1週間振り返りになるが昭和16年にいよいよ太平洋戦争が始まる。
物語は、その頃の日本の様子を中心に古山家や関内家のやりとりを描くように。
祐一君はラジオ放送の音楽も担当するようになって忙しさの極み。
音ちゃんは案内されるまま音楽挺身隊で活動することに。
豊橋の関内家では五郎君が岩城さんの試験になかなか合格できずに悩みを深めていた。
そんな中、姉の吟ちゃんのご主人は中国戦線に出征することが決まった。
目次
再会 五郎君や梅ちゃん
戦争が始まっていく中で今週の最初に描かれたエピソードは、
関内家で馬具職人として修行している 五郎君と彼を見守る梅ちゃんの物語。
いざ職人としての試験に向かうと緊張して実力の発揮できない五郎君に祐一君が送ったアドバイスは音楽好きなら誰もが選べそうな方法。
五郎君をなんとしても1人前にしてあげたい梅ちゃんは五郎君を追いかけて東京までやってくる。
結婚前だと言うのに夫婦もめ。
しかしこの問題は早々に決着がついてみんな丸く収まる。
関内3姉妹
久しぶりに3姉妹が揃ったのでみんな仲良く食事。
そこでもお姉ちゃんぶりを発揮するのは吟ちゃん。
軍人さんの妻で、おのずとしっかりする立場にいるようだ。
化粧気のない姿で、妹たち2人を叱咤激励する。
今週のエールを見ている中で私が1番心に響いたのはこのシーン。
夫を送り出さなければならない気持ちとは裏腹に、何とか無事で帰ってきてほしいと願う妻の気持ち。
この相反する2つの気持ちが吟ちゃんの中からしっかりと感じ取ることができた。
妻をいとおしいと思う反面、妻やお国を守るためには命を投げ出す覚悟の夫。
現代人の私たちなら、生きていればこそと単純に考えてしまうが、そうはいかなかったのがこの時代。
これらの苦しい気持ちがわずかなドラマの時間の中でしっかりと描き切れたのは立派だと言える。
音楽挺身隊の内
もともと歌うことが好きだからその延長で始めた挺身隊の活動。
しかし、音ちゃんの思いとは別に音楽挺身隊は軍国主義で塗り固められていた。
自分の希望するものとは明らかに異なる活動に違和感を隠すことができない。
わずかばかりの口答えも却下されるばかりでなく、挺身隊そのものをクビにされてしまう。
音ちゃんは非国民のレッテルを貼られてしまった。
音楽も軍需産業との発想はさすがにすごい世界だと感心してしまうが、この時代は何もかもが戦争1色で塗り固められていた。
全てが戦争へ向かうご時世
久しぶりに会った3人の音楽仲間たち。
祐一君は軍歌を始め、様々な戦争にまつわる作曲依頼を全て引き受けて全力で作曲活動を行っていた。
しかし、かつての同僚木枯君はおよそ軍歌を作曲するような人ではなく、意にそぐわない作曲などしないほうがマシとして、活動から一歩退いていた。
鉄男君も軍国主義一点張りではとても作詞に対して熱意がわかないとして新聞記者に逆戻りするような。
彼らの戦争中の活躍はどうやら明暗を分けていたようだ。
ひたすら真面目に作曲の依頼を受け続ける祐一君。
その彼を陰ながら心配した眼差しで見守るかつての仲間たち。
そうやって戦争一色に突き進む中、祐一君にも召集令状が。
強制的に呼びつけられてしまうのだから断りようもなく。
断れば反逆罪になってしまうから。
さて来週の予告編を見ると、いよいよ戦争が厳しい中、祐一君の召集令状が果たしてどんなふうに効力を発揮していくのか。
少なくとも国内で作曲活動を通して全力でがんばっている祐一君が1軍人としてそのまま戦地へ送られてしまうのか。
それとも何か別の道筋があるのか。
エールは物語としていよいよ佳境を迎えるのでは。