怒涛の展開で進行する物語。
文四郎はひなたとの別れを決意。
到底納得できるはずのないひなた。
2人の未来に暗雲が立ち込めたとき、物語はそのポリシーを遺憾なく発揮することになる。
on the sunny side of the street
久しぶりに聞いた懐かしいフレーズ。
前を向いて歩みを踏み出せばそこには「日向の道」が開けてくる。
カムカムエヴィリバディが一貫して描き続けてきた応援歌。
失意の中で悲嘆の涙にくれる2人には思いがけない励ましが。
目次
るいからひなたへのメッセージ
部屋の中でそのままベッドに伏しているひなた。
るいは錠一郎からの情報やひなたの様子で事情を理解。
母親としてどんなふうに娘を励ましてあげれるのかと思ったら。
何も飲食物を口にしていない娘を気遣ってお粥を作って持ってきた。
そして娘の体を軽く叩きながら歌って聞かせるのだ。
on the sunny side of the street
それはるいがかつて母親安子にしてもらったように。
物語を見ていて納得したけど、深津絵里ちゃん、全フレーズ歌っていたよね。
それも耳に心地よい、ネイティブ発音で。
英語話せるんだぁとまぬけな感動をした私😅


ひなたは自分の名前は、父親が縁側でひなたぼっこしているときにたまたま思いついたと勝手な想像を。
しかし事実は全く違っていた。
なんと、古いジャズのスタンダードナンバーから
on the sunny side の1節から命名したと。
この場面の描き方は、同時進行で錠一郎が文四郎を励ます場面とリンクしていたね。
朝ドラの放送枠は1回あたりわずか15分。
その中で複数のストーリーを同時進行させるためには、セリフ以外の様々な要素を物語の中に考慮する必要が。
一貫して語られたルイアームストロングの古いジャズナンバー。
初代ヒロイン安子と稔のデートの時に初めて登場した歌は、時代を超え登場人物をまたいで物語の中で紡がれていく。
虚無蔵さんからのはなむけ
虚無蔵さんは役者を辞めることを決意した文四郎に励ましの言葉と、記念にと自分愛用の木刀を渡していたね。
文四郎が日々鍛錬して培ってきたもの、心の中に生きている様々な思いはどこでどんなふうに生きようと誰からも否定される事は無い。
必ず文四郎を助けるはずだと。
申し訳ない気持ちでいっぱいになる文四郎。
しかし、夢を抱いて必死で努力しても全く叶うことがないとさとってしまえば、方向転換するしかないわけで。
おそらく、虚無蔵さんとはこれで最後になるだろうエピソード。
錠一郎から文四郎へ
錠一郎は映画村の休憩所にふらりとやってきて文四郎にメッセージを残す。
文四郎はひなたへの仕打ちできっと腹を立てて、ここに殴り込んできたんだろうと誤解。
しかし、内容は全く違っていた。
固まった文四郎に錠一郎は上がり框に座るように促し、1枚のCDを渡す。
それはなんとトミー北沢のアルバム。
錠一郎と関西トランペッターコンテストで雌雄をけっしたたかつてのライバル。
もちろん、2人は無二の親友でもある。
錠一郎は過去に、自分のトランペットでアメリカの本場でサニーサイドを演奏する夢があった。
しかし、誰もが知る通り 彼は突然トランペットが吹けなくなる病気に。
ジャズ業界から去って今に至る。
今日はそれ以降の様子が錠一郎の口から語られていたね。
親友のトミーは錠一郎が描いていた夢を全て叶えた。
錠一郎はトミーのアルバムは全て購入したけれど、1度も聞いた事はないと。
そういえばCDラジカセとかなかったよな、大槻家には。
錠一郎は文四郎の挫折した気持ちを自分のことのように理解していた。
真っ暗闇で何も見えなかった時に、自分を救ってくれたのがるいだったこと。
光の塊のようなひなたが自分たちのもとにやってきてくれたこと。
そして進むべき道を見失っても、自分が進みたいと思った道が君にとっての日向の道なのだと優しく諭していた。
文四郎にとって、何にも変えがたい励ましになっただろう。
周りから非難が集中すると思っていたが、ほかならぬ自分が袖にしたひなたの家族からこんなにも温かく応援されるなんて。
ナベサダと並び称せられる日本を代表するジャズマン。
あの時、錠一郎が入水自殺しようとした場所に彼は同席していた。
トミーはおそらく自分の進むべき道をその時 理解したのではと解釈する。
伏線回収は粛々と😌
錠一郎は挫折して方向転換せずにはいられなかった文四郎の苦しい胸の内を我が事のように理解していた。
彼は文四郎がどんな思いでひなたの前から去るしかなかったのか、わかったが故にわざわざ直接文四郎に会いに来たのだ。
(自分の不幸の中にひなたを巻き込むわけにはいかない。)
そして、ひなたの眩しさは時によっては拷問のように苦しく感じたに違いない。
私はこのブログをアップする手前、ネタバレ情報などもつぶさに見ることにしているが、この2人のこれからがどうしても見えてこないんだよな。
撮影はもうクランクアップしてるんだよね。
物語的にはすべて撮影終了で放送を待つばかりのはず。
さて、あと気になるところでは安子のその後。
そして錠一郎のトランペット。
様々な疑問がここへきて一気に吹き出す。
残りの放送回数はもうカウントダウンの圏内だからね。