終戦からわずか数ヶ月で復興のための頑張りが始まった。
昨日のエピソードで、あんこ作りを始めた安子ちゃんは見よう見まねでやってはみるもののなかなかうまくいかない。
プロである父親にあんこ作りを頼み込んでみたが、首を縦に振ってはくれない。
しかし、作ったおはぎのあまりの不味さに、ついに父親金太が動く。
きちんと砂糖を使って、自分が作れば必ずかつての味を再現できる。
そして、焼け跡から砂糖の入っていた缶を発見。
そこからは、元気を取り戻した金太が「橘」を復活させるべく、かつての店の場所で再びおはぎを売り始めるのだ。
今日はその時のエピソードと、最後に衝撃の事実が告げられる。
物語は人の生き死にをしっかりと描いている。
目次
懐かしい味 橘のおはぎ
昨日、土砂降りの雨の中から発見した砂糖。
物語の中で作られていたのは、本物の砂糖を使った橘菓子司かつての味。
昔から評判が良かったから、ひと口食べてみれば皆が納得できたはず。
雉真夫婦も久しぶりに本物のおはぎの味に感激もひとしお。
どうやら戦争が終わって多少の時間は経ってはみたものの、復興はこれから。
かつての商店街も、どうやら生き残った人たちが戻ってきて、それぞれ思い思いに商売を始めるらしい。
それは雉真繊維も同じ。
かろうじて残った工場で、昔評判の良かった足袋を再び作ることに。
後は息子たちが無事帰ってくるのを待つばかり。
橘菓子司は金太1人になってしまったが、戦時中贅沢品として禁じられていたお菓子作りを再び始めようと決意。
生活に困っていて何もない時だからこそお菓子はきっと人に元気を与える。
その信念のもと金太は再びかつての跡地を片付けて、そこに住みながら商売を始める。
復活 橘菓子司
ほとんど物資がない中、安子ちゃんは雉真家の買い出しの途中に、お菓子作りの材料集めに奔走する。
なんといってもベースになるのはあずきと砂糖。
この2つがあって初めてあんこができる。
そして安子ちゃんはこの機会に、幼い頃希望だったあんこ作りをしっかり教えてもらえることになった。
かつて作業場で職人たちに呪文のように唱えていた言葉。
美味しゅうなれ
美味しゅうなれ😍🥰
再びこの言葉を聞ける日が来るとはね。
他にもいくつか、語られた言葉があったが、
時計には頼るな。
何をして欲しいかはあずきが教えてくれる。
鍋につきっきりで作業しているときの口伝。
全国いたるところにこんな出店のような店が。
戦後の復興は驚くほど早かったと言える。
戦後の日本政府はそう簡単には機能していなかったが、民間レベルでは生きていくための活動は必要不可欠。
様々な朝ドラの中でもこの頃の様子は物語として克明に描かれていた。
記憶に残るのは、最近ではエール。
その前のなつぞらでも詳しく描かれていたと思う。
算太 復員
実は、算太の復員にはそこに至るまでのちょっとしたエピソードが挿入されている。
おはぎを売っていたところが、小さな男の子が万引きをしておはぎを食べてしまった。
金太はその子に、おはぎ1箱を与えて“これを自分の才覚で売ってお金を稼いでこい”と。
周りのものは、そんなことをしても食べられて終わり位にしか受け取らなかったが。
しかし、この小さな男の子は金太には算太がかぶって見えた。
似とったじゃろ⁉️
そして、算太に似た子が戻ってくるかどうかかけをした。
そして戻ってきたのが算太本人。
相変わらずの口達者な彼。
しかしそんな様子に決して腹を立てることなく、金太は家族がみんな死んでしまったことを報告。
そして自分がつまらぬ意地を張っていたことを改めて謝罪する。
このやりとりは、戦争経験者でなくてもちょっと身につまされちゃう。
算太がこれから菓子職人として仕事をするとも思いにくいが、しかし大事な家族が1人帰ってこれた事はとても喜ばしい。
物語で語られる残酷な運命
今日の最後のナレーションで、金太が死んでいることが発見されたとのこと。
算太と再会してからわずか数時間後の事だったと想像する。
金太は雉真の離れに戻る事はなく、かつて自宅があった場所にほったて小屋を建ててそこに住み始めていた。
そして季節はこれから冬になろうとする時期。
安子ちゃんがゆっくり休むんなら、雉真に帰ってきた方がいいよと忠告していたのだが。
金太は自分が果たすべき役割を何とかして果たしたいとこの場所にこだわり続けていた。
その結果、無理をしていた体では寒さに耐えられなかったのかもしれない。
今日はここまでで物語が終了。
この時期、こういった話は全国いたるところにあったはず。
終戦後、復員兵と生き残って帰りを待つものとで、様々な思いが交錯していたと思う。
放送直後のあさイチでの朝ドラ受け
鈴木菜穂子アナウンサーが番組を進行できないほど号泣していた姿が印象的。
物語は無慈悲と思えるくらい、様々な人たちの生き死にを冷静に描き続ける。