お母さんまささんのナレーションの下、ついに出来上がった紺碧の空。
長く苦しみ抜いた末の傑作。
エールの中ではこの作品が生まれることがとても重大な意味を持っているのでここまで丁寧に描かれたストーリーなんだなと改めて納得する。
今まで自分自身の能力を披露することのみに誇示していた祐一君。
彼が次の段階に進むためにはどうしても越えなければならないテーマだった。
誰かのために
エールを送るために
作曲家古山祐一が生まれ変わった瞬間。
目次
完成 紺碧の空
目的さえはっきりすれば作曲の能力はほぼ天才の領域なので、軽々と曲作りを終えてしまう。
しかし、完成したのは当日の朝。
一体いつ練習できるんだろうと余計な心配をしてしまう。
今でも我々が耳にお馴染みのあのメロディーで紺碧の空は完成。
ちなみに当時の早慶戦は、3試合戦ってそれぞれの試合の勝ち負けでトータルの勝ち負けが決まるらしい。
早稲田は2勝1敗で見事に勝利。
このときの日本はまだテレビの放送があるわけではなく、ラジオで様子が放送される位。
試合会場に出向いて応援する人は多かったと聞いている。
今の6大学野球の始まりの頃。
試合ももちろんだが、応援合戦がどれほどすごかったのかはエールで描かれた通り。
慶応の若き血を凌駕するだけの応援歌が早稲田には必要とされた。
そんな早稲田の切ない願いに応える形で紺碧の空は出来上がったと言える。
作曲家古山祐一はまだ、全く知名度のない22歳の若者。
しかしここから祐一君は本当の意味で歌謡曲の作曲家へ変貌を遂げる。
みんなを励ます応援歌


団長の思いに答える形で作られた紺碧の空。
改めて聞き直してみても普通に応援歌だよなと。
何か奇抜なひねりがあるわけではなく、耳に心地よく元気をもらえる曲。
このように何気なく耳に入ってくるものこそ本当に名曲なのだと、実感する。
最近の応援部の様子はこんな感じ。
やっぱり伝統ある応援団。
気合の入り方が違う気がするが、曲が今でも全く色あせることなく機能していることが
心意気として語り継がれているんだなぁと感心することしきり。
この曲を作曲した古関裕而さんはまだ駆け出しの作曲家の頃で、応援歌は苦手だったらしいのだが、今でも通用する名曲としてこれからも歌い継がれるのでは。
それにしてもエールではあまりに苦労し過ぎた感はあるけれど、無事作曲できてよかった。
木枯君の思いやり


コロンビアレコードの中では既に作曲家としての確固たる地位を築いていた木枯君。
未だ1曲も作曲できていない祐一君を本当に心配していた模様。
ひょっとしたら、作曲家をやめてしまうのではぐらいに思っていたようだ。
しかし、紺碧の空を完成させた後の祐一君は次のステップへ進むことができている。
自分以外の誰かのために作曲する新たなポリシーをひっさげて、活躍できる場を求めていた。
そして何よりも、もう一度きちんと作曲に向き合って何とかレコーディングにこぎつけたい。
彼が求めているのは、作曲するためのきっかけ。
誰かのために作曲して応援したい。
今までにはなかった発想だよね。
それにしてもここまで来るまでにずいぶんと時間がかかった。
そのことを白状する祐一君に
君が天才だからこそ時間がかかった
と励ます木枯君。
この2人はこの後もさらに深い絆で結ばれることに。
ついに福島三羽ガラスが始動
紺碧の空の作曲を終えた後、祐一君が真っ先に思い出したのは鉄男君のこと。
まささんのナレーションも
魚治さんとごの鉄男君😳
なるほどお母さんにとっては魚治さんの方が馴染みが深い。
いよいよこの3人が活躍する時も近づいてきている。
やっと音楽に関わる物語らしくエピソードが進んでいく。