コロナ騒動のせいでほとんど日がな一日テレビの前にいるのだが、たまたま録画してあった番組の中に松井秀喜の特集が。
基本、野球はそんなに真剣に見る方では無いのだが、誰かとといる時でチャンネルを選べない時などは、野球の放送を見ることも。
しかし、球場に行った事は無い。
この程度の知識しかない私でもよく知っている松井秀喜。
私でも知っている松井秀喜に一体どんな歴史があったと言うのか。
目次
松井秀喜の歴史
プロ野球を習慣的に見ることのない私にとっても松井秀喜はかなりメジャーな存在。
巨人軍時代の活躍もさることながらヤンキースに移籍してからの方が有名かもしれない。
やはりバッターとしての松井秀喜は他を圧倒するほどの実力と能力で、野球界を席巻していたのだ。
たまたまテレビで見た番組は、インタビューを中心に語られていた。
松井秀喜はたまたま見に行ったニューヨークヤンキースの試合で観客の反応に驚いたのだと言う。
それは、味方の選手に対しても気に入らないプレイをすればブーイングが出るらしいのだ。
普通、チームのファンは勝ちさえすればそれで納得みたいなところがあるが、ことヤンキースに関してはそれはない。
ヤンキースファンは1つの球団を応援しているのではなく野球そのものを愛でている。
松井はそこにカルチャーショックを受けたと聞く。
ヤンキースタジアムはおよそ50,000人の収容人数が。
その観客の大半はヤンキースファンだが、その反応は野球選手にとっても決して無視することのできない批評だと言っていた。
自分が身を置くべき野球はここなんだとその時心に決めたと言うのだ。
スラッガーとしての歴史
松井秀喜のバッターとしての歴史は、驚くほどの幸運に恵まれている。
最初に出場した試合で満塁ホームランを打っている。
普通なら舞い上がって何をどうやったかすらも覚えていない状況になるところが、彼の場合バッターとして1度打席に入ったならば、バッティングだけに集中できると。
高校野球球児の時代からバッティングセンスは驚くべきものがあったが、私が感じたところでは類まれなる技量と、氷のように冷静なマインド。
この2枚看板が松井秀喜の持ち味。
バッターだから、打率とか打点などで評価されるのだが、普通3割で合格とされる。
つまり10回挑戦したならば成功するのはわずか3回。
残りの7回は失敗する世界なのだ。
しかしそのわずかな確率にしのぎを削って、さらにそのシビアな世界を愛でるファンたちがいる。
大リーガー松井秀喜


大好きな野球をするのだからどんな場合でも楽しいのだろうと知ろうとは思うが、と同時に環境が全く変わってしまうのだ。
私が1番気になるのは言葉の壁。
日本からアメリカに渡った選手たちはどの程度英語が話せるのだろうか。
会話が、通訳を介さずにどの程度通じるのか。
野球は体を使った勝負だが、メンタルな部分、そのマインドの部分ではかなりデリケートな部分を含むだろう。
そういった中で自分自身をアピールする。
感心するのは松井秀喜を始めあちらで活躍する選手たちは皆、鋼の精神力を持っていると思うのだ。
松井はその持ち味である打席に入ったときの冷静さが大リーグでも全く損われることなく発揮されていた。
特に大怪我をしてからの復帰後のワールドシリーズでは、先制のツーランホームランを放つなど、まさに神がかりとも呼べる活躍。
確かあの時の試合ではMVPにも選ばれていたよね。
監督が語る神がかり松井秀喜


この監督ジョー・ジラルディ。
彼は監督に就任した後から松井秀喜をフル出場では使わなくなったことで知られている。
実はそのことで松井秀喜を冷遇した監督として日本では評判になった。
今回のテレビの番組で1番興味深かったのはこの監督に直接その時のことをインタビューしたこと。
監督曰く、全シーズンを通じて松井秀喜を使うことには大きな疑問があった。
松井秀喜は怪我から復帰したこともあって、試合に出る前には莫大な時間をかけて準備をしていた。
そしてバッターだけではなく守備もさせるとなると、とても年間通して戦うには厳しいと感じざるを得なかったのだ。
特に膝に抱えていた故障は、松井秀喜自身は決してトラブルがあるとは明かさないけれど、松井が階段を降りるときの足の運びを見て、これは使うわけにはいかないと確信したらしい。
そして可能な限り体への負担を減らして、シーズンの後半になってから重要な場面で力がみなぎっている状態で松井を起用したい。
実はその狙いはズバリ当たったのだ。
前半戦はベンチを温めることが多かった松井は自分自身の体を充分メンテナンスすることができた。
そして臨んだワールドシリーズのあの例の1戦。
彼からツーランホームランを放ったことでワールドシリーズ優勝の口火を切ったのだ。
実はこのときの打席の一球一球について松井自身が解説していた。
最初の2球を投げられた時点でツーストライクをとられた。
正直追い込まれたと思ったようだ。
マルティネスは前の打席で松井に決め球のカーブを打たれていたのでこの時はほとんど直球のみで勝負してきていたと聞く。
そして松井自身も直球のみを狙っていた。
そんな中でマルティネスが投げてきたのはカットボール。
マルティネスほどのピッチャーならば決め球は数種類持っている。
ストレート、カーブ、カットボール。
この3種類を織り混ぜることによって確実にバッターを仕留めてきた。
実は打席に立ってマルティネスのボールをファールにしながら松井は考えていたようだ。
どうやら自分はマルティネスの決め球すべてにきちんと反応して対応できている。
どのボールが来ても打ち返すことができる。
そして8球目にやってきたストレート。
このボールがツーランホームランとなる。
このバッターとピッチャーの一球一球の駆け引きは驚くほど興味深い。
特に本人の口から聞ける内容は普段は絶対に耳にする事は無いので。
松井秀喜の最後の出場試合がこのワールドシリーズを決めた試合だったのだ。
現在45歳の松井秀喜。
番組を見ていて感じたのはどうやら日本に戻ってくる事はなさそう。
今でもヤンキースと縁が切れていないわけだし、まだまだいろいろな意味で大リーグからオファーがかかっているようだ。
日本のファンたちの中には巨人軍の次期監督と思っている人も多いはず。
しかし野球全体のことを考えると、日本国内だけにとどまる選手ではなさそう。
改めてスポーツ選手としての優れている部分をまざまざと見せつけられた番組だったと思う。