今週から描かれるらんまんは万太郎が持てる力をフルに発揮して、自らの夢に邁進しようとする姿が描かれる。
自分が植物の名付け親になるためには、植物学の専門家としての知名度が必要不可欠と思われた。
そのためには、博物館の里中先生のアドバイス通り、自分自身の書籍を発行することで、大勢に存在を知ってもらう。
確かに、口で言うのは簡単だけど、簡単なこととは到底思えない。
今日は万太郎たち新婚夫婦のやりとりが物語の冒頭で描かれた。
ままごとのような生活と思いきや、寿恵子はしっかりと主婦業に勤しんでいる。
そして、万太郎は自分の計画実現のためには、今以上の厳しいノルマが必要だと説明しなければならない。
本を出版するためには、どうしても印刷所の世話にならなければいけないが。
既に大畑印刷所が万太郎の身内のような存在だが、しかし通常の業務を考えれば、万太郎の仕事に割ける時間は夜中にならざるを得ない。
寿恵子は健康を考えれば、とても承服できないことだが、万太郎の夢実現を考えれば必要なことだと納得せざるを得なかった。
物語はもう一つの舞台 東大の植物学教室についても描かれた。
藤丸と羽多野は2年生の指導も兼ねているが、若い世代は簡単には働いてくれない。
そんな中、田邊はいつになく機嫌が悪かった。
彼の目的は、自分自身の地位とか名声。
自分の部下大窪にも八つ当たり。
今週の展開に波乱の予感。
目次
万太郎と寿恵子
朝、万太郎と寿恵子の食事の風景。
彼ら2人が食べていた味噌汁の具がこんにゃくと油揚げ。
たぬき汁と言うんだそうな。
こんにゃくをたぬきに見立てているらしい。
私も相当長いこと生きてきたけど、こういうタイプの味噌汁は飲んだことがない。
今度は家で試してみようかと思った。
屈託のない夫婦の会話だが万太郎は寿恵子におりいって頼みがあるような雰囲気。
竹雄からの申し送り事項の中に、きちんと見張ってないと万太郎は睡眠時間を削って仕事をするようになるとあった。
健康に良くない事は明らかで、寿恵子もそれだけはなんとしても防ぎたいと思っていたのに。
どうやら、万太郎の方からじわじわとその約束事を反故にするような動き。
書籍の発行
万太郎の生涯かけての目標は植物の名づけ親になること。
そのためには、日本全国の正しい植物標本と、それを管理する施設。
さらには新種発表の仕事をこなせるだけの専門家が必要になる。
今現在での万太郎は何の肩書も持たない全くの風来坊。
これでは何を語ろうにも誰の信頼も得られないわけで。
博物館の里中先生のアドバイスによれば、本を出版して業績を認めてもらうのが一番の近道だと。
そのための計画で、
万太郎は自分自身の持ち味を最大限生かした本を出版しようと考えた。
もちろん結婚するときに寿恵子からのアドバイスも忘れていない。
研究結果は、里見八犬伝のように何冊かに分けてその都度発表していくやり方。
そして、万太郎は、自分の最も得意な分野を考えたときに絵を描くことだと断言していた。
つまり、作画の技術が出版する本の最大の売り物になる。
万太郎は、最初の本の出版の際、大畑印刷所とつよい絆で結ばれていた。
考えてみれば社長夫妻には、自らの結婚式の仲人をしてもらっていたではないか。
新しい本の出版のためには、前回と同じように自ら絵筆をとって石版印刷する必要がある。
寿恵子が1番先に気をつけたいところが、なし崩しで認めさせられてしまう。
万太郎と夫婦になるってのはこういうことなんだと半ば呆れながらも省服せざるをえない。
物語の途中では、大畑印刷所のかつての仲間、宮本とか社長の様子も描かれていた。
これからかなり長い間お世話になるんだろうと思う。
植物学教室
植物学教室では、藤丸と羽多野はそろそろ論文の心配をしなければならない。
彼らには、後輩の2年生も入ってきたが2年生は雑用係も兼ねているような雰囲気。
標本をきちんと保管するための固定作業をまかせたが、やりたくない仕事を嫌々やっていれば、かなり乱暴でいい加減な仕事になってしまう。
2年生の2人にしてみれば、これから受ける授業の予習をしなければならない。
雑用をやっている暇は無いのだ。
先輩たちが精魂込めてやってきたことも、新人の後輩たちにかかれば全く評価されない。
植物学教室は、教授もどちらかと言えば、自分の都合しか考えていないのでこれから前途多難なのは言うまでもない。
ブラック田邊と大窪
ブラック田邊は自分自身の名声のために躍起になっていた。
彼も考えている事は万太郎同様自ら植物の名付け親になろうとしている。
しかし、現実はそんなに甘くは無い。
心の底から、植物を愛している万太郎に比べると、ブラック田邊の興味は自分自身の利益。
大窪には何の罪もないけれど、ブラック田邊は自分の植物標本がうまい具合に揃わない理由を大窪に擦り付けていた。
自分がなすべき仕事を、他人任せにしている方がよっぽどまずいだろうと常識的に誰もが思うんじゃなかろうか。
さて始まったばかりの今週のエピソードは、思いがけない展開が待ち受けているような気がする。