物語は、今日を入れてもあと3回のストーリー。
鎌倉殿不在となった今、幕府としてはどうしても次なる将軍職の道筋をつける必要が。
鎌倉幕府を支えているのは御家人たち。
御家人たちをつなぎおくためには、どうしても将軍職とその下の政体制がきちんと整っている必要が。
三代将軍実朝が暗殺された事は、混乱の始まりと思われた。
すべては、北条義時、三浦義村など幕府内の有力勢力が画策したこと。
ここへきて、視聴者である我々が知っている歴史的事実はさほど多くは無い。
将軍職の跡継ぎを決めるための争いは、朝廷と幕府の駆け引きの中、さらにまた粛清が行われようとしている。
すでに、北条義時を始めとする幕府の主な勢力は、それなりの年齢に達している。
普通ならば、跡継ぎも考え、自分自身の権力の移譲も考えなければならないところ。
しかし、混乱の真っ只中では思い通りに事が運ぶとは考えられなかった。
今日のエピソードの中で、中心となって描かれるのは、政子と実衣の姉妹。
幕府初代執権の北条時政の兄弟のうち、生き残った女性たち。
彼女たちの子供も、粛清の嵐の中で次々とこの世を去っていく。
目次
義時と義村
物語の中で描かれたのは、三代将軍実朝がいなくなったことで、その後を継ぐ四代目が近親者の中から選ぼうとする動き。
北条義時は朝廷から次期将軍を派遣してもらうよう計画していた。
そのことに逆らうような動きはすべて謀反とみなすように。
この場合、政子の妹実衣は源頼朝の弟阿野全成の妻。
2人の間に生まれた子供は、頼朝の甥に相当する。
常識的に考えても、鎌倉殿の資格を有しているものと。
義時はそのことを決して認めようとはしていない。
あらかじめ、可能性のあるものは、行動を起こす前に芽を摘み取ってしまうことで、三浦義村を介して罠を仕掛ける。
阿野時元が謀反を起こすように仕向けて粛清の大義名分を捏造。
そして、阿野時元を計画通り粛清。
さらには、自分の妹すら処刑しようとする義時。
演じている小栗旬は、見る限り完全に悪魔に見える。
そして、本当は自分のことしか考えていない三浦義村は北条義時の下で自らの権力を確かなものにしていた。
阿野時宗と母親実衣
今日のエピソードの最初の頃に描かれた騙し討ち事件。
北条義時は鎌倉幕府存続のためには、自分の身内といえども粛清する必要があると。
思い通りにならない事は、全て排除する精神でやっていこうと。
北条義時の中では、既に源頼朝直径の将軍職はありえないと思っているようだ。
そして、鎌倉幕府には、飾り物の将軍職を置いて、政の実権は北条すなわち自分が担う。
自分の思い通りにならないような可能性のあるものは全て排除する。
北条義時=鎌倉
北条義時は、幕府を運営する点において自分の思い通りにならない事は極力排除。
それは、源頼朝のやり方をそっくり真似すること。
しかし、鎌倉幕府にはどうしても弱点がある。
幕府の頂点に必ず将軍職が欲しい事。
そして、将軍は自分たちで勝手に決めるわけにはいかない。
征夷大将軍の任命権は朝廷にあるわけで。
幕府の実権は自分が握って運営するとして、どうしても意のままに動く将軍が必要と言うことに。
それは、朝廷に頭を下げてお願いするしかないのだが、後鳥羽上皇の親王は無理だと言うことに。
それ以外の摂関家から新たな将軍をお招きすると言うことで話がついたようだ。
また、北条義時には、自分自身の跡継ぎ問題も煩わしいこととして、身の回りに起こってくる。
これは、義時の逆鱗に触れる。
義時の跡継ぎは、流れとして北条泰時に決まりつつある。
喧嘩ばかりしている親子だが、お互いの力を認め合う部分があって、北条泰時こそが、義時の跡継ぎである事は、既に決定事項のようにも思える。
鎌倉幕府は成立当初から多くの問題を抱えていた。
有力御家人たちは全て粛清されて、今生き残っているのはごくわずか。
幕府を上するためとは言え、あまりにも多くの血が流れすぎたのでは。
朝廷と幕府の駆け引き
後鳥羽上皇は、自分の親王を鎌倉に遣わす事はしないと明言。
実朝を殺されたことで、幕府への不信感は頂点に。
この後、様々なやりとりがあるが、結局上皇がとった行動は承久の乱。
鎌倉殿の13人は、承久の乱を描くことで物語の頂点に到達。
尼将軍
尼御台は新しい征夷大将軍が元服するまでの間、自らが将軍職を勤めると宣言。
名付けて尼将軍。
新将軍の候補として三寅。
彼女にはどうしてもやっておかなければならないことが。
それは妹実衣を助けだすこと
謀反の疑いをかけられて半年余り幽閉されたままになっていた。
と同時に、尼将軍は施餓鬼供養も行っているように描かれている。
北条政子は、悪女として知られるが実際は違うと脚本家三谷幸喜は言いたかったに違いない。
政子なら、権力の頂点に君臨しても、周りのコンセンサスが得られる。
なんといっても源、頼朝の奥方なわけで。
尼将軍としての最初の仕事が実衣の釈放だったのだ。