今週はエピソード2日目にして重大な局面が描かれる。
社長を失ったIWAKURAは妻めぐみが引き継ぐことにはなったが、経営の危機的状況はますます悪化するばかり。
今まで経理担当でやってきた彼女が社長を引き受けたとしても、業績回復が望めるとは到底思えない。
浩太の思いを考えれば、なんとしても会社を存続させたいところ。
リーマンショック真っ只中のこの時期、夢や希望だけで会社経営ができるほど甘くはなかった。
必死で平静を装うめぐみ。
しかし、内心は激しいストレスにさらされ、夫の残した会社の先行きを全く見通せないでいた。
舞は母親をなんとか手伝おうと、自分にできる事を探す。
しかし、もともと家の仕事など手伝ったこともなかった彼女にできる事は限られる。
五島のばんばが家にいてくれて、娘たち親子の面倒をそれとなく見てくれることが、舞とめぐみにとっては、唯一の救いだったかもしれない。
めぐみが会社をどんなふうにするべきか、その悩み抜く様子が詳しく描かれると同時に、この物語がこの先どんな風に進んでいくのかも方向付けが出されるような展開。
目次
めぐみの苦悩
IWAKURAにとって笠巻は特別な存在。
なくなった社長浩太が会社を引き継いだときは、この若者だと、会社は、やがて潰れるだろうなと思ったそうな。
よく持って1 〜2年程度。
しかし、それがフタを開けてみたら、30年続けられて、しかも工場も大きくなった。
焦らずに今すぐ結論を出さなくても、よく考えて判断すれば良いとアドバイス。
めぐみはここで相談したことで、気分的には多少楽にはなったものの、決断は急がれる。
ゆっくり何ヶ月もかけて考えられることではなさそう。
IWAKURAをどうする?
章は浩太の葬儀には出られなくて、全てが終わってからお参りに来たようだ。
彼は浩太から腕前を高く評価されていた。
IWAKURAからヘッドハンティングされて、よその会社に引き抜かれたほどの技術力を持っている。
しかし、彼の胸の内は浩太によって育てられたと今でもその恩を忘れる事は無い。
社長としての浩太がどれほどの存在だったのか今更のように納得させられるめぐみたち。
めぐみは浩太が社長のままだったなら、工場をたて直すこともできると思ったようだ。
しかし、本人がいない今となっては自分がどんなに頑張っても及ばないと考える。
ここでの親子のやりとりは、ひたすら切なさのみが伝わる。
順風満帆で運営されている会社なら、会社ごと引き受けてくれるような取引先もあるだろう。
しかし、左前になった会社を引き受けるとなれば、相応のリスクが伴うのでよほどのことがないかぎり、大抵足元を見られて二束三文で買い叩かれる場合がほとんど。
個人的なことになるが、かつて私も自分の勤めていた会社が倒産した経験を持っているので、その時、従業員も会社が抱えていた様々な在庫や設備等全てが二束三文で散り散りになったことが思い出される。
現実は驚くほど冷酷で無慈悲なものだと痛烈に思い知らされた。
ばんばの励まし
岩倉家にばんばがいてくれたことで舞もめぐみも心の負担が少しは軽くなったに違いない。
自分にできることを、よく周りを観察すれば見つけることができる。
そういえばばんばは朝、出かける前にめぐみと舞の弁当を作ることが日課になっていたね。
この物語では欠かすことのできないキャラクター。
そして、いつも感じることだが、俳優たちが使う方言がとても魅力的に映る。
ばんばは五島の言葉で。
めぐみは関西弁と五島弁両刀使いで役柄をこなしている。
ストーリーの信憑性はこの辺から発生するのだと納得させられる。
決心
ついに社員の前で会社をたたむと発表せざるを得なかっためぐみ。
社員たちの不安な様子を考えれば、断腸の思いなのは言うまでもない。
しかし、資金も仕事も揃わない中で経営する会社などどこにもあるはずはない。
社員たちの前で、仙台の社長の言葉を引用して
IWAKURAの技術力はどこにも負けない!
その実績を頼りに、会社を丸ごと引き受けてくれる取引先を探していると語っていた。
こうすれば、従業員たちは会社を辞めずにそのまま仕事を続けることができる。
しかし、それはある意味 虫の良い話でもある。
経済活動は、利益が出なければ存在価値がない。
それは兄悠人の言葉そのもの。
悠人はIWAKURAは身売りするのが1番だと即答していた。
早ければ早いほど傷が浅くて済むとも語っていたね。
全く先行きの見通せないまま、物語はぐいぐい進む。