物語はびっくりするスピードで展開する。
実は鶴亀新喜劇のこけら落としとなった注目の作品
お家はんと直どん
主役に一平君と千之助兄貴の予定だったが、突然千之助は降板を申し出る。
自分自身の力に不安を覚え始めていた彼は自分の役柄を千代ちゃんに譲るのだ。
突如降ってわいた主役の座にうろたえる千代ちゃん。
悩みながらも初めて主役の舞台をみんなに支えながら勤めあげる。
目次
■□━━ 急げ、ドメインは早い者勝ち! ━━□■
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お家はんと直どん
この演目はかなり古いと見える。
しかし昔からある演目でこのドラマのための書き下ろしではない。
この舞台をやるにあたって、千代ちゃんは千之助から主役をやるように申し渡されていた。
物語を見ていても、彼はかなり年取った感じがしていたし、最近の流れで行けば途中でセリフが飛んでしまったりアドリブも全く効かなくなっていた。
万太郎の言葉を借りれば役者としてはもう終わりなのかもと考え始めていたかもしれない。
さて、突然巡ってきた主役は千代ちゃんにとってはまったくの暗中模索。
いつになく悩んで悩んだ挙句、自分がどう演じればいいのか全く見失ってしまう有様。
しかし、千代ちゃんの1番の良いところは、本人が一生懸命頑張るときには必ず誰かの応援が得られる。
今回も一平君が
主役の事なんか考えんでよろしいがな
お客さんのためだけに一生懸命演ずればいいんや
その一言で悩みを吹っ切ることができた。
ちなみに千代ちゃんはおばあさん役は初めてなのかな?
少年の役柄とか、中年の女性の役どころはそれなりに演じただろうけど、おばあさんは今回初めてだったような。
千代ちゃん宛に送られる花だが、いまだに誰が送っているのか見当がつかない。
確か京都の鶴亀撮影所の時代からだったと記憶。
その時からの熱心なファンて誰だろう?
まさかとは思うけれど一平君の可能性はあるだろうかね。
道頓堀喜劇の復活をかけて
記念すべき初披露の舞台は新しいメンバーも加わって座長夫妻が主役を演じると言う。
さすがに夫婦の息のあった演技で客席も大盛り上がり。
とりわけ真剣な表情で舞台を眺めていたのが大山社長、熊田さん、千之助さん
この3人にとってはこれからの鶴亀の行く末を暗示するかのようなこの舞台の出来をひたすら心配していた。
しかしそういった心配をよそに舞台は大成功を収める。
お客さんからもいっぱい掛け声がかかったが、ほとんどはミツエちゃんとかが声をかけてたね。
古いタイプの舞台とは言え新装なった劇場はその大きさといい、中の装備といいこれからを切り開いていく者たちには申し分のないもの。
鶴亀新喜劇が見事に新装オープンした瞬間でもあった。
今でも舞台公演は結構賑やかであちこち盛り上がっていると聞いているが、コロナ騒動があったせいで大きな打撃を受けたはず。
本来なら、このような大衆演劇こそその国の文化のバロメーターでなければならないと、私は勝手に思っている。
こういった文化に勢いがなくなれば国そのものもきっと活力を失っていくのではと。
戦後の上方の演劇界を牽引したエピソードの1つがここでしっかりと語られる。
須賀廼家千之助が去る時
今日の物語の最後で千之助が家庭劇を去っていく様子が描かれる。
彼は今の今までずっと一平君の側で舞台活動を続けてきた。
最大の理由は
彼をすくいあげてくれた初代天海天海の恩に報いるため。
それほど義理に感じていた。
かつては万太郎と兄弟劇で大活躍していたが、兄から見捨てられる形で天海一座に加わることに。
それからの流れになる。
千之助にしてみれば万太郎と仲違いした後も舞台を続けてきたおかげで最後は仲直りをすることができ、さらには兄万太郎を見送ることもできた。
そして今回の舞台公演は、自分なしでも一平君たちはしっかりと素晴らしいものを披露できた。
もう自分の出番はなくても良いと感じたに違いない。
隠居して楽したいと思ったのかね。
こうして今週の物語はここで終了となる。
この時千代ちゃんと一平君は40歳を超えたくらいだと推察。
明日の1週間取りまとめで来週の予告編が語られるようだが、実はNHKの放送ではその部分も来週の流れとして既に映像紹介されているんだよね。
見た感じではっきり感じたのは、史実に驚くほど忠実じゃないのと。
つまりね、一平君の浮気について詳しく語られるみたいだね。
浪花千栄子さんのことをネットでさんざん調査してみたらびっくりするようなエピソードが目白押しなもので。
いずれこのおちょやんが終わるまでにそれらの興味深いエピソードも紹介できたらなと思う。