らんまんは今週と来週の物語で全てが完結する。
今週描かれるのは、先週から語られてきた通り万太郎が東大を去ることについて。
それは、当時明治政府が行っていた神社の合祀による神社の統廃合に反対するため。
政令は、廃止された神社の様々な植物が伐採されることを意味していた。
植物を守らなければならないと固く心に誓った万太郎。
家族に向かって大学を辞めると宣言。
万太郎の決意表明にあっけにとられる家族たち。
東大と、新しく見つかった寄生植物「ツチトリモチ」の発表を天秤にかけた結果、東大を選ばなかった。
新しく論文にまとめ詳細な図柄とともに、植物志図譜の新刊として発表する。
これこそが万太郎が進むべき道なんだろうと、家族の者たちも言い出したら引き下がらない父親を認めることになった。
モデルとなった牧野富太郎博士も同様の道をたどったと伝わる。
槙野家は家族がみんな成長して、末っ子の千鶴の成長以外他は皆一人前と見て良さそう。
長男の百樹は役所勤めをしていて、家庭にお金を入れているようだ。
仮に、万太郎が大学を辞めたとしても、かつてのような貧乏生活ということでもなさそう。
さらに、寿恵子のヤマモモは連日の大繁盛が続いている。
お金に困ることにはならなさそう。
そんな中十徳長屋の差配人りんが引退宣言を。
後任に千歳を指名してきた。
子供の頃からりんの後をついていた千歳は今では、安心して仕事を任せられる存在。
物語は、着々と最終章のカウントを続ける。
目次
万太郎の決断
神社の森が伐採されることになれば、そこの植物フローラは完全に失われてしまう。
そのことがどうしても受け入れられない万太郎。
そうはいっても、国の方針に逆らってどうなるものでもない。
万太郎ができることといえば、すべての植物を克明に記録に残して、後世に伝えること。
そしてその作業をするためには、大学在籍の肩書は邪魔者でしかなかった。
目的のために、不必要なものを捨て去る。
万太郎が下した決断は重く厳しいもの😥
家族の反応
万太郎の決意表明に思わずあっけにとられる家族たち。
万太郎が言い出したら聞かない正確な事は皆知っていた。
詳しい説明を聞いてみると、万太郎の言い分は彼らの中では納得できるものと思われた。
神社の統廃合によって廃止された神社の森は伐採され安い値段で民間に払い下げられる。
大抵の場合はそれで終わり。
その後何か特別な計画があるわけではなし。
伐採された植物が失われた跡地は別な用途で使われる可能性が。
この当時富国強兵で、日本は様々な近代的な施設を必要としていた。
特に、軍事関係の用地として様々な目的で土地が必要とされていた。
そのことを考えれば、神社の森の1つや2つ関係なかったのかもしれない。
槙野家の賢い家族たちは、それぞれそんな国の矛盾を彼らなりにしっかりと捉えていた。
そして、たとえ万太郎の大学からの給料がなくなったとしても、他の家族が家計の収入を支えると。
万太郎と寿恵子は感慨深げに家族を眺める。
みんなしっかりしてる。
私たち夫婦がこうだとこんなにもちゃんと育つのか?
これは不思議な実感かもしれないね。
植物志図譜新刊発表
これは見た感じほとんどキノコなので、単独で生きられないのは間違いないと思う。
何かの木に寄生して生きながらえるしかない。
もし森が伐採されてしまったなら、これらのものも死に絶える運命にある。
明治以降、こんな流れでたくさんの森が失われてきた。
物語は、東京近郊を舞台として和歌山県など関西方面にも及ぶが、北海道でも同様のことが行われたと思う。
特に札幌や旭川などの大都市圏は、もともとは鬱蒼とした森だったと聞く。
しかし、今や、そんなものは全く想像すらできない。
私が住んでいるこんな田舎街でさえ、明治の初めの頃は、森が広がっていたと聞いた。
それが鉄道が通り道路が整備されて街ができ始めるとそんなものはどこかへ行ってしまったようだ。
万太郎は、植物学者としての自分の思いの全てを込めて新しく図鑑を発行する。
今日のエピソードは、新しくできた図鑑を植物学教室の徳永教授の元へ届けるところで終わった。
予告編でも詳しく語られていたが、明日は万太郎が辞表を提出するシーンが描かれるはず。
思いを込めて研究結果を届けたんだろうと思う。
物語のモデル、牧野富太郎博士も、植物に駆ける並々ならぬ思いは、その姿かたちにもよく表れている。
牧野博士のエピソードを見ると、物語で描かれた万太郎の姿は微妙に被ってくるものがあるだろう。
十徳長屋の移り変わり
十徳長屋の差配人を長く務めてきたりん。
彼女は家主といい仲だったと語られてきたが、ここへきて、すっかり年もとったことで一緒に暮らすことになったようだ。
ついては、自分が今までやってきた差配人を千歳に引き継いでほしい。
そのつもりがあったかどうかは別として千歳はりんに仕込まれて、長屋の運営全般について、今では独り立ちできるほどの信頼が得られる存在。
さて、万太郎はいよいよ在野の1植物学者として活動することになる。
既に知名度は世界的レベルに達していた万太郎にとって順風満帆な道のりが開けていくのかどうか。