万太郎は在野の1植物学者として再出発することになった。
予告編でも語られていたが、ついに植物学教室に辞表を提出。
大学での活動が終わった今、何をなすべきかは彼自身が一番知っていること。
神社の統廃合を進めてきた明治政府は合祀令の見直しが行われることに。
本来は伐採予定だったものが1部は残されることになったようだ。
この時代、明治政府は日露戦争に勝ったこともあって、その立場は明確に富国強兵を打ち出すものに。
徳永教授に丁寧なお礼を言って教室を去る万太郎。
「この雪の 消残る時に いざ行かな」
「……山橘の 実の照るも見む」
この場面で、この2人のやりとりの中に万葉集の1句が出てきた事はとても感慨深い。
徳永教授と万太郎は日本文学を愛でる点で共通点があった。
徳永教授は本当は万太郎を植物学教室に留めて身分を保障してやりたかった。
だが、万太郎の方からそれを拒否した形になる。
万太郎が大学を去ろうとしたときに、札幌から工学部の新しい教授が赴任してくる。
それがなんと幼なじみの祐一郎君。
彼は土佐佐川で名教館以来の古い友達。
お互いの実力を認め合った生涯にわたる親友。
さて、万太郎の娘千歳と虎鉄は結婚することになった。
万太郎たちにとって最初の娘園子を失った事は未だ痛みとして心に残る。
そこから遥かな時間が経って今喜びごととして帰ってきた。
らんまんはすべての物語がここに結集する。
目次
辞表
神社の合祀令に反対する万太郎。
大学とは真逆の立場をとっていて、徳永教授は大学の方針を曲げるわけにはいかない。
その結果、これ以上は万太郎をかばえないことが初めから言われていたこと。
しかし、それでも万太郎の決意は変わらなかった。
植物の伐採はどうしても許せない。
実は神社の統廃合に基づく森の伐採は世論が動いたことで、必ずしも全て計画通りに行われたわけではないと言われる。
それでも大学の立場は国家機関としてゆるぎがない。
万太郎は在野の1植物学者として活動することになる。
1人の植物学者
万太郎にとって研究するためには、まず野山に出かけなければならない。
研究室では研究の全てを網羅することはできないのだ。
これらの代わり種の植物を全て精密な図柄に描き出す。
短い時間だけれど、かつて仲間だった野宮が物語の中に登場していた。
万太郎の描いたツチトリモチの精密画に驚きを隠し切れない。
どうやって描いたかすら想像できないような素晴らしい出来上がり。
おそらくどのように描くべきかご本人も相当悩まれつつ、新たな方法を模索していた可能性が。
今のように写真などはあっても実用的ではなかったかもしれない。
やはり人間の手で筆を取るのが最も表現しやすい。
これからは大学の後ろ盾はなくなってしまう。
知名度は抜群かもしれないが、万太郎は著名な肩書は何一つ保有していない。
現在では、モデルとなった牧野富太郎博士として広く世の中に知れ渡るが、この時代はどうしても超えられない壁があったのも事実。
広瀬祐一郎と入れ替わる
万太郎が大学を去るその日に赴任してきたのが祐一郎君。
彼は札幌からこちらに招聘されたようだ。
特に、小樽港での港湾工事に実績があったことを買われたと語っていた。
そういえばアメリカに行ってミシシッピー川の護岸工事等にも携わっていた。
生粋の土木学者として現在進行形で活躍しつつある。
祐一郎は自分は1技術者であると断言してはばからない。
大学に来てみたところが派閥など様々なしがらみがあることが発覚。
最初からあちこちの会合に呼ばれたが、全てお断りしてきたと。
祐一郎や万太郎にとって現場で働くことこそが全て。
煩わしい人間関係など願い下げなのだ。
喜び事
以前から予告編でわかっていたことだが、千歳と虎鉄が結婚することになった。
虎鉄は千歳にはもっと若くてふさわしい相手がいるのではと結婚を躊躇する発言も。
しかし花嫁の千歳が一蹴する。
私は虎鉄にいと結婚したい。
ちいちゃん😍❣️
2人のやりとりが物語をほんのりと包んでくれる。
調べてみたところ演じていた浜辺美波と遠藤さくらは4歳しか違わない。
物語の中では、間違いなくしっかりと親子の関係になってはいたが。
今週は一般人となった万太郎が、どんな研究を続けるのかが詳しく描かれることになりそう。
そして時代はいよいよ1900年代20世紀に入る。
この時忘れてならないのは関東大震災。
物語的にこのエピソードも決して外せないはず。
予告編ではその時の様子も描かれていたが、どんなストーリーになるのだろう。