1週間締めくくりとなる今日のエピソード。
時間の全てが暢子と矢作の物語で占められていた。
場所はフォンターナ。
昨日、暢子が連れて来たかったところ、それはフォンターナ。
あまゆでの話の後、場所を東京に移してフォンターナのオーナー房子とのやりとり。
その内容は、矢作を演じている井之脇海の名演技もあって、感動的なもの。
初めて、俳優井之脇海の存在意義が発揮された場面ではなかったかな。
オーナー房子の矢作に対する思いも感動的な内容。
彼女は矢作に対して退職金と称してまとまったお金を渡していた。
なんとなく想像のついたストーリー展開だけど、見ている方は妙に納得させられる。
房子自身が自分の落ち度を謝罪していた。
オーナーとしての人徳にかけていたがゆえに、きちんと相談に乗ってやれることもできず、こんな形になってしまったこと。
彼女が、経営者としては辣腕で厳しさの塊みたいなところがありながら ふたを開けてみたら驚くほどの愛情と優しさで満ちている。
そういった様子も物語に大きく花を添えていたような。
そして感動させられたのはなんといっても
矢作が料理に対してどれだけ深い愛情を抱いていたか。
最後の方でパパイヤを千切りするシーンで喜びのあまり涙ぐんでいた。
言葉こそ全くなかったけれど、喜びがこみ上げている様子がとてもよく伝わった。
驚くほどベタなまとまりだけど、このまま物語は来週へ進むことになる。
目次
オーナー房子の思い
物語の冒頭で語られていたのはオーナー房子の振る舞い。
矢作が来ることを待ち構えていたかのように、退職金を用意し、自分の気持ちを伝える場を準備していた。
実は、矢作が失敗するまでもなく房子自身も何度も自分の店を倒産させていた。
そして、かつてお金のためには不誠実なこともやってしまったと述懐。
その上で、自分が至らなかったばかりに、矢作の相談に乗ってやることもできずやめさせる事態になってしまった非礼を詫びていたのだ。
その上でまとまったお金の退職金を差し出した。
思わずあっけにとられる矢作。
てっきり、警察につき出されるものと自暴自棄になっていたのが、逆にお詫びされた上に、喉から手が出るほど欲しかったお金。
まともに生活費すらない状態では、この先どうやって生きていくのかすらままならない。
房子は料理人として矢作がまだ情熱を失っていなかったことを確認したかったこともあったようだ。
それは、二ツ橋シェフも同じ。
彼は矢作に自身の包丁を見せるように促した。
そして、
よく手入れされて輝いていた包丁が矢作の心意気そのものだと確信。
この場面でのやりとりは、人によっては涙ぐむくらい感動しただろうと思う。
俳優たちの演技が実に見事だったもので。
ストーリーの、曖昧さとか整合性のなさもここでみんな許されるような気がした。
矢作と妻佳代
まさか退職金を渡してもらえるとは露ほども思わなかっただろう。
そして、房子からのねぎらいの言葉に思わず涙ぐんでしまう矢作。
房子はかつて挫折してどうしようもなくなったときに、自分の大切な人たち、既になくなっていた彼女の両親や妹たちのことを思って頑張って来れたと聞かせていた。
その言葉に激しく動揺する矢作。
今日のエピソードで長い時間を割いて登場していた矢作の奥さん佳代。
彼女は夫が置いていった離婚届を決して認めようとはせず、夫を信じてやり直そうと決意していた。
こういう人が、良妻賢母というか、内助の功を発揮できる人というか。
あまり大げさに強調すると批判が来そうなのでこのくらいにしておくが。
ひたむきに夫を信じる小柄な奥さんの役柄がぴったり似合っていた。
暢子の沖縄そばにも素直においしいと感動していたね。
矢作はこの奥さんがいるからこれからも頑張れるんじゃなかろうかとみんなが思ったと思う。
そして、彼は料理以外にはできないんだと物語が強くアピール。
何でも器用にこなせるようなオールマイティーさはこの物語にはふさわしくない。
小生意気でマイペースな矢作のようなキャラがこの物語を引き締める上で大いに役立つはず。
そうでなくても比嘉家のメンバーは喜怒哀楽の感情のみで存在しているような気がしちゃうもので。
料理人の心意気
矢作の包丁を見た二ツ橋シェフは彼が料理人としての情熱を全く損なっていなかったことを確信する。
良い包丁は鋼を結構多めに使っているので、丁寧に手入れしないとすぐサビちゃうね。
私も、手作りのMY包丁を持っているので、手入れをせずに、洗いっぱなしで台所に放っておくとすぐにサビちゃうのでよくわかる。
あんなにピカピカなのは毎日みがき粉できちんと手入れしないとあーはならない。
ただし、小道具で使っている包丁だと思うのであえて意見しておきたいが、あれはお高い包丁じゃないよな。
多分、金物屋さんで普通に買えるレベルの包丁だと思う。
そして、ステンレス製だろうなと感じたね。
料理をする人ならすぐに気づいた可能性がある。
暢子の包丁を思い出すとよくわかる。
父親賢三のものは、手作りできちんと銘の入ったもの。
あれは見ただけでどんな品物なのか納得できると言うもの。
『ちむどんどん』
いよいよ矢作を交えて『ちむどんどん』が開店する。
雇われるにあたっていくつかの条件が出ていたね。
休みは週一、残業はなし
給料は相場でOK。
ただし遅配は認めない。
最後の場面で、パパイヤの千切りをしながら喜びのあまり涙ぐんでいた矢作。
この物語が料理のためのものだと改めて納得させられた場面でもあった。