いよいよ少なくなった残りの放送回数。
鶴亀の熊田さんからの依頼で新喜劇の舞台に再び立つことをお願いされた。
正直な気持ちでは、かなり悩むところ。
千代ちゃんにとって道頓堀はトラウマみたいなもの。
どうしても乗り越えられない辛く厳しい思い出が立ちはだかっていたから。
ラジオドラマの仕事も思いがけず集中力を欠いてしまう有様。
しかし、そんな様子は娘の春ちゃんにはお見通しで、仕事が終わった後帰ってみるとくず湯を作ってくれる。
なかなか思い通りにはできなかったけれど、このユーモアあふれることがあって、ついに千代ちゃんは道頓堀に再び戻る事を決意させるのだ。
目次
道頓堀は故郷
千代ちゃんにとって、道頓堀の岡安が第二の故郷だと言える。
今、岡安はなくなったので岡福が故郷になると言っていいだろう。
実は、ここでの奉公の年季明けで女優を目指すことになった。
がんばって京都の撮影所に大部屋女優として出発したのが始まりだろう。
その頃から、少しずつ舞台に声がかかるようになってきたのだ。
最終的には鶴亀新喜劇の女優として広く知れ渡る存在となった。
彼女が舞台に向いていると最初に判断したのは先代鶴亀社長の大山さん。
竹井千代の良さは実際に姿かたちや演技を見てもらうのが1番伝わると判断された。
そこからが彼女の本格的な舞台女優としての活動。
たまたま手がけたジャンルが喜劇だったので喜劇俳優と言うことで。
もし、夫となった天海天海の浮気事件がなければ今でも舞台に立ち続けていたはず。
この事件以降、道頓堀からは姿を消して1年間音信不通を決め込んでいた。
この彼女をラジオドラマに復帰させたのがNHKの大阪放送局。
この辺のいきさつも史実通りに描かれているのでは。
娘春子と共に
鶴亀の熊田さんからもう一度道頓堀の舞台に立ってくれとお願いをされたあたりから、千代ちゃんは心が揺れ動くように。
千代ちゃんはかつての離婚騒動をいまだに引きずっている。
自分の中で区切りをつけたつもりでも、もう一度その場所に赴くとなればどうしても迷いが生じてしまう。
そのことを家族として敏感に察知していたのが春ちゃん。
仕事から帰ってきた頃をめがけて彼女なりのいたわりの言葉と葛湯を差し出すのだが。
この優しさが千代ちゃんを道頓堀に帰る決心をさせたようだ。
道頓堀の岡福に帰って見て真っ先に歓迎してくれたのがミツエちゃん。
おかえり❣️
ただいま…😌
この一言二言のやりとりにどれだけの思いが込められていたのだろう。
すぐに道頓堀全部に千代ちゃんが帰ってきたことが知れ渡ることになる。
彼女はかつて道頓堀で舞台に立っていたが、今はラジオドラマの最も重要なキャラクターを演じている俳優として知らないものがいないほどの知名度。
大坂のおかあちゃん
彼女目当てに岡福に大挙してお客さんがやってくる。
そして、そんなやりとりの中で鶴亀新喜劇の徳利さんがやってくるのだ。
再会鶴亀新喜劇
鶴亀新喜劇は打ち合わせの真っ最中だったけれど、一平君以外の全員が千代ちゃんの帰還を大歓迎。
彼らの中でもかつての離婚劇は衝撃の事件として記憶に残る。
一平には言わないでおこう
誰が言うとでもなくそんなふうに申し合わせることになった。
でも、劇団員たちの様子がいつになくそわそわ落ち着きがないから一平君、気がついているんじゃなかろうか。
熊田さんの竹井千代ともう一度舞台に立たへんか
の申し入れにも100%承知せえへんやろと言って取り合わなかった一平君。
そしてこうも言っていた。
もし引き受けたのならそれこそ喜劇や🤣
実はこれがどうやら現実になりそうな気配。
千代ちゃんはそのつもりで道頓堀に帰ってきたはずだから。
2人だけの家族やなかった
今日のドラマの中では新しい説明として春子ちゃんの本当の両親と家族写真が紹介されていたね。
この看護婦姿の女性がさくらさん。
なくなった栗子さんの一人娘になる。
抱かれている赤ちゃんが春子ちゃん。
このお母さんは優しくてとても良い看護婦さんだったとのこと。
春子ちゃんはこのお母さんを思い出しては自分も同じように看護婦になりたい夢を抱いている。
ただし、今日の物語の中では自分は頭が悪いから無理や そう言ってあきらめかけていたよね。
そんな春ちゃんをそれとなく励ますおシズさんと旦さん。
どうやら春ちゃんは生まれ育った境遇からか、なんとなく諦め癖がついているのかも。
しかし、道頓堀で新たに出会ったたくさんの人たちは春ちゃんにとっても新しい家族となり得る。
寛治君はお兄さん代わりだし、新しくおじいちゃんおばあちゃん、さらにおばちゃんまでできたのだ。
一福君がトランペットを演奏して、自分の父親の思い出を語って聞かせる。
こうして、2人だけの家族のはずだったものが、あっという間に大家族なことに。
おちょやんは残り3回の放送で完結することになる。
この物語にふさわしいオチが既に用意されているらしい。