物語は幕末の動乱期を描いている。
話の内容は二本立て。
1つは主人公渋沢栄一が暮らす血洗島の様子。
もう一つは日本の中枢徳川幕府の内情。
そして、今日描かれたのは他でもない徳川幕府がどのようにして幕末期を迎えているか、その様子が詳しく語らることに。
幕末から明治維新にかけての日本の歴史はまさに大転換期。
個人の人生に注目してみても、あまりに大きな歴史のうねりを表現するためには莫大な労力を必要とする。
目次
徳川家は婚姻ラッシュ
徳川幕府内では13代将軍の正室として島津斉彬の養女篤君が輿入れしている。
演じているのが上白石萌音。
青天を衝けの徳川幕府内の様々なキャラクターの中で思いのほかキャラが際立っている気がする。
既に篤君は大河ドラマでも取り上げられた有名な役柄なので、誰もがある程度は印象を持って鑑賞するだろう。
どうやら萌音ちゃんの演じるキャラクターは天真爛漫で奔放な性格の娘さん。
後の徳川幕府の屋台骨を支える女傑になるのだが、この時代はまだ明るく受け答えをするちょっとこましゃくれた印象の女性。
物語の中では養父島津斉彬から、嫁ぐ夫とは子供ができないことを暗に宣告されて、養子として一橋慶喜を将軍にすえるように仰せつかっていた。
跡継ぎさえ産めば何の問題もないところだが、周りの者たちはハナから無理だと考えていたようだ。
正直なところ無礼で失礼な話でもある。
これから輿入れをして奥方になろうとする女性に、最初から子供ができないことをずけずけ言うのはまるでデリカシーがない。
それを、あっけらかんと受け流す篤君。
さて一橋家では公家の家柄から美賀君が嫁いでくることに。
実はこの彼女が慶喜の思うような女性ではなかった。
驚くほど嫉妬深い様子が描かれていたね。
徳信院と慶喜が浮気していると錯覚。
嫉妬のあまり庭先で大立ち回りを演じてしまう。
お公家さんの出だからね、男女の心の機微などそれほど深く勉強したこともなかろうに。
栄一初恋?
渋沢栄一のこの当時の日常といえば野良仕事と藍染に関わる様々な取引。
もともと商才のある英一にとってはどれもが皆やりがいのあることだったろう。
これらの仕事のほかに彼の日常の中でとても大切だったのが尾高家での剣道の修行。
今日の物語の中では道場破りと称する若者がやってきて大立回りを演じることに。
尾高家では、近郊でも有名な犬の腕の立つ者がいたと評判。
特に、師範代の尾高惇忠と弟長七郎が勤めて有名。
さて道場破りの正体は真田範之助
ちなみに彼板橋君は朝ドラで結構有名人。
私が知っている所ではなつぞらに出ていたよね
実はこの彼は、尾高道場のメンバーと意気投合するようだ。
そんな中持ち上がったのが栄一のいとこ喜作が千代にプロポーズ。
これで栄一の気持ちはかつてないほど乱れてしまう。
既に千代は栄一への思いをうっかり口を滑らせて告白してしまっていた。
まんざらでもない栄一。
しかし千代の気持ちに応えるには彼はまだ明らかに準備不足。
多分恋心を抱くのも今回が初めてなので、自分の気持ちがコントロールできない。
どのみちこの2人は将来結婚するので、合間にどんなエピソードが入ってきても見ているものとすればほのぼの鑑賞できる。
一橋家内情
公家のお嬢様だった美賀君はかなり激しい気性の持ち主だ。
慶喜の手に負えないような印象。
彼女のことを少し調べてみると、後に慶喜の良き理解者となって影でしっかり支えていたと聞いている。
この頃の徳川家は婚姻による家同士の結びつきをとりわけ重視していた。
各大名とももちろんそうだが、とりわけ公家からお姫様を迎え入れることが多々あったように聞いている。
しかし、今にして思えば皆純粋培養で育ったお殿様とお姫様。
周りにしっかりと支える人がいなければとてもじゃないが2人で夫婦になどなれるはずもなく。
時代の移り変わりの中で、様々な政略結婚がどんな結果をもたらすことになったのか。
それはいいとか悪いとかではないだろう。
男女の間の事なので、いざ一緒になってみれば意外とうまくいく場合が多かったのではないかと勝手に推察。
時代のうねりの中で


徳川家は幕府存亡のためにあちこちから輿入れをしたり、また養子を迎えたりさまざまに画策していたようだ。
12代将軍から15代の最後に至るまでは10年間の間にくるくると将軍職が変わる。
一橋慶喜が将軍で居られたのはわずか1年弱。
時代の大きなうねりを主導した重要人物であることには違いない。
彼は徳川斉昭の息子から一橋家に養子に入る。
徳川家は一般に知られた御三家と呼ばれる親戚筋の大名が存在するが、この御三家だけでは跡継ぎをきちんと輩出できないことを想定して御三卿が設置されていた。
ちなみにこれは8代将軍吉宗が行った。
御三卿の1つが一橋家になる。
私レベルの歴史オタクが知っているのはこの程度なので、物語ではその家臣たちに至るまでが詳しく語られることを大いに期待している。
まさに興味津々と言える。