に至る説明はセリフの中でわずかに語られるか省略されるか。

ドラマをじっくり見ていないと見過ごしてしまうような。

明律大学と帝国大学

明律は帝大に苦手意識があるよね

大学同士の格付けもこの時代から既に熱心に行われていたようだ。

明律の学生たちは、帝大に憧れを抱いていると。

頑張ってもそこには到達できなかったことの悔しさが多分に含まれる。

帝大生は自分たちこそがナンバーワンの誇りを胸に他を威圧する。

物語を見ていれば、どちらも愚かなことには違いないんだけど。

そのことをセリフ以外の様々な仕草で表現しているやり方はわかりやすさと同時に大きな納得感が。

今週のエピソードは今始まったばかり。

寅子の恋バナも若干匂わせたりで話題にこと欠かない。