くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

虎に翼 思いがけない事件

1週間の締めくくりとなるエピソードが、物語の出発した頃とは全く趣を変えていることに驚きを隠し切れない。

今週の初めは寅子が男女共学で法律を学ぶことが中心だったはず。

それが昨日のエピソードから急転直下。

猪爪家の父親が汚職に絡んでいて逮捕されると言う驚愕の事件。

物語の中では共和事件として命名されていた。

とある会社の株が爆上がりすることをあらかじめ知っていた者たちによって、不当な利益をムサボった挙句、政財界にそのお金をばらまいていたと言うもの。

いわゆる贈賄と言うやつだよね。

既に裁判所命令で身柄は拘束されており、家宅捜索の令状も発行されている。

週最終日で新たな問題提起がなされ、翌週への布石とする。

決して目新しい方法ではないが、見ている方としてはなかなか気を持たせてくれて期待が大いに高まると言うもの。

今日描かれた物語では、猪爪家の書生として紹介されていた優三が頼もしく確かな役割を演じていたように映った。

寅子はこの先結婚することになるが、多分夫となるべき人は彼だろうと言う気がする。

猪爪家にやってきた執行官たち。

戦前の人たちなので、驚くほど無礼でぞんざいな態度。

寅子は法律を学んでいる身の上ながら、執行官たちに対する対応で1歩も足が出ないばかりでなく、学んだことの1つも出てこない有様。

彼女の法律家としてのは、追い詰められた状態ではまだまだ役に立ちそうもない。

何よりも物語のモデルでもこの事件は帝人事件として歴史に残る。

虎に翼キメの表情 スンっ🙁

目次

猪爪家に訪れた家宅捜査

執行官の態度は無礼千万

戦前の汚職事件に関わる操作がどんなものかなんとなく雰囲気が伝わる。

この頃から公安警察と呼ばれる警察の内部組織は冷酷で無慈悲な態度をとっていたのかもしれない。

現代では警察の操作方法なども、それぞれの人権や人格を尊重した穏やかなものになっていると聞いている。

物語の中で描かれた家宅捜査は執行感たちが土足で上がろうとしたところから始まった。

通常暮らしてる家で土足で踏み入る事は日本人なら最大の侮辱かもしれない。

日本人は土足で家の中を歩いたりは絶対にしない。

ここは駆けつけた優三が丁寧なお断りで何とか事なきを得た。

もし止めなければそのまま踏み込んであたり構わず引っ掻き回してやりたい放題だったんだろう。

頼りになるのは優三

法律を学んでいる僕たちだからできることがある

優三の案内で家の中を荒らされるのは最低限で済んだ可能性が。

彼が望まれるままに、あちこち丁寧に案内して回っていた。

それでも何がしかの書類は没収されていたようなので、証拠とおぼしきものを集めたつもりになったんだろうか。

寅子が執行官の恐ろしげな態度に震え上がって言葉も話せないような時に頼りになったのは優三。

彼が求められるままにあちこち案内をして説明なども全て行っていたようだ。

はるは引き取ってもらうことを懇願

裁判所発行の令状の持つ権限には誰も逆らうことができない。

素直に従うしかない。

それは昔も今も変わらぬこの世界の掟のようなもの。

逮捕するときにも必要になる。

ただし現行犯逮捕の時だけは令状なしでも許される。

追い詰められた状況でもうろたえることなく最もふさわしい言葉を話し、行動をとることができる。

一見何気ないように見えるが、実はうろたえて散らかってしまって支離滅裂な行動を取ったり話したりすることが多い。

大変な時に冷静でいられるなんて素晴らしい才能だと私は思ったね。

寅子は身に染みて納得できたはず。

彼女も法律を学んでいるわけで、このような流れは決して無縁のものではないはず。

当事者になったのでうろたえてはいるが、これから様々な似たようなことに遭遇する可能性が。

母はると花江 子供たち

気が動転してしまっても正しく記録しておけば……

母はるのきちんと記録に残す態度もとても立派だと思う。

どうしてもその時の感情で印象に残ったことだけがデフォルメされて記憶として蓄積される。

それは事実を歪め、物事の本質を見誤る可能性が。

物語は降って湧いた汚職事件のせいで、の全容が詳しく語られないまま周りの状況だけが表現されていく。

特に幼い子供たちは、なるべくなら機会を改めて説明した方が良いような話。

この家の大黒柱が逮捕されていて、何か犯罪をやった場合にしかそんな事は起こらないわけで。

優三からコトの次第の説明を

この時点でも実際にわかっているのは、贈賄容疑で逮捕されていると言う。

細かい事はまるでわかっていない。

共和事件の全容

兄夫婦を呼びに行く寅子

物語の中では、昭和事件となっているが、実際は昭和9年から10年にかけて起こった帝人事件を指しているものと思われる。

この時大勢の逮捕者が出て内閣総辞職にまで至ったことで知られる。

ただし、逮捕された者たちは、すべて無罪方面となった事でも伝わっている。

寅子たちの父直言は来週にならなければわからないが、無罪になる可能性が高いと思いたい。

の時代、様々な取引について取り決めが作られつつあった。

明らかに値上がりするとわかる。株式をあらかじめ購入して値上がった後で売りさばく。

いわゆるインサイダー取引と言うやつで犯罪行為に相当

事情もわからないものが、株式や為替などに手を出すのは博打と何ら変わらない。

わからないものに手を出してはいけない。

さて今週の終わりということで、来週の予告編も公開されている。

確かハイキングの物語が始まりだったけど、蓋を開けてみれば汚職事件に絡むという信じられない展開は、そのまま来週詳しい行き先が語られることに。