いよいよ行き詰まった祐一君。
そんな中置き手紙を残して故郷豊橋へ帰ってしまった音ちゃん。
その手紙を見て激しくうろたえる祐一君。
そしていてもたってもいられずに、幼なじみ佐藤君を呼び寄せる。
音ちゃんは家出したわけではなかったので。
どうすれば祐一君の力になってあげられるかそのヒントが欲しくて里帰りしたのだ。
久しぶりの関内家。
懐かしい家族と吟ちゃんの婚約者鏑木さんもいて。
紺碧の空はあともう一息のところまで。
目次
里帰りしてわかった音ちゃん
関内家もずいぶん賑やかになった。
悩みを抱いて里帰りをした音ちゃん。
とうとう姉の吟ちゃんも鏑木さんと婚約。
おめでたいことが続く。
そこで悩みを打ち明けて鏑木さんに尋ねたところ。
軍人は自分のためではなく誰かを思い浮かべて命をかけて戦う。
音楽家といえども基本的には同じでは。
その言葉でヒントを得た音ちゃん。
工場へ行っても何となく懐かしい気がしてずいぶん離れていたんだなぁと感慨深げ。
お母さんによればそれは心がここから離れていったからなんだよと。
確かに東京へ出て音楽学校へ通って祐一君の主婦業もこなしている。
思い出に浸る時間なんか確かにないわ。
聞けば、関内家ではあの梅ちゃんも上京したいとのこと。
そして吟ちゃんは結婚してお嫁に行くことに。
お母さん1人になってしまう関内家。
それぞれ旅立っていけば家族が離れ離れになるのは致し方ないこと。
祐一君と久志君
祐一君の事情を察した久志君。
盛んに音ちゃんの心配をする祐一君をたしなめる。
音ちゃんが原因ではないだろう?
作曲できないことが原因だろう!
でも僕は書けないんだよ!
音ちゃんを取り戻せるとしてもか?
つまり紺碧の空を作曲することができれば音ちゃんは必然的に戻ってくるのだと。
これはもう、納得の理屈でしょ!
そして祐一君が作曲するまでここに居座り続けると。
いろんなやりとりがあった中で自分を証明するために書き上げた反逆の歌
僕はそれほど悪いとは思わないが。
小山田先生の評価は最悪だったんだな。
作曲家は自分自身のポリシーで作曲をするけれど、何を目標に作るかが最も問われるところ。
自分流に頑張ってはみても、それが人に受け入れられるかどうかは別問題。
ここに立ちはだかる大きな壁が祐一君の行く手をさえぎっていた。
縁側でもひとしきり音楽談義に花が咲く。
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自分のためではない誰かのために命をかける
悩みの深い祐一君だが、久志君の指摘はズバリ的を得ている。
とにかく曲を完成させなければ音ちゃんは戻らない。
専門家たちの中では確かに才能とか実力は評価されるが、受け入れられることとは全く別なこと。
そこには訴えるためのもっと別な要素が必要なのだと。
それは祐一君に備わった才能や知識等はどちらかと言えば関係ないのかも。
誰かを励ますための曲を作るんだからそのことをもっと意識しなきゃね。
早稲田田中応援団長を説得する音ちゃん
豊橋から帰った後早速早稲田の団長を訪ねる音ちゃん。
祐一さんを説得できるのはあなたしかいない。
上手い下手ではなく自分の言葉で自分の体験を彼に聞かせてあげて!
その言葉に重い腰を上げて祐一君の元へ赴く田中団長。
田中団長にはかつて同じ野球で活躍した仲間がいた。
その仲間はとあることがきっかけで野球のできない体に。
彼のために何ができるかを考えて聞いたところが、特に何もないけれどもしできるなら
早稲田を勝たせて欲しい。
田中団長は野球に関してはさしたる才能もなく、自分にできることといえば応援しかないと心に決めて応援団に入ったとのこと。
親友のために、みんなを励ますためになんとしても早稲田を勝たせたい。
そのことを涙ながらに祐一君に訴える。
その様子に心を動かされる祐一君。
そしてついに一旦はお断りをしていたあの紺碧の空の作曲をもう一度引き受ける。
しかしそれはもう明日に期日が迫った早慶戦には到底間に合わないと思われるのだが。
心が決まってからの祐一君の行動はとても早い。
あの反逆の歌も三日三晩かけて書き上げたもの。
本気になれば紺碧の空はすぐに出来上がることが予想される。
ただし、本気になれればの話。
明日以降の話になるのだが、そういえば祐一君と団長の話を玄関でひっそりとうずくまって聞いていた音ちゃん。
内助の功がしっかりと発揮された心温まる場面。
いよいよ明日は今週最後の放送になる。
ここで1週間かかった紺碧の空騒動に決着がつくはず。
しかしこれは応援歌1曲を作る話ではない。
作曲家古山祐一が作曲家として世に出られるかどうかの瀬戸際の重大な局面。
大いに期待しながら成り行きを見守りたいもの。