物語は楽しそうなハイキングの様子が描かれると思いきや、実際はそんなにたやすく男女がわかり合えるはずもなく。
はじまりは仲良く山登りを始めるところから出発したメンバーたちだったが、食事が進むにつれて、雲行きが怪しくなる。
梅子が連れて行った彼女の三男光三郎は男子生徒たちにも大人気。
男子生徒たちは、父親大庭弁護士を褒めるあまり、明らかに不適切と思われる発言を。
それは大庭講師が妾を囲っている事実。
男の側の理論なら、浮気は男の甲斐性と言うべきところか。
もちろん男の1人よがりの理論で女性ばかりか世の中全体のコンセンサスが得られる事は無い。
不貞を働くのは、男も女も同じ罪に問われると言っていいだろう。
男たちの発言で、完全に機嫌を損ねた寅子は最初好意を抱いていた花岡と口論。
激昂した2人は揉み合った挙げ句花岡が足を滑らせたことで崖から転落。
そのまま病院に担ぎ込まれて入院。
病院で寅子たちと女子メンバーたちが梅子の家庭について話し合い。
それは大庭家の決して公開かされてはいけないプライベートな部分。
大庭徹男は長男が妻のお腹に宿った頃から浮気をするように。
そして生まれてきた長男は夫の母親が家柄にふさわしい弁護士に育つよう私が育てると。
この頃から夫は妻をないがしろにするような現在のような態度を取るように。
その様子を見て育った長男も夫と全く同じように成長。
梅子はそのことが悲しく辛いと語った。
そして自分自身が法律を学ぶ理由が、せめて次男と三男だけは自分に親権を取得して離婚したい。
梅子の望みは、この時の法律に明らかに逆らうもの。
民法877条に子供の親権は父親が所有すると規定されている。
それでも梅子は夫や長男のような傲慢な男は決して許されないと確信。
次男と三男だけは、どうしても自分の手で育てて救い出したいと決意しているようだ。
梅子の切ない思いは、女性メンバーたちの後押しを得てより信頼関係が増していく。
目次
楽しいはずのハイキング
楽しいはずのハイキングだが、男女ともにそれぞれのことに気を使いすぎるせいか、どことなくなごやかな雰囲気もそれぞれが取り繕っている感じ。
男子はやはり女性を蔑視しているような匂いがプンプン。
女子は男子の本音を探りつつ、表面上は合わせているだけのような。
物語を見ていても何かが起こりそうな気配。
花岡の丁寧な対応には実はそれなりの裏がありそうな。
昨日のエピソードで女を甘やかすと付け上がる的な発言があったと思う。
親切にしてくれることを受け入れつつも信用できかねる寅子。
この男の胸の内は一体どうなっているんだろうか?
寅子は相手を押しかりながらハイキングに参加。
大庭梅子と三男光三郎
光三郎は母親のことが大好き。
ハイキングの途中、事件が起こる。
花岡の発言についに怒りを爆発させた寅子とのやりとりで花岡は足を滑らせて崖から転落。
怪我をして病院に担ぎ込まれることに。
その原因が男たちが光三郎に自慢げに語って聞かせた大庭徹男の妾を囲っている事実。
男の理論で語られた理屈に激怒した寅子は子どもの前で明らかに不適切だと男たちを罵倒。
その時の花岡の発言にさらに怒りの度合いを高める。
男は家庭をしっかり守っていれば、多少の息抜きがあってしかるべきとしゃあしゃあと語る。
さらには女子生徒たちを最大限尊敬し敬っている。
これ以上の何を提供すればいいのかと逆ギレ。
お互いの立ち位置がまるで違うので、決して噛み合うことのない男女。
梅子は夫の不貞を知りつつも唇を噛んで耐えるしかなかった厳しい現実😰
男子メンバーたちの本音と建前
男たちの考え方は、やはり女子は家庭に入って、子育てなど家庭を守ることが1番だと考えているようだ。
家庭を守るためのことは女子の仕事だと端から決めてかかっている。
共同作業だとは全く受け止めていない。
寅子たち女性のメンバーはそんな中で頑張って勉強している人たちなので、最大限立ててやっているわけだから少しは感謝しろと言いたげ。
結論から言えば、傲慢不遜な男の勝手な理論。
物語は、男女の性差が明らかな決して噛み合わない不毛な議論。
ハイキングは散々な結果に。
大庭家の内情
大庭家は長男が生まれたあたりから夫の浮気が始まった。
夫は家庭を支えていることを盾に好き勝手なことをするように。
梅子は子育てに頑張ることが自分の務めだと必死に自分に言い聞かせてきたようだ。
そして次男が生まれ、三男が生まれた。
祖母が育てた長男はやがて夫同様母親すらも蔑視するような冷酷な人間に。
梅子は夫の不貞に耐えながらもどうすれば次男と三男を救い出すための離婚が可能なのか考えた結果、法律を学ぼうと決意したようだ。
明律大学に入学したことで少ないながらも、同性の仲間と巡り会うことに。
寅子たちとの出会いでより自分の向学心が強くなったことを確信。
仲間たちの励ましを得て、目標に向かって邁進することを誓う。
それにしても民法877条の規定は重い。
弁護士となるべき彼女らの使命は自らの立ち位置をしっかりと確立すること。